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トラックのアルミブロック(アルミアオリ)とは?特徴や取り扱い時のポイントを解説

2025年12月19日

「アルミブロック」とは、トラックのアルミ製のアオリのことです。アルミブロックは軽量で扱いやすく、サビが発生しづらいことから多くのトラックに採用されています。

この記事では、アルミブロックの用途や仕様、取り扱う際のポイントまで、わかりやすく解説します。


アルミブロック用蝶番

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【この記事で分かること】

  • ・トラックのアルミブロックとはなにか
  • ・アルミブロックの構成要素や仕様、組み立て方式
  • ・アルミブロックを取り扱う際の注意点

トラックのアルミブロック(アルミアオリ)とは

アルミブロック

トラックのアルミブロックとは、荷台の側面や後方に取り付けられたアルミ製のアオリのことです。アオリを構成する素材には鉄・木・樹脂・ステンレス・アルミなどがありますが、アルミ製のアオリをアルミブロックと呼びます。

アルミブロックは一般的な鉄製のアオリに比べると軽量なので、開閉操作を楽に行えます。アオリが軽量だと車両重量も軽くなるため、その分最大積載量を増やせるのもメリットです。

さらに、アルミブロックはサビにくく、見た目の美しさを維持しやすいという利点もあり、多くのトラックのアオリに採用されています。

トラックのアルミブロックの用途

トラックのアルミブロックは、建設資材や工業製品、飼料など、さまざまな荷物を輸送するトラックに活用されています。

先述したとおり、軽量なアルミブロックを採用すると、従来よりも多くの荷物を積載でき、輸送効率を高められるというメリットがあります。また、アルミブロックは、アルマイト処理という硬くて丈夫な酸化皮膜を生成する表面処理がなされており、鉄製や木製と比較して錆や腐りに強く、長持ちします。そのため、多くのトラックでアルミブロックが採用されているのです。

また、アルミブロックは複数のアルミ部品を縦に積み重ねる構造になっており、アオリの高さを調整できます。そのため荷物の種類や量など、さまざまな用途に応じて柔軟に仕様を変更できるのもメリットです。

一方で、アルミブロックは鉄製のアオリと比べると強度が劣ります。土砂を運ぶダンプなど、アオリに負荷がかかるトラックには適していません。

トラックのアルミブロックの構成要素と仕様

トラックのアルミブロックは、複数のアルミ製パーツを組み合わせて作られています。ここでは、アルミブロックを構成する主な要素と、代表的な仕様を紹介します。

アルミブロックの構成要素

アルミブロックは、ブロックの玩具のようにオス・メスの形状をしたアルミの押出材を組み合わせて構成されています。主な構成要素は以下のとおりです。

  • ・アオリの一番上に設置するアッパーレール(トップ)
  • ・中間に設置するミドルレール(ミドル)
  • ・一番下に設置するロアーレール(ボトム)
  • ・ロアーの裏側で蝶番を設置する部分を隠すインナーカバー(ボトムサイドカバー)
  • ・アオリの前後を隠すエンドポスト(コーナーポスト)
  • ・各部位のアルミブロックを締結する通しボルト

なお、それぞれの呼称はメーカーによって異なります。

アルミブロックの仕様

アルミブロックには、構造や寸法によってさまざまな仕様があります。仕様の例を紹介します。

  • ・厚みのタイプ:標準タイプ(ミドルレールの厚みが35mm)と薄型タイプ(ミドルレールの厚みが27mm)
  • ・通しボルトのタイプ:貫通タイプと中吊りタイプ
  • ・高さ:50mm~210mm
  • ・長さ:2,500mm・5,000mm・6,500mm・9,700mmなど
  • ・構造:外溝(標準)と中溝(外出し)

上記に加え、ラッシングレールを取り付けられるタイプなど、用途に応じた仕様も用意されています。アルミブロックは、トラックの架装条件に合わせて適切なタイプを選ぶことが重要です。

なお、アルミブロックは各メーカー間では嵌合部の形状が異なるため、互換性がありません。
さらに、同じメーカーであっても、標準タイプと薄型タイプなどタイプに違いがある場合には互換性がない点に注意が必要です。
修理や交換の際には必ず、メーカーと仕様、タイプを確認しましょう。

【標準タイプ、外溝(標準)の例】
標準タイプ、外溝(標準)の例
出典:4-バン・ウイング部材|日本ボデーパーツ工業株式会社

【薄型タイプ、中溝(外出し)、ラッシングレール設置用の例】
薄型タイプ、中溝(外出し)、ラッシングレール設置用の例
出典:4-バン・ウイング部材|日本ボデーパーツ工業株式会社

トラックのアルミブロックの組み立て方式

アルミブロックは、構成部材の固定方法によって「通しボルト式」と「嵌合式」の2種類に分けられます。それぞれの組み立て方式について解説します。

通しボルト式

通しボルト式は、のちほど紹介する「日軽アルミブロック」や「MAアルミブロック」に採用されている組み立て方式です。アルミブロックに500mm間隔で穴が設けられており、そこに通しボルトを通して座金やナットで固定します。

すべての穴に通しボルトを通すことで高い強度を確保できるため、嵌合式よりも締結強度が高いと評価する架装業者様もいます。一般的に、1,000mmを超える高さのアオリを構成する場合には、この通しボルト式が採用されます。

嵌合式

嵌合式は、のちほど紹介する「UACJアルミブロック」に採用されている組み立て方式で、通しボルトを使用せず、各部位のアルミブロックを嵌め込んで固定します。

嵌合式は、ボルトやナットを使用しない分だけ軽量化が可能です。また、通しボルトを使わないため、通しボルトの位置を避けて蝶番の取付位置を調整する必要がない点もメリットです。

アッパーレール・ミドルレール・ロアーレールを嵌め込む際には、「セッター」と呼ばれる専用機械が必要です。セッターは工具のバイス(万力)のような装置で、一般的にメーカーのみが保有しています。

架装業者様が自身で組み立てる場合は、ラッシングベルトで締め付けて均等に力をかけ、アルミブロックをゴム板で保護してから、木ハンマーを使って叩きながら嵌め込むなど、高いノウハウが求められます。

架装工数を削減したい場合は、アッパー・ミドル・ロアーの各レールをあらかじめ嵌め込んだ「面体」と呼ばれる納品方式もあります。別途工賃はかかりますが、面体なら、長さを調整し、インナーカバーとコーナーポストを設置するだけでアオリが完成します。

ただし、嵌合式は強度確保のためにしっかりと固定される構造上、組み立て後の分解はできません。ミドルレールなど一部のみを交換する際は、嵌合部分を丸ノコで切断してから新しい部材を嵌め込む必要があります。通しボルト式よりも作業工数が大幅に増える点に注意が必要です。

トラックのアルミブロックを製造する代表的なメーカー

アルミブロックを製造するメーカーのなかから、代表的な3社をご紹介します。

日軽金アクト株式会社

日軽金アクトは、日本軽金属ホールディングスのグループ企業で、「日軽アルミブロック」と呼ばれるトラック用アルミブロックを製造・販売しています。

日本軽金属ホールディングスは、いすゞ自動車と共同でトラックボディメーカーの大手・日本フルハーフを設立しています。日本フルハーフのトラックボディは、「日軽アルミブロック」が標準仕様です。そのため、日軽アルミブロックは、トラック用アルミブロックのなかでも業界トップのシェアを誇っているといえます。

日軽金アクト株式会社
画像出典:信和自動車工業株式会社

なお、「日軽アルミブロック」の標準タイプでは通しボルト式が採用されています。アッパーレールとロアーレールの両方にインナーカバーを備え、上下を座金とナットで固定する構造が特徴です。

一部の薄型タイプでは、嵌合式もラインナップされています。

参考:日軽金アクト株式会社

株式会社UACJ

UACJは、2013年に古河スカイと住友軽金属工業が経営統合して誕生しました。UACJの 「UACJアルミブロック」は、かつて住友軽金属工業が製造・販売していた住友アルミブロックをルーツにもちます。

「UACJアルミブロック」では、住友アルミブロックの時代から嵌合式が採用されており、軽量性と強度を両立しているのが特徴です。

参考:株式会社UACJ

MAアルミニウム株式会社

MAアルミニウムは、2022年、親会社である三菱マテリアルが事業をアルテミラへ譲渡し、同年に三菱アルミニウムから事業を承継する形でスタートしました。

MAアルミニウムが扱うトラック用アルミブロックは、かつて三菱アルミニウムが製造・販売していた「三菱アルミブロック」を継承しており、現在では「MAアルミブロック」として販売されています。

「MAアルミブロック」は通しボルト式ですが、貫通タイプと中吊りタイプがあります。貫通タイプは、トップレールとボトムレールを通しボルトで貫通させ、ナットで固定する方式です。

一方、中吊りタイプは、トップレール下側で通しボルトを掛け、ボトムサイドカバー内側で座金とナットで固定する方式です。

【貫通タイプ】
貫通タイプ
出典:4-バン・ウイング部材|日本ボデーパーツ工業株式会社

【中吊りタイプ】
中吊りタイプ
出典:4-バン・ウイング部材|日本ボデーパーツ工業株式会社

参考:MAアルミニウム株式会社

トラックのアルミブロックの価格

トラックのアルミブロックはメーカーによって価格が異なり、運賃がかかる場合もあります。また、アルミの地金の国際市況やアルミブロックの製造工賃は上昇傾向にあるため、時期によって価格が変動します。

以下は、「UACJアルミブロック」(2025年10月1日現在)の価格例です。

  • ・L=5,000mmのアッパーレール:約33,000円/本
  • ・L=5,000mmのアミドルレール:約28,000円/本
  • ・L=5,000mmのアッパーレール:約33,000円/本

ボディメーカーの純正品のアルミブロックは、大幅に高額となっています。アルミブロックを架装または修理・交換する際には、必ずトラックの架装・修理工場に事前に価格をご確認ください。

トラックのアルミブロックを取り扱う際のポイント

トラックのアルミブロックを使用するにあたり、知っておきたいポイントを解説します。

アオリに取り付ける蝶番は適切に選ぶ

蝶番(ちょうばん)は、トラックの「アルミブロック」と「荷台」とをつなぎ、開閉を支える重要な部品です。アルミブロックに取り付ける蝶番を選ぶ際は、以下のポイントに注意しましょう。

  • ・アルミブロックの構造と取付場所
  • ・アルミブロックのメーカー

以下で、選定時のポイントを詳しく解説します。

アルミブロックの構造と取付場所

アルミブロックの構造と取付場所
アルミブロックの構造は、「外溝(標準)」と「中溝(外出し)」の2種類に分けられます。

構造 取付場所 蝶番の種類
外溝 サイドアオリ 普通蝶番または段付きの普通蝶番
リヤアオリ 回転軸が下側にオフセットされるリヤ専用蝶番
中溝 サイドアオリ・リヤアオリ 逆蝶番

外溝と中溝はそれぞれ蝶番の取付位置や形状が異なるため、適切な蝶番を選ぶことが重要です。適切でない蝶番を使用すると、荷物の荷崩れやアオリの破損が起こり、作業者のケガにつながるリスクもあります。アオリブロックの構造と取付場所を必ず確認し、正しい蝶番を選定しましょう。

詳しくは以下の記事でも紹介しています。ぜひご覧ください。

>トラックのアルミブロック用蝶番とは?取付方法や選定方法を解説

アルミブロックのメーカー

同じ外溝(標準)のアルミブロックでも、メーカーによって適合する蝶番が異なるので注意しましょう。

外溝(標準)のアルミブロック

たとえば、「日軽アルミブロック」と「UACJアルミブロック」の場合、ロアーレール(ボトム)の蝶番取付部分の下側にツバが飛び出ています。したがって、蝶番のアオリ側(オス側)は段付のものを使用する必要があります。


ステンレスブロック蝶番 外溝 N型サイド φ13ピン R

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一方、「MAアルミブロック」の場合、ロアーレール(ボトム)の蝶番取付部分の下側はストレートです。そのため、蝶番のアオリ側(オス側)もストレートのものを使用します。
蝶番のアオリ側(オス側)


ステンレスブロック蝶番 外溝 S型サイド φ13ピン R

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素材の特徴に応じた使い方とメンテナンスを心がける

トラックのパーツに異常があると、思わぬ事故につながるかもしれません。パーツごとの素材の特徴を理解し、適切な用途で使用することが大切です。

アルミブロックはサビに強く見た目も美しい一方で、鉄製に比べると強度が劣ります。鋭利な荷物がぶつかると傷やへこみが生じたり、スクラップなどの重量物を積載した場合には変形したりする可能性があります。

傷やへこみ、変形が生じると、アオリの開閉にも支障が出るかもしれません。損傷や不具合が見られる場合は、無理に使用を続けず早めに修理しましょう。

アルミブロックに緩みや異常がないか、定期的に点検することも重要です。蝶番への注油など、メンテナンスも忘れずに行ってください。

まとめ

アルミブロックは、軽量でサビに強く、扱いやすいことから多くのトラックに採用されているアルミ製のアオリです。メーカーや仕様、タイプによって形状が異なるため、用途や車両に合った製品を選ぶことが大切です。

ヤマダボディーワークスでは、各種アルミブロック用蝶番をはじめ、取付や修理に必要な部品を幅広く取り扱っています。安全で快適な輸送のために、ぜひお役立てください。

なお、アルミブロックは車両に適合した商品選定が必要な為、トラック架装業者様にご相談いただく事をお勧めします。
アルミブロックのご購入や御見積ご希望の場合は、以下までお願いします。

・お電話の場合:054-261-7748
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