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トラックの架装とは?架装の種類を詳しく解説

2023年3月10日

トラックの荷台部分のことを「架装」といいます。トラックの用途は多岐にわたるため、架装にも多くの種類が存在します。本記事では、架装の種類や、それぞれの役割について解説していきます。

トラックの架装とは?

トラックの架装とは

トラックの構造は、「キャブ・シャーシ」と「架装」の2つに分けられます。

「キャブ・シャーシ」は人が搭乗するキャブや、エンジン、シャーシから成ります。トラックメーカーで作られたトラックは、架装が乗っていない、キャブ・シャーシだけの状態で出荷されています。いすゞ、日野自動車、三菱ふそう、UDトラックスなどがよく知られるメーカーです。

「架装」はトラックの荷台部分のことで、「上物」や「ボディ」とも呼ばれます。全国に数多く存在する架装メーカーが、トラックの多彩な用途に合わせた架装を製造しています。極東開発工業、新明和工業、北村製作所、日本フルハーフなどが主な架装メーカーです。

トラックメーカーが製造したシャーシに、架装メーカーの架装が取り付けられることで、1台のトラックが完成します。

トラックの架装の種類

トラックの架装には、大きく分けて5つの種類があります。それぞれの特徴や用途を紹介していきます。

平ボディ

平ボディ

「平ボディ」とは、荷台部分に屋根が無く、床面が平らになった架装のことです。扱いやすいシンプルな架装で、軽トラックから小型トラック、大型トラックまで幅広く用いられます。

平ボディは床板を囲むように、左右と後ろの三方向に「アオリ」という側板が付いている形状です。アオリは貨物が落ちないように立てられているだけでなく、外側に倒れる構造になっており、貨物の積載を容易にしています。

一方で平ボディには屋根がないため、荷台が雨に濡れてしまうというデメリットもあります。水濡れに弱い段ボールや衛生用品、食品などの運搬には向いていません。

バン

バン

「バン」とは、荷台部分に箱が乗ったボディのことです。箱はアルミで作られていることが多く、通称「アルミバン」とも呼ばれています。バンは平ボディと同様に多く製造されている架装であり、街でよく見るトラックの一つです。

バンは貨物を雨や風、湿気から守ることができるだけでなく、落下のリスクもないため、長距離の搬送に向いています。保冷バンや冷凍バンなど、温度管理ができるバンもあり、食品や精密機械でも長時間の移動が可能です。

バンはリヤドアから荷役作業を行うことが一般的です。リヤドアは用途に応じて様々な種類がありますが、観音開きの扉が主流となっています。

ウイング

ウイング

「ウイング」は側面開放車とも呼ばれ、荷台の側面が羽のように開くタイプの架装です。閉じている状態の外観は「バン」とほとんど変わらず、雨や風を防げるといったメリットもバンと同様です。

バンとの大きな違いは、荷台側面が大きく上方向に跳ね上がるため、荷役作業を効率良く行える点です。ウイングの下にはアオリがあり、平ボディのアオリと同様に外側に倒すことができます。ウイングとアオリを開くことで荷台側面が大きく開き、フォークリフトを使った積み下ろしの作業を素早く行う事が出来ます。

ダンプ

ダンプ

「ダンプ」は平ボディのような見た目ですが、荷台の下にホイスト機構(荷台を動かすためのピストン)があり、荷台を傾けられるのが特徴です。荷台を傾けることで、積載物を滑らせて一気に降ろすことができます

工事現場などで土砂を運ぶ姿をイメージする人も多いかと思いますが、ダンプにも種類があり、それぞれ活躍の場が異なります。各ダンプの特徴は以下のとおりです。

<ダンプの種類一覧>

種類 特徴
リヤダンプ 貨物をトラックの後方に降ろすための、オーソドックスなダンプ。荷台は後方に傾斜するため、前側が持ち上がるように作動する。
サイドダンプ 貨物をトラックの側方に降ろすためのダンプ。荷台が左右に傾くようになっている。リヤダンプでは入らないような、狭いスペースで荷物を降ろすときに活躍する。
三転ダンプ 荷台を左右と後ろの3方向に傾けられる。リヤダンプとサイドダンプの両方の機能を持ち合わせたのが三転ダンプ。作業範囲が広いため、汎用性が高い。
重ダンプ 鉱山やダム現場などで大量の土砂を運搬するための、超大型ダンプ。公道の走行は法律により制限されているため、普段見かけることはほとんどない。
ローダーダンプ 荷台を傾けるだけでなく、スライドできるダンプ。スライドすることで荷台の後端が地面に接するため、小型建機や自動車を積載できる。

>ヤマダボディーワークス ダンプパーツ・ダンプ部品一覧

トレーラー

トレーラー

「トレーラー」とは「トラクター」に引っ張られる被牽引自動車のことで、車輪が付いている荷台のことです。トレーラーにはエンジンがなく自走できないため、「トラクター」に連結して使います。トレーラーとトラクターが連結された状態を、まるごと「トレーラー」と呼ぶこともあります

トレーラーにも数多くの種類があり、代表的なものは以下のとおりです。

<トレーラーの種類一覧>

種類 特徴
フルトレーラー フルトレーラーは前輪と後輪があるのが特徴で、トレーラーだけで重量を支えられる。フルトレーラーは全長が長いため、一度に大量の貨物を運ぶことができる。
セミトレーラー セミトレーラーには後輪しかなく、フルトレーラのような前輪がない。日本では最もポピュラーなトレーラーであり、様々な用途に使われている。
コンテナトレーラー 海上輸送のコンテナを運ぶトレーラー。クレーンでコンテナを載せ、ツイストロック装置で固定することで効率良くコンテナの運搬を行える。
フラットトレーラー 平らな荷台にスタンションを設置したトレーラーで、「スタンション型」や「まな板トレーラー」とも呼ばれる。原木や鋼材などを運ぶときに使われる。
重機運搬用トレーラー 公道を走行できない重機を運ぶためのトレーラー。
バルクトレーラー 粉体を輸送するためのタンクを積載したトレーラー。化学素材の粒体や、小麦粉や砂糖といった食品などを運ぶために使われる。
タンクトレーラー 液体を輸送するための、円柱状のタンクを積載したトレーラー。液状の食品や燃料、化学薬品など様々な貨物を運ぶタンクトレーラーが存在する。荷台が一体化しているものはタンクローリーという。
ポールトレーラー 鉄道車両や鋼管といった、長尺物を運ぶためのトレーラー。
キャリアカー 車を運搬するためのトレーラー。セミトレーラーだけでなく、トラックタイプなど様々な形状のキャリアカーが存在する。

トラックの架装用パーツはヤマダボディーワークスへ

トラックの架装には、ユーザーのニーズに応じた多様な種類があります。

ヤマダボディーワークスでは、様々な使用のトラックに合うように多くのパーツをそろえています。特有のパーツが多く使われているダンプの専用部品も取り扱っているので、ぜひご活用ください。

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