トラックの水抜きホースとは?役割や取付方法を解説
2025年10月2日
トラックの荷台に水が溜まると、荷物の劣化や悪臭、サビの原因になってしまいます。そこで欠かせないのが「水抜きホース」です。
この記事では、水抜きホースの基本や必要な車両の種類、正しい取り付け方法と注意点をわかりやすく解説します。
【この記事で分かること】
- ・トラックの水抜きホースとは
- ・水抜きホースが必要なトラックの種類
- ・水抜きホースの取り付け方法と注意点
目次
トラックの水抜きホースとは
トラックの水抜きホースとは、荷台の下から地面に向かって伸びているゴム製のホースのことです。
活魚運搬車や冷蔵冷凍車のように庫内に水が溜まりやすい車両は、溜まった水をそのまま放置すると、荷物や床材に悪影響を与えてしまいます。そこで、荷台の床面に水抜きホースをつなげて、たまった水を排出できるようにしているのです。
水抜きホースはすべてのトラックに装着されているわけではなく、たとえば、ドライバンのような排水機能が必要ないトラックであれば、基本的に水抜きホースは不要です。しかし、装飾品として取り付けている車両もあります。
水抜きホースは排水機能を果たす部品ですが、車両によっては、個性を演出するための部品としての役割も持っているのです。
水抜きホースが必要なトラック
活魚運搬車や冷蔵冷凍車、家畜運搬車など、庫内に水が溜まりやすいトラックや洗浄が欠かせないトラックには、水抜きホースの装着が求められます。
活魚運搬車や荷箱に入った魚を積載する冷蔵車は、積み下ろしや輸送中にこぼれた水を排水しなければなりません。家畜運搬車も、庫内に溜まった糞尿を取り除き清潔な状態を保つためには、庫内を洗浄する必要があります。そのため水抜きホースが不可欠です。
これらの排水ホースには強度が必要なため、内径φ50.8mmの筋入り(布入り)ゴム製の「象牙ホース」がよく利用されます。エアサス(空気の圧力を利用した足回りのバネ)を備えたトラックであれば、エアサスの操作で車体を傾けることで効率よく排水できます。
なお、冷凍冷蔵車に採用される水抜きホースは、垂直で先端が潰れた形状のものが一般的です。垂直で先端が潰れているのは、結露で発生した水を排出しつつ、冷気が逃げるのを防ぐためです。
水抜きホースは、荷物や結露から出る水を排出し、清掃時の排水にも使われる、非常に重要な部品といえるでしょう。
水抜きホースをトラックに取り付ける方法
トラックに水抜きホースを取り付ける際は、以下の手順で作業を行います。
1.床面に穴を開ける
水抜きホースを取り付けるには、ホースをつなぐ穴を床面に開ける必要があります。取り付け位置をマーキングし、ドリルやホールソーを使って適切な径の穴を開けます。
2.排水パイプを固定する
床面に穴が開いたら、荷台の下側にボルトなどで排水パイプを取り付けます。排水パイプは、水抜きホースを差し込むための部品です。
3.水抜きホースを取り付ける
水抜きホースを排水パイプに差し込み、バンドを使って固定します。このとき、水抜きホースの先端が地面から離れすぎないように注意が必要です。地面から離れていると、排水が飛び散って周囲の迷惑になるだけでなく、シャーシにかかってサビが発生する原因にもなります。
なお、海水の場合はホースにつながる排水パイプがサビないように、ステンレス製の排水パイプを特注することがあります。また、海水を道路に垂れ流さないよう、ボールバルブという部品を取り付けることで意図的に排水を遮断する場合もあります。
冷蔵冷凍車への水抜きホースの設置において、ストレート形状だと荷台の構造物に干渉してしまう場合は、クランク状に曲がった水抜きホースを使用します。ストレートの水抜きホースと組み合わせてご使用ください。
水抜きホースを正しく取り付けなければ車検に通らない可能性がある
車体から突出した部品は、走行中にほかの交通に危険をおよぼすおそれがあることから法律で禁止されています。
水抜きホースを車体からはみ出るように取り付けると、歩行者や自転車と接触するリスクが高まり、保安基準に適合せず車検に通らない可能性があるので注意しましょう。実際に過去には、ホースが自転車と接触して転倒事故につながったケースが報告されています。

画像出典:1.道路運送車両の保安基準 (条項一覧)|一般社団法人 日本自動車車体工業会
また、排水ホースは、走行中に排水が漏れたり飛び散ったりしない構造でなければなりません。排水口には、ワイヤーなどで車体につながれた持ち運べないタイプの栓を取り付ける必要があります。なお、ドレンコックのように開閉できる仕組みや、一時的に水を貯められるタンクで代替する方法も認められています。
トラックの水抜きホースの注意点
水抜きホースは、正しく取り付けるのはもちろんのこと、日常のメンテナンスや衛生管理も重要です。清掃を怠ると詰まりや悪臭の原因になり、ホースの劣化を放置すれば走行中のトラブルにつながります。水抜きホースを使用する際の注意点を整理しました。
詰まらないように定期的に清掃する
水抜きホースが詰まらないように定期的に清掃を行いましょう。ホースが詰まると排水ができなくなり、庫内に水が溜まってしまいます。
特に、冷蔵冷凍車に取り付けられている水抜きホースは注意が必要です。冷蔵冷凍車の水抜きホースは、冷気が外に逃げないよう先端が潰れたような形状になっているため、水や汚れが溜まりやすくなっています。こまめな点検と清掃を心がけてください。
庫内洗浄も欠かさず行う
水抜きホースが設置されているトラックは、活魚運搬車や冷蔵冷凍車など食品や鮮魚を扱う車両が多いのが特徴です。これらの車両は、衛生面を常に良好に保つことが求められます。
水抜きホースで庫内の水を排出するだけでは、衛生面を良好に保つことはできません。定期的に庫内洗浄を行ってにおいや汚れを取り除き、庫内の衛生管理を徹底しましょう。排水ホースの点検もセットで行ってください。
ホースが劣化している場合は交換する
水抜きホースはゴム製が多く、長期間使用すると亀裂や損傷が発生しやすくなります。劣化した水抜きホースを使い続けると、走行中に外れたり、排水が飛び散ったりする原因になり、車検に通らない可能性もあります。劣化が見られた場合は、新しいホースに早めに交換しましょう。
なお、水抜きホースは単体で購入できます。また、バンドで水抜きパイプに固定されているタイプであれば、交換作業は比較的容易です。定期的な点検とあわせ、必要に応じて交換を行うことで安全性を確保できます。
まとめ
トラックの水抜きホースは、活魚運搬車や冷蔵冷凍車など、水が溜まりやすい車両に欠かせない部品で、庫内の水を効果的に排出します。
ただし、取り付け方法や構造が不適切だと車検に通らない場合があるため注意が必要です。また、使用による劣化で亀裂や破損が見られた際は、早めの交換が安全性を確保するうえで重要となります。
ヤマダボディーワークスでは、水抜きホースや水抜きパイプを単体で取り扱っていますので、交換の際はぜひご活用ください。








