マーカーランプには水が入りやすい?防水加工時の注意点を解説
2024年5月27日
トラックのマーカーランプは、レンズの内側に水が侵入してしまうことがあります。
マーカーランプは電気製品なので、内部に水が侵入すると基板や電球が濡れてしまい、故障の原因になります。また、防水されている製品でも取り付け方法などが適切でないと、浸水のおそれがあるでしょう。
こちらではマーカーランプの内側に水が入ってしまう原因や、浸水させないためにはどのような対策が有効か解説します。
ヤマダボディーワークスでは様々なマーカーランプを取り扱っています。ぜひご活用ください。
目次
マーカーランプに水が入る原因
マーカーランプは防水仕様になっている製品が多いのですが、それでもレンズの内側に水が入ってしまうことがあります。浸水には以下の原因が考えられます。
1.マーカーランプレンズが損傷している
マーカーランプのレンズが割れていたり亀裂が入っていたりすると、損傷部分から水が入ってしまうことがあります。製品によってはレンズ部分だけ取り外せられる構造のものがあり、そのようなマーカーランプはレンズ単体での交換が可能です。ただし、一体型になっているマーカーランプはレンズが割れた場合、本体ごとの交換が必要です。
本体とレンズの間にパッキンが入っている製品は、パッキンが原因で本体とレンズの間から浸水してしまうことがあります。パッキンの取り付けがずれていないか、劣化していないかを確認しましょう。
2.レンズの内側が結露する
マーカーランプのレンズは、内側が結露してしまうことがあります。ランプの発光によってレンズの内部には熱が発生し、レンズの外が外気や雨などで冷やされることで温度差が発生することが結露の原因です。LEDは白熱電球と比較して発熱量が小さいため、白熱電球の製品に比べて結露しづらいという特徴があります。
マーカーランプの結露が心配な場合は、結露対策されている製品を選ぶのがおすすめです。製品によって結露への対策方法が異なりますが、各社以下のような方法で浸水対策を行っています。
浸水対策1.ゴアシート(通気シート)で水分を逃す
マーカーランプの裏側に、ゴアシート(通気シート)という特殊なシートを使って結露を防ぐ方法です。ゴアシートは水分を一方通行でしか通さないという特徴を持っており、結露でレンズの内側に発生した水分は外に排出し、外側からの雨水などの水分は入らないようになっています。JB 激光 LSL-200シリーズには、ゴアシートが使われています。
【製品例】
浸水対策2.レンズと本体を熱溶着している
マーカーランプのレンズと本体を熱溶着し、本体と配線の接合部分もモールドすることで、雨水などの侵入を抑える方法です。「LEDクリスタルSマーカー 24V 黄 防水型」はこのような対策が施されています。ただし、レンズの内側に発生した水分は外に抜けない構造であるため、結露対策としては完全ではありません。
【製品例】
浸水対策3.基板自体に防水加工している
結露などでマーカーランプのレンズの内側に水分が発生した場合でも、簡単に故障しないように内部の基板自体を防水加工している製品があります。JB 激光 LSL-500シリーズは基板に防水加工がされており、レンズが脱着できるような構造になっています。
【製品例】
3.配線に防水加工を行っていない
マーカーランプの電気配線の接続部分に防水加工を行わないと、本体に水が入ってしまうことがあります。マーカーランプを車両に取り付ける際は、ギボシ端子などを用いてランプ配線と車両配線を接続しますが、このような接続部分には防水加工が必須です。
防水されていない配線の接続部分が濡れると、毛細管現象によって配線が水を吸い上げてしまい、本体の内部まで浸水してしまいます。水が本体まで到達すると、電球や基板が濡れてしまい、故障の原因になります。
マーカーランプの配線の防水加工方法
電気配線から水を侵入させないためには、接続部分の防水加工が必要です。
ここでは、防水加工する方法を3通り紹介します。
防水熱収縮チューブを使う方法
ギボシ端子を防水熱収縮チューブという、水を通さない素材のチューブで保護する方法です。防水熱収縮チューブとは、塩化ビニールやシリコンゴムなどの素材で作られたチューブのことで、熱を与えると収縮するという特徴があります。
防水熱収縮チューブに配線を通し、ギボシ端子に被せます。ヒートガンと呼ばれるドライヤーのような道具を使って防水熱収縮チューブを加熱すると、ギボシ端子や配線に密着して防水効果を得られます。加熱する際は空気が入らないように中央部分から加熱し始めるのがポイントです。
防水ブチルテープを使う方法
ギボシ端子に防水ブチルテープを密着させるように巻きつけることで、防水性を持たせる方法です。防水ブチルテープとは、ブチルゴムという防水性のある素材のゴムで作られたテープです。
電気配線の防水には、自己融着テープと呼ばれるものが多く使われます。自己融着テープはブチルゴムが素材のテープで、表面がベタついていないため扱いやすいといった特徴があります。自己融着テープを2倍程度に引っ張りながら巻きつけることで端子や配線に密着し、テープの表面が融着するため防水効果を得られます。
防水ギボシ端子を使う方法
ギボシ端子の上に防水性のあるスリーブ(防水ギボシ端子)を被せる方法です。
ただし、防水キボシ端子や防水カプラーの防水性能はランプ単体の防水性能を上回る事が出来ず、全体の防水性能を落とす恐れがあります。また端子部のみの防水性を確保しても、端子の後端からの浸水も考えられるため、広範囲で防水性を確保出来る「防水熱収縮チューブ」や「防水ブチルテープ」を併用するのがおすすめです。
防水加工を行う際の注意点
せっかく配線に防水加工を行っても、使用する道具や作業方法が誤っていると浸水してしまうことがあります。ここでは、防水加工を行う際の注意点を解説します。
配線やギボシ端子のサイズにあったアイテムを選択する
防水熱収縮チューブや防水ギボシ端子は複数の種類があり、種類によって太さなどが異なるため、適切なものを選択しないと浸水してしまう可能性があります。
例えば、配線に対して太すぎる防水熱収縮チューブを取り付けてしまうと、チューブと配線の間にすき間が空いてしまい浸水してしまう可能性が高いでしょう。また、防水ギボシ端子のスリーブを使う際は、オススリーブとメススリーブで形状が異なるため、ギボシ端子の形状に合わせて取り付けを行う必要があります。
ビニールテープを巻くだけでは不十分
ギボシ端子の上にビニールテープが巻かれているだけの場合がありますが、防水加工としては不十分です。ビニールテープをしっかり巻いていても、テープ同士にすき間から水が入ってしまうことがあるためです。また、時間が経つとビニールテープが劣化して粘着が弱まってしまうこともあります。
ただし、自己融着テープとビニールテープを併用することは効果的です。自己融着テープの劣化を防ぐために、自己融着テープの上からビニールテープを巻くことで、防水効果を長期間持続させることができます。
マーカーランプの防水加工方法まとめ
トラックのマーカーランプは、レンズの内部に水が侵入していることがあります。マーカーランプの内側に水が入ると故障の原因となるため、浸水への対策はとても重要です。浸水してしまう原因は、レンズの損傷や電気配線の防水加工不足、レンズ内の結露など様々です。
また、マーカーランプは商品によって結露しにくいものがあります。以下の記事でおすすめのマーカーランプを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。