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トラック荷台の床板の種類とそれぞれの特徴

2024年12月16日

トラックの荷台には床板にはいくつかの種類があります。トラックの用途やボディタイプにあわせて、適した床板を選ぶことが重要です。

こちらでは、トラックの床材の種類や、それぞれの用途を紹介していきます。また、床材を選ぶ際の注意点についても、あわせて見ていきましょう。


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トラック荷台の床板の種類

床板の種類

ヤマダボディーワークスで扱っているトラック荷台の床板は、以下の7種類があります。

  • ・大板(ゴムの木)
  • ・竹三層大板(黒塗装)
  • ・竹三層大板(無塗装)
  • ・アピトン床材
  • ・竹三層床材
  • ・アカシア床材
  • ・ベニヤ板

以下では、それぞれの特徴や用途について解説します。

大板(ゴムの木)

大板(ゴムの木)
大板(ゴムの木)とは、名前のとおりゴムの木を素材とする、1枚物の床板です。片側の表面に黒塗装とコーティングが施されており、防カビ剤が含まれています(防腐剤は含まれていません)。コーティングは、積層合板が剥がれないようにするために施されています。

ヤマダボディーワークスで扱っている大板(ゴムの木)は、板厚が14mmとなっており、「横幅 × 長さ」のサイズは以下の種類があります。

  • ・1,768mm × 3,310mm
  • ・2,048mm × 4,345mm
  • ・2,048mm × 4,995mm

「1,768mm × 3,310mm」と「2,048mm × 4,345mm」のサイズは、ヤマダボディーワークスの在庫品ですが、「2,048mm × 4,995mm」は取り寄せ品です。また、上記以外のサイズもありますが、取り寄せが必要です。

また、ヤマダボディーワークスでは床板のカットを行っていません。上記サイズの大板から切り出したい場合は、お客様に加工していただきます。

竹三層大板(黒塗装・無塗装)

竹三層大板とは、竹を層状に重ねた素材で作られている一枚物の床板です。竹三層大板(黒塗装)は表面に黒塗装が施されていますが、竹三層(無塗装)は表面に何も塗装がされていない商品です。

竹三層大板は竹を三層に重ねているため、単層構造仕様と比べて高い強度を持っています。竹は比較的軽い素材であるため、トラックを軽量化したい場合にも適しています。また、膨張や収縮をしづらいため、経年劣化が少ない点も特徴です。そのため、ウイングやバン、平ボディーなど幅広いボディタイプに使用できます。

後述する「竹三層床板」も竹を素材とした床板ですが、竹三層大板は1枚で敷く大きな床板となっているのに対し、細長い床板を組み合わせる本実加工を用います。

アピトン床板

アピトン床板

アピトン床材とは、強靭な耐久性を持つアピトンという木材から作られた床板です。高い耐久性を持つため、上からの重量に強く、損傷しづらいことが特徴です。

しかし、アピトン床材は濡れた後に乾くと、床材が反りやすいという欠点があります。

また、アピトン床材は上述した大板のような一枚物ではなく、幅が約120mmの細長い床材を何枚も組み合わせて荷台に敷く床材です。

アピトン床材の側面には片側に突起(凸)があり、反対側にはくぼみ(凹)があります。この凹凸を組み合わせることで、複数の床材をつなぎ合わせるのです。このような加工を「本実(ほんざね)加工」といいます。本実加工をすることで強度が増し、反りもある程度は防ぐことができます。

ヤマダボディーワークスでは、以下のサイズ「板厚 × 働き幅 × 長さ」のアピトン床材を在庫しています。働き幅とは床の表面に見える部分の幅のことです。

  • ・18㎜ × 120㎜ × 4500㎜
  • ・18㎜ × 120㎜ × 6400㎜
  • ・21㎜ × 123㎜ × 6500㎜

竹三層床板

竹三層床板

竹三層床板とは、竹三層大板と同様、竹を三層に重ねて接着して作られた床材です。

竹三層大板が大きな一枚の板であるのに対し、竹三層床板はアピトン床材のように、幅約200〜300mmの細い床板を組み合わせる本実加工を用います。また、アピトン床材は濡れた後に乾くと反りやすいという欠点がありますが、竹三層床板は反りづらい素材です。

中国に無数に自生している孟宗竹(もうそうちく)を原材料として使用している為、環境負荷が低い点も特徴です。竹から床材を作成する過程で防カビ材を用いるため、防カビ効果もあります。

また、竹単層床板についても。ここであわせて触れておきましょう。竹単層床板は、かつてヤマダボディワークスでもメインで販売していた床板ですが、端部にくぎ打ちすると割れが発生しやすいなどの欠点がありました。この竹単層構造の欠点を改善した製品が、竹三層床板です。

アカシア床材

アカシア床材とは、アカシアという木材をブロック状にして接着した床材です。割れやささくれが少ないという特徴があります。

アカシア床材は幅が約150〜300mmのため、アピトン床材や竹三層床板のように本実加工を行い、複数の床板を組み合わせて使用します。

アカシア材は、計画植林によって生産されるため、環境負荷が少ない木材です。ヤマダボディーワークスでは現在、アカシア材の在庫はありませんが、取り寄せは可能です。

ベニヤ板

ベニヤ板

ベニヤ板は別名コンパネとも呼ばれ、複数の薄い木の板を層状に貼り合わせた床板です。トラックの床材だけでなく、建築の内装材としても使われます。

耐水性によって、タイプ1、タイプ2、タイプ3というランクがあり、ヤマダボディーワークスでは、このうち最もランクの高いタイプ1を販売しています。また、建築用途で一般的に使われるサイズである3×6尺と、トラックでよく使用する4×8尺サイズの2種類を取り扱っています。

ただし、そもそもベニヤ板自体が耐水性に優れた素材ではないため、タイプ1の製品であっても、平ボディーなど、屋外での床材としては使用できません。

トラックの床板に関する注意点

トラックの床板に関する注意点をご紹介します。床板を選択する際には、非常に重要な内容となっているので、ぜひ参考にしてください。

フィンガー材はソリッド材に比べて割れやすい

フィンガー材はソリッド材に比べて割れやすい
床材の長さを延長するために、複数の床材をフィンガージョイントという方法でつなぎ合わせたものを「フィンガー材」といいます。

フィンガージョイントとは、床材のつなぎ合わせる部分を櫛状に加工して、たて継ぎ(木材を長さ方向に接着接合)する技術のことです。対して、フィンガージョイントしていない一枚物の材料を「ソリッド材」といいます。

フィンガー材は複数の床板を組み合わせて接着しているため以前より接着性能が上がっているとはいえ、ソリッド材と比べると強度が落ちてしまいます。そのため、フィンガージョイント部に局部的に大きな負荷がかかると、割れてしまうこともあります。重機運搬車など、重量物を運搬するトラックの床板には向かないでしょう。

しかし、アピトン床材は木材の長さに限度があるため、ソリッド材は6,600mmまでしかありません。そのため、荷台長が6,600mmを超える場合は、一枚板を前・後ろと交互に張って横根太の上で接合したり、やむを得ずフィンガー材を使用したりと、張り方の工夫が必要です。

天然材は価格が高騰している

床板の原料である天然材は、以前と比べて価格が高騰しています。

アピトン材のような天然材は、伐採できるまで成長するのに60〜80年と、非常に長い期間を要します。無計画に伐採してしまうと成長が追いつかなくなってしまうため、産出国のマレーシアやインドネシアなどでは天然資源保護を目的に伐採規制があります。さらに、円安や日本の需要低減による価格競争力の相対的な低下の煽りを受け、近年、天然材は非常に高価な材料となっています。

アピトン材などの天然材の価格高騰を受け、代替的な材料として中国の孟宗竹の集成材を使った竹床板や、植林されたゴムの木による合板、アカシア・マンギウムの集成材を使った床板などが普及しています。

竹材は節方向が滑りやすい

竹材を床板に使うと、節方向は荷物と床板との抵抗が少なくなるため、荷物が滑りやすくなります。そのため、荷台の後方から荷物を載せる場合は滑りやすいのですが、逆に荷台の側面からは抵抗になってしまうので、取り扱いに注意が必要です。

側面から荷物を積み込む場合は、「トラックス(TRUX)」を塗ることで滑りがよくなります。トラックスはヤマダボディーワークスでも販売しています。


トラックス (TRUX)

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ただし、竹材の節方向の滑りやすさがデメリットになってしまうこともあります。建設重機運搬車は、重機を積載する際に竹材の床板と重機が滑ってしまい、重機が載せられないことがあります。特に重機の足まわりがキャタピラの場合、竹材との相性は非常に悪く、積載が困難です。その場合は、竹材ではなく、アピトン材の使用を推奨しています。

まとめ

トラックの床材にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。ヤマダボディーワークスでは「大板(ゴムの木)」「竹三層大板(黒塗装)」「竹三層大板(無塗装)」「アピトン床材」「竹三層床材」「ベニヤ板」を扱っています。

大板と呼ばれる床板は一枚物の大きな板を敷く種類となっており、対してアピトン床材や竹三層床材は複数枚の細長い床板を「本実加工」という方法で組み合わせて敷きます。それぞれ特徴が異なり、使用できない場面もあるため、用途に合わせて適切な床板を選択することが重要です。


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