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ダンプ中間金具の取り付け方法

2025年4月4日

ダンプ中間金具とは、ダンプのリヤアオリ下面に設置し、ダンプアップ時の落下を防ぐ部品です。ダンプは上部受けのロックを開けた状態でダンプアップすると、リヤアオリ下部のツメが自動で解除されます。そのままではリヤアオリの支えがなくなり落下してしまいますが、ダンプ中間金具を取り付けることで、アオリが落下しなくなります。

この記事では、ダンプ中間金具の取付方法を手順に沿ってご紹介します。注意点も含めて詳しく解説するので、ダンプ中間金具を取り付ける際の参考にしてください。


ダンプ中間金具 2t、4t用 新型 メッキピン・ピン受付

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ダンプ中間金具の取り付け方法

ダンプ中間金具の取り付け手順は以下の通りです。

1.バッテリー端子を取り外す
2.位置決め用の丸棒の治具を用意する
3.車両の寸法を測定する
4.ダンプ中間金具本体・ピン軸受けをカットする
5.取り付け位置を決める
6.溶接の準備
7.仮付け溶接
8.本溶接
9.ピン受けパイプを取り付ける
10.ピンチェーンを取り付ける
11.最終確認・塗装

1.バッテリー端子を取り外す

はじめにバッテリーのマイナス端子を取り外しましょう。溶接時は、非常に高い電流が発生します。バッテリーの端子を接続したまま作業を行うと、車両の配線を通じて、コンピューターやセンサー類などに悪影響を与えます。

特に近年の車両は高度に電子制御されておりますので、溶接時の電子部品関係の保護は必ず架装要領書に従い、プロの業者様の指示を仰いでください。

2.位置決め用の丸棒の治具を用意する

ダンプ中間金具の取付位置を決めるため、丸棒の治具(φ21mm × 長さ85mm)を用意します。ダンプ中間金具の本体や軸受けにバリがある場合は、治具が使いやすいようにグラインダーなどを使用して削っておきましょう。


ダンプ中間金具 2t、4t用取付治具 φ21×L85mm

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3.車両の寸法を測定する

車両の寸法を測定する
車両に備わっている自動ツメのシャフトの中心軸の位置を測ります。リヤアオリ下面からシャフトの中心軸までの寸法(高さ)と、リヤ床枠面からシャフトの中心軸までの寸法(奥行き)の2箇所を、スケールなどを使って測定しましょう。

リヤアオリは、自動ツメのシャフトの軸を中心に回転します。自動ツメの軸とダンプ中間金具の軸がズレてしまうと、リヤアオリがうまく開閉できないため注意してください。

4.ダンプ中間金具本体・ピン軸受けをカットする

測定した車両の寸法に合わせて、ダンプ中間金具本体とピン軸受けをカットします。
ダンプ中間金具本体・ピン軸受けをカットする
ダンプ中間金具本体は、リヤアオリ下面からシャフトの中心軸までの高さに合わせて調整します。
ダンプ中間金具本体・ピン軸受けをカットする
ピン軸受けは、リヤ床枠面からシャフトの中心軸までの奥行きに合わせてください。

5.取り付け位置を決める

取り付け位置を決める
カットしたダンプ中間金具本体とピン軸受けを車両に当て、用意した丸棒の治具を使って正しい高さ・奥行きになっているかチェックしましょう。
取り付け位置を決める
ダンプ中間金具を取り付ける位置は、本体に丸ピンを伸ばして差し込んだ状態で、自動ツメから5mmほど離れた場所です。

6.溶接の準備

溶接の前に、ダンプ中間金具本体やピン軸受けが当たる部分の塗装をベルトサンダーなどで削って剥がします。また、溶接中に発生するスパッタから他の部品を保護するために、シートなどを使って養生を行いましょう。

7.仮付け溶接

丸棒の治具を差し込んだ状態で、ダンプ中間金具本体とピン軸受けの仮付け溶接を行います。仮付け溶接ができたら、一度ピンを抜いた状態でアオリを開閉し、ダンプ中間金具の中心軸にズレがないか確認しましょう。その後、ピンを差し込んだ状態でも開閉できるか確認してください。

8.本溶接

本溶接を行い、ダンプ中間金具を車両に固定します。ダンプアップしないと溶接しづらい部分は、バッテリーの端子を接続してダンプアップしてから本溶接を行いましょう。ダンプアップした状態で溶接を行うときも、忘れずにバッテリーの端子を外してください。

9.ピン受けパイプを取り付ける

ダンプ中間金具本体とピン軸受けの取り付けができたら、左右のピンを差し込むためのピン受パイプをリヤ床枠の下側に取り付けます。

まず、ピンが抜き差しできる位置を決めましょう。ピンの頭の径がピンの径より少し大きいため、ピン受けパイプは内側に傾くように付きます。
ピン受けパイプを取り付ける

位置が決まったら仮付け溶接を行い、左右のピンが他の部分に干渉することなく抜き差しできるか確認します。問題がなければ本溶接を行って固定してください。

10.ピンチェーンを取り付ける

ピン受けパイプの取り付けが完了したら、ピンチェーンの端をピン受けパイプに溶接します。チェーンが長すぎる場合は、取り付ける前に適切な長さにカットしておきましょう。

11.最終確認・塗装

全ての部品の取り付けが完了したら、以下のポイントに注意して動作確認を行いましょう。

  • ・ダンプ中間金具が固定されているか
  • ・リヤアオリがスムーズに開閉できるか
  • ・ピンが問題なく抜き差しできるか

最後に防錆のために塗装を行ったら、全ての工程が終了です。

取り付けの流れは以下の動画でもご確認いただけます。

まとめ

ダンプ中間金具をリヤアオリに取り付けることで、上部受けのロックを解除した状態でダンプアップしても、リヤアオリが落下しなくなります。

ヤマダボディーワークスでは、ダンプ中間金具の販売を行っています。ダンプ中間金具の本体はもちろん、防錆のためのメッキ処理が施されたメッキピンや、メッキピンの径に合ったピン受けパイプも付属していますのでぜひご活用ください。


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