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ボルト、ナット、スプリング、平ワッシャーのトラックへの使用方法と使用例

2025年1月8日

トラックに使われているボルトとナットには複数の種類があり、使われる場所によって最適な種類が異なります。

この記事では、具体的な使用例としてロープ通し、観音扉、荷台の床板に使われているボルトとナットの種類をご紹介します。それぞれのボルトやナットがどのような意味を持って使われているかわかるので、ぜひ参考にしてください。


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>トラックにおけるボルト、ナット、スプリング、平ワッシャーの種類

ロープ通しのボルト・ナットの使用例

ロープ通しのボルト・ナットの使用例

ロープ通しをアオリに固定するためのボルトには、ネジ頭部が丸いトラスボルトを使用します。トラスボルトの頭を内側になるように取り付けることで、角ボルトと比較して、荷物が接触しても破損しづらくなります。

アオリの外側は、ボルトの先端にスプリング、ナットの順に入れて締め付けて固定しましょう。スプリングを入れることで、ナットが緩みづらくなる効果があります。

ただし、ロープ通しがステンレス製の場合は、先に平ワッシャーを入れてから、スプリング、ナットを入れて締め付けます。平ワッシャーを入れる理由は、ロープ通しのステンレス素材の表面を、ナットを締めるスパナなどで傷つけないためです。

ロープ通しのボルト・ナットの使用例
トラスボルトが長すぎると、ボルトの先端が外側に突き出してしまい、肌や服を引っかける可能性があり危険です。ナットを付けたときに、先端がちょうどナットの端に収まる長さのトラスボルトを選びましょう。ナットの先端からボルトが出すぎた場合には、グラインダーなどで削る方法もあります。

また、ボルト先端の安全性を確保するには、片側に半球状の覆いがある袋ナットも最適です。ボルトの先端を隠すことができ装飾性にも優れるため、アオリの外側によく用いられます。


ロープ通し

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観音扉のボルト・ナットの使用例

観音扉のボルト・ナットの使用例

バンボディやウイング車などの後ろにある観音扉は、扉蝶番を介してボルトとナットで固定することで荷台に取り付けられています。観音扉の内側に使われているのは、根角ボルトです。

観音扉は、合板やおがくずを圧縮したようなMDFの芯材の表と裏に、1mm未満のアルミなどの板を貼り付けた構造です。そのため、観音扉の内側に根角ボルトの頭の下の四角い部分が入る穴を開けることで、根角ボルトが芯材に固定され回転しなくなります。
外側からは、スプリングとナットを使って観音扉を蝶番に固定します。扉蝶番がステンレスの場合は、蝶番の表面を保護するために平ワッシャーを入れたあと、スプリング、ナットの順に入れて締め付けましょう。
またロープ通しと同様に、ナットの代わりに袋ナットを使用する場合もあります。観音扉や蝶番の仕様により使い分けてください。

荷台床板のボルトの使用例

トラックの荷台の床板を固定するボルトは、横根太の材質が金属製(鉄もしくはアルミ)か木製かで使い分けられています。それぞれどのようなボルトが使われているか解説します。

横根太が鉄もしくはアルミの場合

横根太が鉄もしくはアルミの場合
床板は下の横根太に固定します。横根太が鉄もしくはアルミの場合、金属を削ることができる皿(C1)タッピングを使用するのが一般的です。

横根太に皿(C1)タッピングを締め込む際は、最初に床板と横根太にドリルで下穴を開けます。下穴はタッピングよりも少し小さい径にそろえましょう。その後、特殊なドリルを使って、床板にタッピングの皿が入る溝を開けます。この工程は、タッピングを付ける全ての位置に必要です。


トルクス穴付皿タッピング 皿溝カット(バリ防止) 6×40 C型

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「トルクス穴付皿タッピング 皿溝カット(バリ防止) 6×40 C型」は、皿の下に床板を削るための凹凸があるタッピングです。タッピングを締め込むと同時に木材を削ることができるため、先述のあらかじめ木材に皿が入る部分の溝を作っておく工程が必要ありません。大量のタッピングを取り付ける際は、こうしたボルトを使用すると、大幅な作業工数の短縮が期待できます。

横根太が木製の場合

横根太が木製の場合

横根太が木製の場合は、さかめ釘を使って固定します。さかめ釘は、軸部分に小さな返しが付いたボルトです。抜けにくい構造になっているため、振動やねじれが加わるトラックの床板の固定に適しています。

さかめ釘を使う際も、あらかじめ床板と横根太にドリルで下穴を開けておく必要があります。ただし、細い釘を打っていくエアー工具の自動釘打ち機を使用する場合、下穴は必要ありません。

まとめ

トラックの部品を固定するためのボルトやナットは、それぞれの場所で最適な種類のものが選ばれています。

ロープ通しの固定には、荷物や服などが引っかかるのを防ぐため、頭が丸いトラスボルトや袋ナットが最適です。観音扉の固定には、ボルトが回転しないよう根角ボルトが使われます。荷台の床板の固定には、横根太の材質によって、皿(C1)タッピングやさかめ釘を使い分けます。このように、ボルトやナットそれぞれの意味を理解したうえで選択しましょう。

ヤマダボディーワークスでは、荷台の床板の固定(横根太が鉄・アルミ製の場合)に便利な、「トルクス穴付皿タッピング 皿溝カット(バリ防止) 6×40 C型」を扱っています。皿に床板を削るための凹凸があるため、皿溝を開ける工程を省くことが可能です。


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