トラック・トレーラーにおけるスタンションとは?役割と構成パーツを解説
2024年10月7日
スタンションとは、トラックの荷台に垂直方向に立てられている支柱のことです。主に鋼材や木材などの長尺物を固定するために使われます。
こちらでは、スタンションの役割や種類について解説します。スタンションは用途ごとに専用の商品があるため、その違いについても詳しく解説します。
【この記事で分かること】
- ・スタンションの役割
- ・スタンションの構成部品
目次
トラック・トレーラーにおけるスタンションとは?
スタンションとは、トラックの荷台に垂直方向に取り付けられている、金属製の棒状の部品です。以下で、スタンションの主な用途を解説していきます。
鋼材や木材などの荷物を固定するための支柱
スタンションは、トラックの積載物が横方向に動いたり落下したりすることを防ぐために、荷台の両サイドに立てる柱のような部品です。鋼材や木材のような、長尺で転がりやすい積載物も、スタンションで固定すれば安全に運搬することができます。
スタンションを立てるためには、あらかじめスタンションガイドという差し込み口を荷台に設置する必要があります。スタンションガイドを複数箇所に設けておけば、積載物の長さや仕様に応じて支柱の位置を変えられるため、臨機応変な対応が可能です。スタンションはスタンションガイドから簡単に取り外せるため、使わないときは外して保管することも可能です。
安全帯の親綱の支柱にもできる
スタンションは、安全帯の親綱を設置するための支柱として使うこともできます。スタンション親綱支柱を使うことで、丈夫な親綱を簡単に張ることができます。
なお、トラックの荷台上で作業するときは転落の危険性があり、死亡事故の発生事例もあるため、安全帯のような保護具を使うことが重要です。スタンションを使って親綱を設置する方法は、以下で詳しく解説しています。
スタンションを構成するパーツ(種類・用途別)
スタンションの構成パーツは、用途ごとに種類があり、それぞれ構造や強度に違いがあるため、適切なパーツを選ぶ必要があります。
スタンションは、まず用途の違いにより以下の2種類に分類されます。
- ・荷崩れ防止用
- ・親綱支柱用
さらに、荷崩れ防止用のスタンションは、積載物の違いで以下の2種類に分類されます。
- ・鋼材運搬用
- ・木材運搬用
>スタンションガイド(鋼材運搬用・木材運搬用)、戸田式ステッキ(丸太原木固定装置)一覧
以下で、それぞれのスタンション関連パーツを種類ごとにご紹介します。
荷崩れ防止用
荷崩れ防止用のスタンションは「鋼材運搬用」と「木材運搬用」の2種類があり、それぞれ専用の商品があります。また、スタンションガイド蓋も、それぞれに応じた商品があります。
鋼材運搬用のスタンションガイドの底面は鉄板で構成されており、水抜き用の穴が開いている造りです。一方、木材運搬用はスタンションガイドの底に木くずが溜まらないように、底面が丸棒で構成されており、木くずが地面に落ちるようになっています。
木材は鋼材と比べて形状が不安定であり、高く積み上げる場合もあるため、高い強度と安定性が求められます。そのため、スタンションガイドの板厚は木材運搬用が6.0mmとなっており、鋼材運搬用の4.5mmと比べると強度が高いです。スタンションガイドの高さも木材運搬用は標準的な高さが250mmと300mmとなっており、鋼材運搬用と比べて約50mm高くなっています。
以下で、鋼材・木材運搬時の荷崩れ防止用として使用するスタンションの構成部品をご紹介します。
支柱
運搬する鋼材・木材を支えるための支柱となる部品です。ヤマダボディーワークスでは、荷崩れ防止用の支柱は販売していません。お客様が運搬する荷物の用途の仕様によりご用意いただいています。
スタンションガイド
※画像は鋼材運搬用のもの
スタンションの支柱を差し込むための穴となる部品です。あらかじめトラックの荷台に設置しておく必要があります。
【鋼材運搬用】
※取り付けイメージ
【木材運搬用】
スタンションガイド蓋
スタンションを使用しないときに、スタンションガイドをふさぐための蓋です。スタンションガイドに蓋をしないと、足を引っ掛けたり、ゴミが入ったりする原因になります。こちらのスタンションガイド蓋を、スタンションガイドに入れるだけで、簡単に穴を塞ぐことができます。
【鋼材運搬用】
【木材運搬用】
スタンションガイド上部板
スタンションガイドの上部を補強するための上部板です。
※取り付けイメージ
スタンションガイド本体と溶接固定して、上の画像のように床板にボルト締めすることでスタンション(支柱)にかかる力を分散できます。鋼材運搬用と木材運搬用は、切り欠き寸法が違います。
【鋼材運搬用】
【木材運搬用】
戸田式ステッキ
戸田式ステッキは、平ボディを木材運搬車に架装できる丸太原木固定装置です。輸入木材の価格高騰により国産の木材が見直されており、国内の木材運搬のために角パイプのスタンションの代わりに戸田式ステッキを装着するトラックが増えてきています。
※スタンションとは、支柱・柱の意味です。差し込み式の柱ではないですが、このようなトラック・トレーラー用の丸太原木固定装置も、スタンションの一種と言うことが出来ます。
親綱支柱用
ヤマダボディーワークスでは、安全帯の親綱設置用途としてスタンションガイドと、それに適合する親綱支柱を販売しています。以下の商品は、荷崩れ防止用途としては使用できないのでご注意ください。
親綱用支柱
親綱を設置するための支柱となる部品です。先端に親綱を結ぶためのリングがあるため、こちらの支柱を立てるだけで簡単に丈夫な親綱を張ることができます。長さが2,000mmあるので、使用環境に応じて切断することで高さの調整が可能です。
スタンションガイド
親綱用支柱を差し込むための部品です。スタンションガイドは、あらかじめトラックの荷台に設置しておく必要があります。親綱支柱は荷役作業以外では使用しないため取り外しますが、スタンションガイドがあることで工具がなくても簡単に支柱を脱着できます。
スタンションガイド蓋
親綱支柱用スタンションを使用しないときに、スタンションガイドをふさぐための部品です。スタンションガイドに蓋をしないと、足を引っ掛けたり、ゴミが入ったりする原因になります。こちらのスタンションガイド蓋を、スタンションガイドに入れるだけで、簡単に穴を塞ぐことができます。
まとめ
スタンションは鋼材や木材などの長尺物を固定するための、トラックの荷台に立てられた柱のような部品です。スタンションは「荷崩れ防止用」と「親綱支柱用」に分類され、さらに荷崩れ防止用は「鋼材運搬用」と「木材運搬用」で商品が異なります。それぞれ専用の商品のため、異なる用途では使用できません。
ヤマダボディーワークスでは、多くのスタンション関連パーツを扱っています。荷崩れ防止用の支柱はありませんが、それ以外では多くの部品を取り扱っているので、ぜひご活用ください。