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ラッシングレールとは?種類やトラックへの取り付け方を解説

2023年3月17日

ラッシングレールとは、トラックの荷物を固定するときに使う金属製のレールです。ラッシングベルトやラッシングビームを使うために設置します。ラッシングレールとラッシングベルトを使えば、荷物の固定が簡単にできるようになるでしょう。

この記事では、これからラッシングレールを設置しようと考えている方のために、ラッシングレールの使い方や種類、後付けする場合の付け方などを解説します。

ラッシングレールとは?

ラッシングレールとは

ラッシングレールは、バンやウイングボディの内壁に設置される金属製のレールのことです。ラッシングベルトを使うために設置する部品なので、ラッシングベルトの使い方を理解することでラッシングレールの役割を知ることができます。

ラッシングベルトとは、荷役作業時に貨物を固定するために使用するツールです。幅広ベルトにラチェット式のバックルが取り付けられた構造になっています。ラッシングベルトを使用するときは、ベルトの端部に付いているワンピース金具を、荷台の内壁に設置されているラッシングレールに引っかけて固定します

ラッシングレールは壁面に付けるのが一般的です。ただし、用途に合わせて床面や柱に付けて使うこともあります。

ラッシングレールの種類

ラッシングレールは穴の形状や素材の違いで種類が分かれます。適切なラッシングレールを選択しないと、貨物を固定できなかったり、早期破損したりする可能性があるため注意しましょう。

レール上の穴の形状

ラッシングレールの穴の形状は、「通常タイプ」「縦型タイプ」「クロス型タイプ」の3種類です。それぞれの特徴と使用方法を解説します。

通常タイプ

通常タイプは、長方形の穴が縦方向に並んでいるラッシングレールです。通常タイプのラッシングレールを内壁に取り付けると、ラッシングベルトのワンピース金具を縦に引っかけられるため、貨物を車両前方向に押さえることができます。


ラッシングレール L=3200mm(穴付)

通常タイプのラッシングレールです。長さが3,200mmあり、長方形の穴が縦方向に並んでいるため、内壁に取り付けてラッシングベルトの固定に使えます。荷台の柱(躯体)にリベット止めをするための穴が開いているため、すぐに取り付け作業を行えます。

6,160円

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クロス型タイプ

クロス型タイプは、長方形の穴と十字の穴が交互に並んでいるラッシングレールです。ラッシングベルトを縦と横のどちらの方向にも取り付けられるため、通常タイプと同じ用途でも使えます。ラッシングベルトのワンピース金具を横向きにも取り付けられるため、貨物を下方向に押さえるように取り付けることも可能です。

汎用的な使い方ができるので、様々な用途で使う可能性がある場合はクロス型タイプがおすすめです。


アルミクロスレール TR-CRAL-H L=3200mm(穴付)

長さが3,200mmあるクロス型ラッシングレールで、リベット止めをするための穴が開いています。

7,700円

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素材

レール穴の形状が同じでも、素材の種類は複数あります。ラッシングレールに使われる素材は、「鉄」「アルミ」「ステンレス」です。それぞれ強度や価格などが異なりますが、どのような特徴があるのかを解説します。

ラッシングレールの標準的な素材は鉄です。ラッシングベルトを締め込むと人が引っ張るよりも強い力がかかるため、ラッシングレールには強度が求められます。鉄は強度が強く、加工がしやすいという特徴があり、ラッシングレールに適した素材となっています。

また、他の素材のラッシングレールと比較して、価格が安いこともメリットです。

一方で、重量が重く錆びやすいのが鉄のデメリットとなります。表面が防錆塗装処理されているものを選ぶのがおすすめです。また他の素材に比べて重く、積載重量の最大化を考える場合にもデメリットになります。


クロスレール TR-CRS-H L=3200mm(穴付)

鉄製のクロス型タイプのラッシングレールです。表面にグレー塗装がされています。

6,710円

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アルミ

アルミの特徴は、重量が軽くて錆びにくいことです。アルミのラッシングレールを使うことで錆に悩む心配がなくなりますが、鉄に比べると変形しやすく、傷つきやすいというデメリットがあります。高負荷をかけたり、使用を長年続けたりすると、ワンピース金具をかける穴が変形してしまい使えなくなる可能性があります。

アルミのラッシングレールと相性がよいのが、「ダブルワンピース」という特殊な端末金具です。ダブルワンピースはラッシングレールとの接触部分が通常の金具の2倍あるため、負荷が分散され、強度の低いアルミでもステンレス並の引っ張り強度を出せます。


アルミラッシングレール L=3200mm(穴付)

材質がアルミで作られた、金具が入る穴の形状が通常タイプのラッシングレールです。

9,460円

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ダブルワンピース金具 WP-1-50(左右セット)

ラッシングレールへの固定方法を、ダブルワンピースにするための金具です。アルミラッシングレールにダブルワンピース金具を設置してからラッシングベルトのワンピース金具を、「ダブルワンピース金具 WP-1-50」の差し込み口に取り付けるだけなので簡単に使用できます。

6,820円

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ステンレス

ステンレスは「ステン=汚れ」+「レス=ない」という意味を持った金属で、錆に強くて汚れにくいという特徴があります。重量は鉄とほぼ同じで、高い強度を持った金属です。

鉄とアルミのメリットを兼ね備えた素材ですが、価格は鉄製ラッシングレールの2倍以上することもあります。


ステンレスラッシングレール L=3200mm(穴付) SUS304

ステンレス製の長方形の穴が縦方向に並んでいる通常タイプのラッシングレールです。

13,640円

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用途・取り付け場所

ラッシングレールは荷室の内壁の左右に取り付けて使用するのが一般的ですが、ほかにも床面や門口に取り付けるタイプも存在します。

床枠専用


E型レール 17×3200mm t=3.2(ZAM)

取り付け穴が横向きに並んだ、床枠埋め込み用のラッシングレールです。床面に取り付けることで、貨物を下方向に押さえることができます。他のラッシングレールと違い、リベットを打てるプレート部分がないため、溶接やボルトで床枠に固定します。

7,150円

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主に床枠用


ラッシングレール TR02 縦型 L=2400mm

取り付け穴が横向きに並んだラッシングレールです。主に床枠に固定して使用しますが、リベットを打つ穴があるため柱や壁面に取り付けることもできます。

5,720円

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門口用


ラッシングレール L=200mm(穴付) 門口用

門口部に取り付けるときに、最適な長さ(200mm)のラッシングレールです。端部まで塗装されており、そのまま設置できます。

1,485円

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ラッシングレールの取り付け方法

ラッシングレールの取り付けは、専門業者に依頼するのがおすすめです。なぜならラッシングレールの取り付けは難易度が高く、特殊な工具も必要になるからです。正しく取り付けられていないと、最悪の場合、力がかかったとき(ラッシング時)に外れてしまいます。

業者にラッシングレールの取り付けを依頼する場合、レール本体代に加え、工賃が5〜10万円くらいかかるでしょう。取り付けるラッシングレールの長さや、業者によっても工賃が異なるため、正確な金額を知りたい場合は見積りをしてもらう必要があります。

自分で取り付けを行いたい場合は、以下の手順を参考にしてください。

1.取り付け位置を決める

ラッシングレールの取り付け位置を決めます。左右のレールの高さとワンピース金具の穴位置は同じになるように、測定して取り付けましょう。左右の高さが異なると、ベルトが斜めになって貨物が固定できないだけでなく、ラッシングビームが付けられなくなる可能性もあります。

2.ラッシングレールを必要な長さに切る

ラッシングレールを、荷台の長さに合わせてカットします。ラッシングレールは金属製なので、簡単には切れません。金属をカットするためには、切断機やグラインダーといった工具を用意する必要があります。

切断する寸法を間違えると、ラッシングレールが使用できなくなってしまう恐れがあるため、長さを測って間違えないように切断します。また、鉄製のラッシングレールを切断した場合は、切断面に錆が発生しないように防錆剤を塗りましょう

3.ラッシングレールを固定する

ラッシングレールは、リベットを使って固定します。リベットを打つ部分にドリルで穴を開け、リベッターという工具を使ってリベットを打ちます。ドリルを使う際はドリルの刃にテープなどで養生をして、穴が深くなりすぎないように注意してください。
また外板パネルに穴を開けてしまう可能性があるので、事前にドリルが入る深さを測定しましょう。

ラッシングレールは、必ずバンやウイングボディの躯体(骨や柱)に固定する必要があります。内装の合板だけに固定すると強度が足りず、ラッシングベルトをかけたときに、むしり取れてしまうためです。一般的には内装材のベニヤ板を切断してラッシングベルトの取り付け面を出して埋め込みます。

トラックのラッシングレールはヤマダボディーワークスへ

バンやウイングボディのトラックには、ラッシングレールを後付けすることができます。ラッシングレールがあれば、ラッシングベルトの取り付けが簡単になり、貨物の固定作業がはかどるでしょう。

ラッシングレールには複数の種類が存在し、金具が入る穴の形状やレールの素材、取り付け穴の有無などが異なります。ヤマダボディーワークスでは、豊富な種類のラッシングレールをそろえているため、用途に合わせて選択できます。また、ラッシングレールエンドカバー(樹脂製)や、ダブルワンピース金具などの周辺用品も単体で注文できるので、ぜひご活用ください。

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