スペアタイヤキャリアとは?種類・使用方法・点検義務について解説

2024年11月5日

スペアタイヤキャリアとは、トラックのスペアタイヤを車両に積載するための装置のことです。こちらでは、スペアタイヤキャリアの基本的な知識について解説します。

義務化されたスペアタイヤの点検についても詳しく解説するので、安全にトラックを使用するためにも、ぜひ参考にしてください。

ヤマダボディーワークスではスペアタイヤキャリアの商品を多数取り扱っています。ぜひご活用ください。


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【この記事で分かること】

  • ・スペアタイヤキャリアとは?
  • ・スペアタイヤキャリアの点検の義務化について
  • ・スペアタイヤキャリアの種類

スペアタイヤキャリアとは?

スペアタイヤキャリア
スペアタイヤキャリアとは、トラックのスペアタイヤを車両に積載するための装置のことです。

トラックのスペアタイヤはサイズが大きく、重いものでは100kgを超えますが、スペアタイヤキャリアがあればトラックに積み込んで置くことができます。

スペアタイヤキャリアはトラックのシャーシに取り付けるため、スペアタイヤはシャーシの下部や側面に格納されます。

また、スペアタイヤキャリアには、スペアタイヤを使用する際に、スムーズに脱着するための機能が備わっています。そのため、重量があるスペアタイヤでも、人力で脱着することが可能です。

スペアタイヤキャリアの使用方法|タイヤの取付け・取外し

スペアタイヤキャリアを使用する際に知っておきたいこととして、以下の3点を紹介します。

  • ・スペアタイヤキャリアの各部位の名称
  • ・スペアタイヤキャリア使用時の注意点
  • ・スペアタイヤの脱着方法

それぞれ見ていきましょう。

スペアタイヤキャリアの各部位の名称

スペアタイヤキャリアは、以下の部品によって構成されています。

スペアタイヤキャリア_各部位の名称

  • ・吊り板:スペアタイヤのホイールに引っかける金属製のプレート。
  • ・チェーン:スペアタイヤキャリア本体と吊り板をつないでいる金属製のチェーン。
  • ・シャフト:チェーンを巻き取るための軸となる部品。
  • ・ハンドル挿入口:シャフトの先端に付いている、ハンドルを挿入するための口金。
  • ・支持材:スペアタイヤの固定状態が安定するように、ホイールやタイヤの接触面を確保するための部品。

スペアタイヤキャリア使用時の注意点

スペアタイヤキャリアは、正しく使用しないと事故の原因になる可能性があります。使用時には、以下の注意点を必ず守るようにしてください。

  • ・スペアタイヤの脱着作業をする際は、水平な場所でブレーキをかけてエンジンを停止し、車輪止めで車両が動かないように固定する。
  • ・スペアタイヤ脱着時はインパクトレンチは使用せず、専用ハンドルを手で操作する。
  • ・スペアタイヤを取り付ける際は、専用ハンドルを指定のトルクで締め付ける。
  • ・スペアタイヤをスペアタイヤキャリアに取り付けない場合は、吊り板をチェーンでしっかりと巻き取り固定する。
  • ・専用ハンドルは使用後は速やかに所定の位置に片付け、スペアタイヤキャリアに挿入したまま走行しない。
  • ・スペアタイヤキャリアや周辺部品に損傷や異常が見られる場合は、絶対にそのまま走行せず、適切な点検や修理を行う。
  • ・走行中にスペアタイヤをぶつけてしまった場合は、異常が見られなくても継続使用せずに交換する。

スペアタイヤの脱着方法

スペアタイヤは、以下の手順でスペアタイヤキャリアから取り外すことができます。

  1. スペアタイヤの下に、引き出す方向に対して垂直に鉄パイプを置き、その上に受け止めるための段ボールを置く。
  2. スペアタイヤを降ろすための専用ハンドルを、シャーシに設けられた専用ガイドなどを通じてスペアタイヤキャリアの口金に挿入する。
  3. チェーンが少し緩むまで、タイヤを下げる方向にハンドルを回転させる。
  4. 地面に置いた段ボール面にタイヤが完全に設置したら、スペアタイヤから吊り板を外す。
  5. 段ボールに載ったスペアタイヤを、鉄パイプで転がしながら車両の下から引き出す。

スペアタイヤをスペアタイヤキャリアに装着する際は、逆の手順で行います。

なお、スペアタイヤキャリアの脱着作業にはケガをするリスクもあるため、保護具を着用し、頭部などをぶつけないように注意しながら行ってください

スペアタイヤキャリアの点検方法と点検義務化の背景

トラックのスペアタイヤキャリアは、定期的な点検が必要です。スペアタイヤキャリアの点検方法や、点検が必要な理由について解説します。

スペアタイヤキャリアの点検は義務化されている

2018年10月1日より、車両総重量8t以上または乗車定員30人以上の大型自動車の使用者には、スペアタイヤと取付装置(スペアタイヤキャリア)の状態を3ヶ月ごとに点検することが義務付けられています

それと同時に、スペアタイヤの取り付け状態の点検方法は以下のように改正されています。

・スペアタイヤ取付装置に緩み、がた及び損傷がないかをスパナ、目視、手で揺するなどして点検すること
・スペアタイヤが傾きや緩みなく確実に取り付けられているかを目視、強く押すなどして点検すること

スペアタイヤが適切に取り付けられていることを確認する必要もありますが、スペアタイヤキャリア自体がシャーシに確実に固定されているかも点検しなければいけません。

点検が義務化された背景

トラックのスペアタイヤの点検が義務化された背景には、2017年10月18日に中国自動車道で起きた事故があります

この事故では、軽乗用車が道路に落下していた大型トラックのスペアタイヤに衝突し、走行不能になってしまったため乗車していた親子が路肩に避難します。さらに後続のトレーラーが落ちていたスペアタイヤに乗り上げて横転し、路肩に避難していた親子を巻き込んで死亡させてしまいました。

落下していたスペアタイヤは、事故直前に他のトラックから落ちたものです。サイド吊のスペアタイヤキャリアが、ボルトの破断や緩みなど何らかの理由で、シャーシからスペアタイヤごと脱落したのが原因です。当時、スペアタイヤキャリア及びスペアタイヤの固定状態を確認する法的義務はありませんでした。

>スペアタイヤの点検の義務化

当社はこの事故の発生を受けて、一時的にスペアタイヤキャリアの販売を停止しておりました。その後スペアタイヤの点検が義務化されたことを受け、スペアタイヤキャリアの使用上若しくは運用上の安全性が大幅に向上したと判断し、販売を再開しています。

>スペアタイヤキャリア販売再開のお知らせ

スペアタイヤキャリアをより安全にご利用いただくために

スペアタイヤキャリア_サイド吊 スペアタイヤキャリア_センター吊

スペアタイヤの落下事故を防ぐ方法としては、二重安全予防法が有効であり、強く推奨されています。二重安全予防法とは、スペアタイヤキャリアでの固定の他に、チェーンなどを使用して別系統でスペアタイヤを固定しておく方法です。さらに、スペアタイヤキャリアとスペアタイヤだけでなく、シャーシとスペアタイヤまでをチェーンで固定すれば、二重・三重の安全策を講じることが可能です。

スペアタイヤキャリアを定期的に点検したとしても、スペアタイヤが落下してしまう可能性はゼロではありません。ぶつけてしまったことに気づいていなかったり、外観からは見えないスペアタイヤキャリア内部の異常に気付かなかったりした場合は、脱落を完全に防ぐことはできないでしょう。

二重・三重に固定しておくことで、万が一スペアタイヤキャリアに異常が発生した場合でも、すぐにスペアタイヤが落下することを防げます。

スペアタイヤキャリアはヤマダボディーワークスへ

スペアタイヤキャリアとは、スペアタイヤをトラックに積載するための金具のことです。スペアタイヤキャリアがあれば、重量のあるトラックのスペアタイヤでも持ち運ぶことができます。

2018年10月1日より、車両総重量8t以上または乗車定員30人以上の大型自動車の使用者には、スペアタイアの取り付け状態の点検が義務付けられました。

ヤマダボディーワークスでは、さまざまなスペアタイヤキャリアを扱っています。スペアタイヤキャリアの交換や取り付けを行う際は、ぜひ活用ください。


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