ラッシングベルトの種類を徹底解説!
2023年4月17日
ラッシングベルトとは、トラックなどの貨物を固定するために使用する幅広のベルトのことです。手軽に且つ強力に貨物を固定できるため、物流の現場では欠かせない器具となっています。
ラッシングベルトは、様々な種類があります。「ベルト」「バックル」「端末金具」それぞれにバリエーションがあるため、用途に合わせて適切なラッシングベルトを選ぶことが大切です。こちらでは、ラッシングベルトの種類や選び方を解説します。
ラッシングベルトの種類一覧
ラッシングベルトを構成している部品は主に、「ベルト」「バックル」「端末金具」に分けられ、それぞれに複数の種類があります。
バックルの種類
ラッシングベルトのバックルとは、固定用ベルトと調整用ベルトを繋いでいる金具のことです。バックルは2本のベルトを繋ぐだけでなく、調整用のベルトの巻き取りや固定も行っています。
バックルには、「カム式」「ラチェット式」「オーバーセンター式」という種類があり、それぞれ締め付ける強さや操作感が異なります。
ラチェット式バックル
ラチェット式バックルは、歯車と歯止めを使ったラチェット機能を有したバックルです。バックルに付いているハンドルを往復させることで、ベルトを巻いている軸が回転してベルトを締め付けます。同時に回転軸に付いた歯車が、歯止めに引っかかることで巻き取ったベルトが戻らないようにしています。
小さな力でも強力に荷締めを行えるため、物流現場で多く使われています。
>ラッシングベルトの使い方を間違えると危険!正しい手順や注意点を解説
カム式バックル
カム式バックルは通したベルトを引っ張る力を使って、カムがベルトを固定するシンプルな構造のバックルです。衣服のベルトにも多く使われており、小型で軽量、操作が簡単という特徴があります。
しかし、ラチェット式バックルと比べると締め付ける力が弱いため、重量物の固定には向きません。カム式バックルは、バイクの固定などに多く使われています。
オーバーセンター式バックル
オーバーセンター式バックルは、バックルに付いたハンドルを180度倒すことでベルトを固定するタイプのバックルです。あらかじめベルトを引っ張って緩みをなくした状態でハンドルを倒すことで、ベルトを強力に引っ張ることができます。
ラチェット式バックルと使用方法が似ていますが、オーバーセンター式バックルはラチェット式のようにハンドルを何回も往復して巻き取ることはできません。オーバーセンター式バックルは、カゴ台車の固定などに使われています。
ベルト端末のタイプ
ラッシングベルトの端は、荷台に取り付けたラッシングレールや床フックに引っかけて使います。引っかける場所に応じてベルト端末の形状にも種類があります。
両端アイタイプ
「アイタイプ」とは、ラッシングベルトの両端が輪っかになっているタイプです。平ボディのロープフックなどに引っかけて使います。アイタイプは金具ではなく布製のため、ボディを傷つける心配がありません。
両端金具タイプ
両端金具タイプはベルトの端部に固定用金具が付いており、金具を使ってトラックの床フックやラッシングレールなどに固定します。引っかける場所に合った端末金具が付いているラッシングベルトを使用する必要があります。金具の形状にも種類があり更に細分化されるため、詳しくは後ほど解説します。
エンドレスタイプ
ランシングベルト全体が大きな輪っかになっており、先端がないタイプです。貨物全体を囲むように固定できるため、細長い荷物をまとめたり、パレット上の貨物を落ちないように固定したりする際に使用されます。
端末金具の形状
「両端金具タイプ」についている金具には、大きく「リングタイプ」「フックタイプ」「ワンピースタイプ」があります。それぞれの特徴や使い方を詳しく解説します。
リングタイプ
金具がリング状になっているタイプです。「D」のような形状や、三角形のリングなどの種類があります。アイタイプと同じようにトラック側のフックに引っかけて使用します。
フックタイプ
鉤のように先端が曲がったフック型の金具がついているタイプです。「ナローフック」「オープンフック」「スナップフック」「フラットフック」といった種類があり、トラック側のリングに引っかけて使用します。
ワンピースタイプ
ラッシングレールに取り付けるためのワンピース金具がついているタイプです。ラッシングレールを使用するには、ワンピースタイプの金具が不可欠です。ワンピース金具にも、4点で固定するダブルワンピース金具やリング付きのワンピース金具などバリエーションがあります。
サイズの種類
ベルト自体のサイズにも種類があり、「全長」「幅」「厚み」に違いがあります。
全長
「全長」はベルトの長さのことです。ラッシングベルトには固定用ベルトと調整用ベルトがあるため、それぞれの長さが記載されていることが一般的です。固定用ベルトは1m、調整用ベルトは1〜10m程度の製品があります。
固定用ベルトは巻き取りを行わない側のベルトのことで、長すぎると使いづらいため1m程度のものが多く使われます。調整用ベルトは3〜5mが使われることが多く、貨物のサイズや固定方法によって長さを選択します。
ベルト幅
ベルトの幅は25〜75mm程度の製品があり、幅が広いほど貨物を押さえる面積が増えるため、固定時の安定性が高くなります。反対にベルトが細いと、軽量で操作性がよくなりますが、貨物に食い込んだり、安定しなかったりする可能性があるため、使用時には注意が必要です。
貨物が重いほどベルト幅が広いものを使用しましょう。ベルト幅は以下のように使い分けます。
ベルト幅 | 貨物の重さ |
---|---|
25mm | 軽荷重 |
35~45mm | 中荷重 |
50mm | 重荷重 |
60~75mm | 超重荷重 |
ベルトの厚み
ベルトの厚みは1.4〜5mm程度の製品があり、厚いほど強度が高くなります。ベルト幅が広いベルトは厚いことが多く、一般的に幅と厚みは比例しています。同じベルト幅でも厚みがわずかに異なる商品があるため、強度が求められる場面ではなるべく厚いベルトを選ぶと良いでしょう。
ベルトの素材
ラッシングベルトの素材は、主に「ポリエステル」か「ナイロン」が使われています。
ポリエステル
ポリエステルは硬質で変形が少ない点が特長です。ラッシングベルトは使用中に伸びてしまうと貨物の固定が緩んで荷崩れが起こる可能性があるため、ポリエステルのような硬質な素材が望ましいとされています。
また、ポリエステルは吸水性が低いため、濡れても乾きやすいというメリットもあります。
ナイロン
ナイロンは伸縮性があり、破断しにくいという強みがあります。また、耐摩耗性に優れているのも特長です。しかし、伸縮性が高いということは、使用中の揺れなどで固縛に緩みが出てしまう可能性があり、その点ではポリエステルより劣っていると言えます。
ラッシングベルトならヤマダボディーワークスへ
ラッシングベルトには「バックル」「ベルト端末」「ベルトサイズ」に、それぞれ複数の種類があります。種類を誤ると取り付けが行えないだけでなく、荷崩れにもつながる可能性があるため、適切なものを選択して使用しましょう。
ヤマダボディーワークスでは、トラックの貨物の固定に適したラッシングベルトを取り扱っています。ラッシングレールに使用できるワンピースタイプだけでなく、クロスフック金具のラッシングベルトや、バイク用のタイダウンベルトなど様々な商品を扱っているので、ぜひご活用ください。