スペアタイヤキャリアの選び方|適切な選定のポイントを解説
2024年10月28日
スペアタイヤキャリアには、さまざまな種類があります。種類によって車両への取り付け位置や、吊り上げられるタイヤに違いがあるため、用途に応じて適切なスペアタイヤキャリアを選ぶ必要があります。
こちらでは、スペアタイヤキャリアの選び方について解説します。スペアタイヤの規格についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
- ・スペアタイヤキャリアの選び方
- ・スペアタイヤの規格
目次
スペアタイヤキャリア交換時の基本的な選び方
数ある種類の中から、適切なスペアタイヤキャリアを選ぶための方法を解説します。
スペアタイヤキャリアの交換時には、現車に装着されているスペアタイヤキャリアを確認する必要があります。トラックの車種や年式といった情報だけでは、どのスペアタイヤキャリアが適合するかは分からないからです。
スペアタイヤキャリアにはステッカーが貼ってあり、メーカーや型式といった、スペアタイヤキャリアに関する情報が記載されています。それらの情報が分かれば、車両に適合する新しいスペアタイヤキャリアを調べることができます。
現車がある場合は、すでに装着されているスペアタイヤキャリアを見て、メーカーや型式を特定してから注文しましょう。
スペアタイヤキャリアを選ぶ際に見るべきポイント
スペアタイヤキャリアを選ぶ際は、以下の4点を確認しましょう。
- ・スペアタイヤキャリアの種類(タイプ)
- ・ハブ径
- ・スペアタイヤの規格
- ・ロングチェーンの必要有無
スペアタイヤキャリアの種類(タイプ)
※ヤマダボディーワークス取り扱い商品
スペアタイヤキャリアは、取り付け位置によって「センター吊」と「サイド吊」、口金の形状によって「U溝型」と「ジャッキハンドル型」に分類できます。それぞれ詳しく解説します。
取り付け位置による違い|センター吊とサイド吊
スペアタイヤキャリアの取り付け位置には、センター吊とサイド吊の2種類があります。
【センター吊】
センター吊では、スペアタイヤはシャーシのセンターに付きます。センター吊はシャーシの間にアングル鋼などでステーを作り、そこにスペアタイヤキャリアを取り付けます。
【サイド吊】
サイド吊では、スペアタイヤはシャーシの横に付きます。サイド吊は最初からステーが設置されているため、そのまま取り付けが可能です。
センター吊とサイド吊ではそれぞれ形状が異なるため、取り付け位置によって適切なスペアタイヤキャリアを選択する必要があります。
口金の形状の違い|U溝型とジャッキハンドル型
口金とは、スペアタイヤを脱着する際に必要なハンドルを挿入するための穴のことです。スペアタイヤキャリアの口金には、U溝型とジャッキハンドル型があります※。
※タカラ産業製にはU溝型とジャッキハンドル型があります。三工機器製はU溝型のみとなります。
ハンドルを購入する際は、スペアタイヤキャリアの口金と形状が合わないと使用できません。スペアタイヤキャリアと同じメーカーの、口金の形状が合うハンドルを選ぶと良いでしょう。
【U溝型の商品例】
【ジャッキハンドル型の商品例】
例外:中型ダンプ用はタイプが異なる
中型ダンプは取り付けスペースの都合上、他のスペアタイヤキャリアとは違い、斜めに取り付けます。サイド吊のスペアタイヤに、45度程の角度が付いているような状態になります。
スペアタイヤキャリアにはブラケットは付属していません。架装メーカーが用意して取り付けを行います。
ハブ径
ホイールの中心に車輪と車軸をつなぐ「ハブ」という部分があります。この穴の口径をハブ径と言います。
スペアタイヤキャリアの仕様とスペアタイヤのハブ径が合わないと、スペアタイヤキャリアの吊り板をタイヤに固定することができません。スペアタイヤのハブ径を確認したうえで、それに合うスペアタイヤキャリアを選ぶ必要があります。
スペアタイヤの規格
引用:新・ISO方式ホイール取扱いガイド|一般社団法人日本自動車工業会
スペアタイヤの規格には、ISO規格とJIS規格があります。ISOは国際標準化機構のことで、世界中の多くの製品に使われている規格です。ISO方式は世界中の大型トラック・バスの95%に使われているホイール取り付け方式です。
一方、JISは日本産業規格のことで、日本の産業製品に関する規格や測定法などが定められた、日本の国家規格です。
規格ごとにスペアタイヤのハブ径やボルト本数、PCD(全てのボルト穴の中心を円を描くように結んだ直径)などが異なります。スペアタイヤの規格に合ったスパイタイヤキャリアを選びましょう。
ロングチェーンの必要有無
スペアタイヤキャリアの中には、スペアタイヤを吊るためのチェーンが長いタイプ(ロングチェーン)があります。
スペアタイヤを脱着する際は、チェーンを伸ばしていき、スペアタイヤを地面に接地させる必要があります。しかし、トラックの種類によって荷台床面から地面までの距離が異なるため、チェーンの長さも車両に合わせなければなりません。
荷台床面から地面までの距離は、低床車<高床車<トレーラー台車の順に長くなります。トレーラー台車のような地面までの距離が長いトラックは、通常のチェーンでは地面まで届かないためロングチェーンを使います。
なおロングチェーンは、チェーンの長さだけでなく、根本の部分の補強されているチェーンのコマ数も異なります。スペアタイヤキャリアのチェーンは、スペアタイヤを収納した状態で走行するので、吊り板に近い部分のチェーンに最も荷重が掛かります。またこの吊り板に近い部分は、伸縮するための歯車が収納時に当たる部分です。そのため吊り板に近い部分のチェーンは、数コマ分太い径のものが使用されています。ロングチェーン仕様は、太いチェーンが1コマ多くなっています。
増トン車の場合のスペアタイヤキャリアの選び方(ハブ径が同じの場合)
中型トラックの増トン車は、スペアタイヤキャリアの選定時に中型トラック用と大型トラック用の低床車後輪用のどちらを使うべきなのか迷うことが少なくないでしょう。
例えば、増トン車でスペアタイヤのハブ径がΦ164の場合のスペアタイヤキャリアを選定する場合、ハブ径だけで判断すると、中型トラック用と大型トラック用の低床車後輪用のどちらもハブ径がΦ164の種類があるため、どちらでも適合するように思えるかもしれません。
しかし、スペアタイヤキャリアには、それぞれ吊り上げられるタイヤの重さ(最大吊タイヤ重量)が決められています。中型トラック用と大型トラック用では、最大吊タイヤ重量が異なるため、現車のタイヤの重量に合わせて選定すると良いでしょう。
スペアタイヤキャリアはヤマダボディーワークスへ
スペアタイヤキャリアを選ぶためには、現車を確認する必要があります。
スペアタイヤキャリアに貼ってあるステッカーには、メーカーや型式といった情報が記載されています。また、スペアタイヤの規格によってハブ径が異なるため、ISOとJISの規格の違いに付いても把握しておくと良いでしょう。
ヤマダボディーワークスでは、タカラ産業と三工機器のスペアタイヤキャリアを取り扱っています。多くの種類を扱っているので、スペアタイヤキャリアを注文する際はぜひご活用ください。