路肩灯の保安基準とは?車検前に確認すべきポイントについても解説
2025年10月31日
内輪差の大きいトラックにとって、路肩灯は側方の安全性の向上に役立つ部品です。ただし、保安基準によって装着が義務付けられていないため、装着していない車両でも問題なく車検に通ります。
本記事では、路肩灯に関する保安基準について詳しく解説し、車検前に押さえておくべきポイントもご紹介します。
- ・路肩灯に関する保安基準
- ・車検前に確認すべき路肩灯に関するポイント
目次
路肩灯に関する保安基準とは
路肩灯とはトラックやトレーラー、バスなど、内輪差の大きい車両の側方を照らすための補助灯の一種です。夜間の走行時に歩行者や自転車、二輪車などに対して注意を喚起し、巻き込み事故や縁石乗り上げ事故を防止する目的で設置します。
路肩灯は、ヘッドライトや方向指示器(ウインカー)、制動灯(ブレーキランプ)などのような必ず備えなければならない灯火とは異なり、装着していなくても問題なく車検に通ります。専用の基準も設けられておらず、「その他の灯火」というカテゴリーに分類されています。
ただし、路肩灯を装着する場合は「その他の灯火」に関する規定に従って、正しく取り付けなければなりません。
参考:道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2025.1.10】 第218条(その他の灯火等の制限)
路肩灯の取り付け位置に関する規定
トラックの路肩灯は、一般的に荷台の下で、後輪の前方に取り付けます。左右については、車両の左右両側、もしくは片側に装着します。
ただし、取り付け位置を決める際には、周囲に配置されている側方灯や側方反射器などと干渉しないように注意し、光の照射や視認性を妨げないよう配慮しなければなりません。
また、路肩灯は車体の突起物にならないよう、適切な位置に取り付けることが求められます。
以上の点を守れば、車検時の基準にも適合するうえ、安全性を確保できます。
灯の色味・明るさ・点灯方法に関する規定
先述したとおり、路肩灯は「その他の灯火」に分類されます。そのため色味や明るさ、点灯方法に関しては、以下に記載してある「その他の灯火」に関する規定に従わなければなりません。
| 項目 | 規定 |
|---|---|
| 色 | 黄色・青・CRB・緑が利用可能 |
| 明るさ | 300cd以下であること |
| 点灯方法 | 点滅や光度が増減しないこと 直射光・反射光によって他車の運転操作を妨げないこと |

「その他の灯火」は上の図にあるように、設置する場所や照射方向によって使用できる色が異なります。
路肩灯は車両の側方を照らすために用いられるため、一見すると「後方を照射する灯」には当たらないように見えます。
しかし、保安基準における「後方」の定義は、車両後方25mの位置で15度の角度から見た横断面で、地上1.0~2.2mの範囲から視認できる光を指します。取付位置や角度によっては路肩灯もこの「後方」に含まれるため、橙色や白色のランプを取り付けることができません。また、赤色は「その他の灯火」での使用自体が禁止されています。


ただし、市販されている路肩灯の中には、バイザー(ひさし)やレンズ下部の目隠しカバーにより、横断面から灯火のレンズ面からの発光が直接見えないように設計されたものがあります。このような構造を持つ製品であれば、白色であっても取付が可能です。
車検前にチェックすべき路肩灯のポイント
路肩灯は任意灯火のため備えていなくても車検に通りますが、取り付ける場合は保安基準に従い、なおかつ、正常に機能している必要があります。ここでは、車検時にチェックするべき、路肩灯に関するポイントを解説します。
路肩灯が正常に点灯するか確認する
路肩灯が装着されているトラックは、車検時に路肩灯が正常に点灯することが求められます。球切れなどで路肩灯が点灯しない場合は車検に通らない可能性があるため、車検前に点灯状態をチェックしておくと安心です。
レンズが割れている場合や著しい汚れがある場合も車検に通らないことがあります。車検前には光の明るさ、レンズやカバーの損傷の有無も必ず確認し、問題があれば早めに交換・整備しましょう。
保安基準に沿って取り付けられているか再確認する
問題なく車検を通過するには、路肩灯が保安基準に従って機能していなければなりません。色や明るさ、点灯方法が基準に適合しているかどうかを必ずチェックしましょう。
また、路肩灯が上向きに取り付けられていたり、明るすぎたりすると、後続車はまぶしく感じる可能性があります。このように他の交通を妨げると判断された場合、車検に通らないことがあるので注意が必要です。
近年、以下のようなLEDワーキングランプを路肩灯として取り付け、走行中に点灯している車両が見受けられます。

これらのワーキングランプは光度が300cdを超えており、車両によっては保安基準で定める「後方」から視認できる角度に取り付けられている事例も確認されています。
しかし、このような使用方法や取付位置は、「その他の灯火」および「保安基準」の規定に違反しているだけでなく、他車の運転操作を妨げる恐れがあり非常に危険です。
安全のためにも、このような取付・点灯は絶対に行わないでください。
まとめ
路肩灯は装着義務のない灯火ですが、取り付ける場合は保安基準の「その他の灯火」に関する規定に従う必要があることを覚えておきましょう。
ヤマダボディーワークスでは、保安基準に適合する路肩灯を幅広く取りそろえています。照射範囲が広く、夜間や暗所での安全性をより高められるタイプもあり、日々の運行の安全をサポートします。
オール樹脂製の軽量で耐食性に優れた路肩灯です。バイザーは角度を微調整できるため、取付環境に合わせて光の向きを調整できます。本製品は「右用」として販売していますが、バイザーを180度回転させることで、左右で共通して使用可能です。
照射範囲が広く、巻き込み事故の低減や走行中の安全性の向上に寄与するバス用の路肩灯です。ハイパワーLED採用により省電力・長寿命を実現。さらに、ALL樹脂成型樹脂製品なので、サビ・腐食の心配がないのもポイントです。
薄型の筐体で、平面取り付けが可能な路肩灯です。黄と白の発光により路面が見やすく、安全運行をサポートします。また、照射範囲が広いため、巻き込み事故や縁石の乗り上げ事故の低減に大きく貢献します。
クロムメッキで塗装された、フルメッキタイプのバス用路肩灯です。光源は電球なので、球切れで不灯状態になっても、電球を交換することで繰り返し使用可能です。



