トラックのマーカーランプの車検規定は?押さえておくべき保安基準と注意点
2023年4月10日
トラックのマーカーランプは、主に装飾用として利用されるほか、側方灯としても利用される場合もあります。
「側方灯」として使用する場合、夜間走行の際、周囲に車体の大きさを知らせる重要な役割を担うため、厳密に保安基準が定められています。装飾用として利用する場合も「その他の灯火」としての基準を満たさなければなりません。
基準を満たさないものを設置したり、未設置の状態で走行を続けたりすると、罰則の対象となるため注意が必要です。もちろん違反のままでは、車検を通すこともできません。
本記事では、マーカーランプ設置時に確認しておきたい保安基準や車検時の注意点、マーカーランプの点検ポイントなどをご紹介していきますので、参考にしてください。
ヤマダボディーワークスでは様々なマーカーランプを取り扱っています。ぜひご活用ください。
目次
マーカーランプの車検規定に関するよくある誤解
マーカーランプに関するよくある誤解として、「側方灯としての利用」があります。
トラックのマーカーランプは、取り付ける目的によって「側方灯」と「その他の灯火」という2種類に分類されます。
・側方灯・・・安全性のためにトラックの存在や幅を周囲に示す目的で設置される。法令によって色や設置条件が厳しく決められている。
・その他の灯火・・・スタイルやデザインの一部として装飾用に設置される。法令による制限はあるが、側方灯ほど厳しくない。
実はマーカーランプが側方灯として利用されることはほとんどありません。
まず、「側方灯」は次の車両に設置が義務付けられています。
- ・長さ6mを超える普通自動車(トラック)
- ・長さ6m以下の牽引自動車 (トラクタ)
- ・長さ6m以下の被牽引自動車(トレーラー)
- ・ポール・トレーラ
このように、ほとんどのトラックやトレーラーは側方灯の設置が必須となります。ただし、必ずしも点灯型のマーカーランプを設置しなければならないということではありません。保安基準には「側方灯又は側方反射器を備えなければならない」と記載されているため、点灯型のマーカーランプではなく、側方反射器を設置しても基準を満たすことができます。
そのうえで、現在販売されているマーカーランプは、ほぼすべてが「側方灯」としてではなく「その他の灯火」として販売されています。マーカーランプを「側方灯」として使用する場合はECE部品認証取得品である必要がありますが、その規定を満たしたものがほとんど販売されていないのです。
マーカーランプは導入コストも高く、走行中に電球が切れてしまうとその時点で違反となるリスクもあるため、現在では「側方反射器」を使うのが一般的となっています。
トラックの車検時に確認しておきたいマーカーランプの点検ポイント
マーカーランプを設置しているトラックを車検に通すには、これから紹介する以下の項目に注意しましょう。
色と設置場所
マーカーランプを「その他の灯火」として使用するか「側方灯」として使用するかによって、取付可能な色と設置場所が異なります。
上記のとおりマーカーランプは一般的に「その他の灯火」として使用されますが、仮に「側方灯」として使用する場合は、色・設置場所ともに厳密に定められているため注意しましょう。
その他の灯火の場合
マーカーランプを「その他の灯火」として使用する場合は、青や緑などのさまざまな色のランプが取り付け可能です。ただし、色によっては取り付けが禁止、もしくは取り付けできる場所の制限があります。
マーカーランプの色 | 取付が禁止されている場所 |
---|---|
黄色・青・CRB(クリアブルー) | なし |
橙 | 後方を照射(地上2.5m以下) |
赤 | 全ての場所 |
緑 | 前面ガラスの上部 |
白 | 後方を照射 |
黄色、青、CRB(クリアブルー)については、その他の灯火として全ての場所に取り付けが可能です。ただし、橙・緑・白については上記のように取り付けが禁止されている場所があり、赤に関しては取り付け自体が禁止されています。
橙と白にある「後方を照射」とは、言葉の通り車両の後方を照らすランプのことを指します。厳密な定義としては、車両の後方斜め15度の直線と後方25mにある横断面が交わる範囲内で、地上より高さ1mから2,2mの水平面で囲まれた面から視認できる範囲のことです。
マーカーランプは車両の側面に設置されるので、後方を照射する灯火に該当しないように思えます。しかし、後方斜め15度まで含まれるため、色によっては該当範囲から見えないように注意して取り付ける必要があります。
側方灯の場合
「側方灯」としてマーカーランプを使用する場合は、ECE規格認証を取得した橙色に限定されます(後部に備える尾灯等と構造上一体であれば赤色も可能)。ちなみに小糸製作所の「LEDサイドマーカー 橙 24V 2560A 小糸」は基準を満たしている製品です。
取り付け位置は照明部の下縁が地上0.25m以上、上縁が1.5m以下、最前部は車両前端から3m以内、最後部は車両後端から1m以内、6mを超える自動車においては一部の例外※を除いて照明部の間隔が3m以内、と厳密に定められています。
※一部例外:除雪・土木作業・その他特別な用途に使用される自動車で、自動車の構造上3m以内の間隔で取り付けることができない場合、4m以内の位置となるように取り付ける
また、「側方灯」としてマーカーランプを使用する場合は、点灯条件にも気を付けましょう。尾灯と連動してON/OFFするようにしなければ保安基準を満たさないため、配線方法にも注意が必要です。
明るさ
装飾用のマーカーランプは「その他の灯火」となります。明るすぎると周囲の視界を妨げてしまうため、明るさは光度300カンデラ以下と規定されています。300カンデラの目安は、自動車のポジションランプ(車幅灯)の明るさと同程度となります。
「側方灯」として設置する場合も、光度は300カンデラ以下と定められており、かつ夜間に150m離れた位置から認識できる明るさでなければいけません。
点滅していないか
マーカーランプはどのような使用目的であっても、点滅している時点で整備不良とみなされ車検に通すことができなくなります。劣化したマーカーランプは点滅してしまうことがあるので、車検を受ける前に点灯状態の確認を忘れずに行いましょう。
参考:
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【 〈第一節〉第 条(その他の灯火等の制限)│国土交通省
独立行政法人自動車技術総合機構審査事務規程
車検時のマーカーランプに関するよくある疑問
ここでは、マーカーランプの車検規定に関するよくある以下2つの疑問について解説していきます。
- ・軽トラックにマーカーを取り付ける際のルール
- ・電球の種類が車検に関係するか
軽トラックにマーカーを取り付ける際のルールは?
冒頭でご紹介したように、側方灯としてマーカーランプを取り付ける必要があるのは、長さ6m以上のトラックとなります。軽自動車である軽トラックは全長3.4m以下であるため、マーカーランプの取り付け義務はありません。
ただし、マーカーランプの取り付け義務がない車両でも、「その他の灯火」として取り付ける場合は上記で解説した法令で定められた基準を満たす必要があります。赤色のマーカーランプを設置したり、300カンデラを超えるような明るいものを設置したりすることは違法となるので注意しましょう。
電球の種類は車検に関係する?
「側方灯」や「その他の灯火」の基準に電球の種類の指定はありません。
最近のマーカーランプはLEDが採用されているタイプが多くなってきたため、電球以外でも光量や光度、取り付け位置などの基準を満たしていれば車検に通すことができます。
マーカーランプはヤマダボディーワークスで
トラックのマーカーランプは、ほとんどの商品が装飾用ですが、一部「側方灯」としての基準をクリアしている商品もあります。「その他の灯火」と「側方灯」では保安基準が異なります。もし「側方灯」の設置をご検討であれば、走行中に電球切れを起こすリスクの無い「側方反射器」を取り付けることをおすすめします。
また、「その他の灯火」としてマーカーランプを取り付けている車両の車検を受ける際は、
・明るさ
・設置場所と色
・点滅していないか
これらの各項目で基準を満たしているかを確認し、不具合があれば修理や交換が必要になります。LEDランプの場合だとすぐに対応できないこともあるため、車検が近づいてきたら、早めに確認を行うようにしましょう。
ヤマダボディワークスでは、ドレスアップ目的としてのマーカーランプを多数取り扱っております。マーカーランプをお探しであれば、ぜひご活用ください。
また、トラック用マーカーランプのおすすめ商品や選び方については、以下の記事でもご紹介しています。あわせてご確認ください。