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大型後部反射器とは?取り付け要件を解説

2024年2月5日

車両総重量が7tを超えるトラックの後部には、大型後部反射器が取り付けられています。大型後部反射器は、赤色と黄色の縞模様(ゼブラ型)と、中が黄色で縁が赤色に囲われた額縁型の2種類が存在します。
対象となる車両には大型後部反射器の装着が法令によって義務付けられているため、取り外すことはできません。また、トラックの種類によって取り付け要件が決まっており、取り付ける位置や向きなども細かく規定されています。
本記事では、大型後部反射器に関する規定や、取り扱う際の注意点などを詳しく解説します。

大型後部反射器とは?

大型後部反射器とは
大型後部反射器とは、トラックの後部に取り付けられている大型のリフレクター(反射板)のことです。尾灯(テールランプ)が点灯していなくても、他車の走行用前照灯(ヘッドランプ)の光を反射させることで、存在を周りに知らせる役割があります。大型後部反射器は、車両総重量が7t以上のトラックに装着が義務付けられています。車両総重量は、車検証を見れば確認することが可能です。また、車両重量は以下のように定義されています。

車両総重量=定員重量(55kg/1人)+ 車両重量+最大積載量

車両総重量と積載量
画像引用元:車両総重量と積載量 | 全日本トラック協会 | Japan Trucking Association
車検証
例として、実際の三菱ふそうキャンターの車検証を見てみましょう。乗車定員3人、車両重量2,460kg、最大積載陵2,000kgとなっているため、計算式は以下のようになります。

車両総重量=165kg+2,460kg+2,000kg=4,625kg

このケースでは、車両総重量が4,625kgであり、7t未満であることから、大型後部反射器の装着義務はないと判断できます。
なお、トラック以外の車両後部にも比較的小さな反射器が装着されていますが、大型後部反射器は色や模様、大きさが異なります。

大型後部反射器の取り付け要件・保安基準

法令によって定められている大型後部反射器の要件は以下のとおりです。

  トラック・トラクター トレーラー(被牽引車)
色・デザイン 赤色と黄色の縞模様 赤色と黄色の額縁型
形状・大きさ 一辺の長さが130mm以上(幅は130mm以上150mm以下)の長方形で、長さの合計が1,130mm以上2,300mm以下 一辺の長さが130mm以上(幅は195mm以上230mm以下)の長方形で、長さの合計が1,130mm以上2,300mm以下
模様の詳細 黄色と赤色からなる45±5°の角度を持った縞模様。
それぞれ色の幅が100±2.5mm
中が黄色、縁が赤色で囲われた額縁型。
赤色の縁の幅は40±2.5mm
設置位置 反射板の上縁の高さが1.5m以下、下縁の高さが0.25m以上
性能 昼間においてその後方150mの位置からその赤色部を確認できるもの

トラックの後部は様々な形状をしたものがあるため、上記の大きさの要件を満たす大型後部反射器を取り付けるスペースがない場合は、分割することが可能です。

なお、大型後部反射器の個数は1個、2個または4個と規定されているため、分割する場合は、2個または4個としなければなりません。その場合、すべての大型後部反射器の面積の合計が規定の数値を越えている必要があります。
>トラックの反射板の保安基準とは?取り付け位置や規定の色を徹底解説!

大型後部反射器の取り付け位置・取り付け方の詳細

上述のとおり、大型後部反射器の個数はトラックの後部の形状によって異なります。ここでは、変則4分割型の大型後部反射器を装着した車両を例に解説します。
大型後部反射器の取り付け位置・取り付け方の詳細

画像にあるようなリフトゲートが装着されているトラックは、稼働時に干渉してしまうため、変則4分割型の大型後部反射器が装着されています。このように、トラックの形状に合わせて、一体型や2分割型、4分割型を使い分けましょう。

また、分割型の大型後部反射器は複数枚のセットとなっているため、それぞれに番号が振ってあり、番号ごとに取り付け位置が指定されています。大型後部反射器は取り付けの向きが法令で定められているためです。

例えば、ゼブラ型の後部反射器は、画像のように全体がハの字のような模様になるように取り付けなければいけません。そのため、分割型の大型後部反射器の位置を入れ替えてしまうと縞模様の向きがバラバラになってしまい、法令で定める基準に適合しなくなってしまいます。分割型の場合は番号に従い、指定の位置に取り付けましょう。

大型後部反射器の種類

前提として、平成23年9月1日以降の生産車両および新規登録車(中古新規含む)には、ECE R70の技術要件を満たした大型後部反射器の装着が義務付けられています

そのうえで大型後部反射器は、トラックの種類に合わせて柄が決まっています。

  • ・トラック・トラクタ用:ゼブラ型(縞模様)
  • ・トレーラー(被牽引車):額縁型

どちらの柄でもECE R70に対応した商品と非対応の商品があります。正しい柄と対応の商品を装着しないと車検に通らないので注意が必要です。

トラック・トラクタ用|ECE R70対応のゼブラ型(縞模様)

トラック・トラクタ用|ECE R70対応のゼブラ型(縞模様)

全ての年式のトラック・トラクタには、ECE R70対応のゼブラ型(縞模様)の大型後部反射器を取り付けます

ゼブラ型は、トラック・トラクタを対象としているため、次に紹介するトレーラー(被牽引車)には使用できません。
なお年式による柄の制限はないため、平成23年9月以前の生産車及び登録車で、当時より継続車検のトラック・トラクタでも、「ECE R70対応のゼブラ型」を付けることができます。
ただし、平成23年9月以前の登録車のトラック・トラクターは、額縁型の大型後部反射器を取り付けることもできます。ただし、後述のトレーラー用とは色が異なるため、間違えないよう注意が必要です。

トレーラー(被牽引車)用|ECE R70対応の額縁型

トレーラー(被牽引車)用|ECE R70対応の額縁型
全ての年式のトレーラー(被牽引車)には、額縁型の大型後部反射器を取り付けます

こちらも年式における柄の制限はありません。そのため、平成23年9月以前の生産車及び登録車で、当時より継続車検のトレーラーにも取り付けることができます。
>大型後部反射器の取付条件を教えて下さい

大型後部反射器をトラックに設置する際の注意点

上記で解説したとおり、大型後部反射には多くの規定があるため、設置や交換を行う際は全て要件を満たすように取り付ける必要があります。ここでは、大型後部反射器を取り付ける際に、把握しておくべきポイントを解説します。

適切な位置・角度で固定する

大型後部反射器は、決められた高さの範囲内に取り付けてください
設置位置が低すぎたり高すぎたりすると、保安基準に適合しなくなってしまいます。
左右方向にも規定があり、複数の大型後部反射器を取り付ける場合は左右対象である必要があります。また、大型後部反射器が単独で車体から突出してはいけません。
さらに、大型後部反射器の下端が水平であることという規定もあります。斜めに取り付けることはできません。

左右の向きに気をつける

縞模様(ゼブラ型)の大型後部反射器は、左右の向きが規定されており、模様の向きが八の字になるように取り付ける必要があります。左右反対に取り付けるとVの字のようになり、保安基準に適合しなくなってしまいます。

大型後部反射器のおすすめ商品

続いて、ヤマダボディーワークスで取り扱っている、おすすめの大型後部反射器を紹介します。

トラック・トラクタ用|ECE R70対応のゼブラ型(縞模様)

トラック及びトラクタに取り付けが可能な、ゼブラ型のおすすめの大型後部反射器は以下のとおりです。トラックの後部の形状に合わせて、2分割型・4分割のいずれかを選択できます。

小糸 後部反射器 ゼブラ 2分割型 NLR-2AZSN

小糸 後部反射器 ゼブラ 2分割型 NLR-2AZSN
ゼブラ型(縞模様)で、2分割型の大型後部反射器です。ECE部品認証(ECE R70)取得品となっているため、全ての年式のトラック及びトラクタに取り付けることが可能です。

※平成23年9月以降の生産車及び新規登録車(中古新規含む)にはこちらのECE R70タイプを義務化
サイズは片側で「横:565×縦:135mm」となっています。


小糸 後部反射器 ゼブラ 2分割型 NLR-2AZSN

5,775円

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小糸 後部反射器 ゼブラ 4分割型 NLR-4AZSN

小糸 後部反射器 ゼブラ 4分割型

縞模様(ゼブラ型)で、4分割型の大型後部反射器です。ECE部品認証(ECE R70)取得品となっているため、全ての年式のトラック及びトラクタに取り付けることが可能です。

※平成23年9月以降の生産車及び新規登録車(中古新規含む)にはこちらのECE R70タイプを義務化
トラックの形状によって大きいサイズの大型後部反射器が備えられない場合は、本製品のような4分割タイプを取り付けることができます。サイズは1枚で「横:282.5×縦:135mm」です。


小糸 後部反射器 ゼブラ 4分割型 NLR-4AZSN

5,940円

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トレーラー用|ECE R70対応の額縁型(新型)

次に、トレーラーに取り付けられる新型のECE R70対応の額縁型の大型反射器を紹介します。
前提として、大型後部反射器はECE R70に対応している製品と対応していない製品があります。
平成23年9月1日以降の生産車両及び新規登録車(中古新規含む)には、ECE R70に対応している大型後部反射器を取り付けなければいけませんので、ご注意ください。

小糸 後部反射器 額縁 2分割型 NLR-2ASN

小糸 後部反射器 額縁 2分割型 NLR-2ASN
額縁型2分割の大型後部反射器で、サイズは片側「横:565×縦:200mm」です。ECE R70に対応しているため、全ての年式のトレーラーに取り付けられます

※平成23年9月以降の生産車及び新規登録車(中古新規含む)にはこちらのECE R70タイプを義務化


小糸 後部反射器 額縁 2分割型 NLR-2ASN

11,220円

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ECE R70非対応(旧型)

旧型のECE R70非対応の本製品は、平成23年8月以前の生産車及び登録車で、当時より継続車検のトラック・トラクタ・トレーラーに取り付けられる大型後部反射器です。
ECE R70に対応していないため、平成23年9月以降の生産車及び新規登録車(中古新規含む)には取り付けができません。
あくまで平成23年8月以前からの継続車検車の補修用としてお使いください。
なお平成23年8月以前に生産された車両であっても、その後新規登録(中古新規登録を含む)を行っている車両については、ECE R70非対応の大型後部反射器を取り付けてはいけません。一時抹消登録をしたことがある車両や、中古車で購入されている車両はご注意ください。

小糸 後部反射器 一体型 No.7 LRS-1BSD

小糸 後部反射器 一体型 No.7 LRS-1BSD

額縁型で、「横:825×縦:155mm」サイズの一体型の大型後部反射器です。本製品は、平成23年8月以前の生産車及び登録車で、当時より継続車検のトラック・トラクタ・トレーラー用です。

平成23年9月1日以降の車両には取り付けができないため、注意してください。


小糸 後部反射器 一体型 No.7 LRS-1BSD

6,930円

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小糸 後部反射器 二分割型 No.8 LRS-2ASD

小糸 後部反射器 二分割型 No.8 LRS-2ASD

額縁型で、2分割の大型後部反射器です。サイズは片側で「横:485×縦:135mm」です。一体型を取り付けるスペースがない車両には、分割して取り付けることが可能です。
旧型のECE R70非対応の本製品は、平成23年8月以前の生産車及び登録車で、当時より継続車検のトラック・トラクタ・トレーラーに取り付けられます
平成23年9月1日以降の車両には取り付けができないため、注意してください。


小糸 後部反射器 二分割型 No.8 LRS-2ASD

8,745円

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トラックの大型後部反射器は保安基準を守って取り付けよう!

車両総重量が7t以上のトラックには、大型後部反射器の装着が義務付けられています。大型後部反射器にはゼブラ型(縞模様)と額縁型の2種類があり、それぞれ「ECE R70」に対応した商品と、非対応の商品があります。正しい商品を装着しないと、車検に通りません。
また、大きさや取り付ける位置なども法令によって細かく決められているため、正しく装着するようにしましょう。
ヤマダボディーワークスでは、保安基準に適合する多く種類の大型後部反射器を扱っています。トラックに合わせて、適合品を選択できるためぜひご利用ください。

>後部反射器の商品一覧