セイコーラックスプリングの機種選定方法を教えてください

2022年7月4日

Q:セイコーラックを平ボディのトラックのアルミブロックアオリに取り付けたいと思います。セイコーラックスプリングの機種選定方法を教えてください。またセイコーラックスプリングのSRC型とSRN700型の違いは何ですか?

A:セイコーラックのスプリングは、製造メーカーの自動車精工株式会社によりモーメントという数値でセイコーラックスプリングの能力に対応する標準的なアオリの材質及び構造、アオリの長さを定義しております

以下より、セイコーラックスプリングの機種選定方法と、スプリングのSRC型とSRN700型の違いをご案内します。またアオリバランサースプリングは、説明内の項目【モーメントとは?】【スプリング選定表の見方】は、同じルールにて機種選定が可能です。ご参考にしてみてください。
パワーラック、エクセレントのスプリングは、新規取付けには対応しておりません。補修パーツ対応の商品となっております。

アオリ開閉補助装置 セイコーラックのカテゴリ

アオリ開閉補助装置 セイコーラックのカテゴリ

モーメントとは?

モーメントとは、物体に加わった力が物体を回転させるときの力を表すもので、トルクとも表現されます。モーメントは、力と距離の掛け算によって計算され、【K N・m】もしくは【kgf・m】という単位で表記されます。

セイコーラックに当てはめますと、アオリを開く際にアオリの質量によって蝶番を中心に回転しようとする力がモーメントです。トラックのアオリの回転モーメントは、アオリが床面と水平になった時に最大になりますので、この時のモーメントからセイコーラックスプリングを選定します。

均一な素材でできていて、重心が中央に有るアオリが例

均一な素材でできていて、重心が中央に有るアオリが例

アオリを開く際に、アオリの質量Wによって蝶番を中心に回転しようとする力がモーメント

アオリを開く際に、アオリの質量Wによって蝶番を中心に回転しようとする力がモーメント M [N・m] = W [kg] × 9.8 [m/s2] × C [m]

アオリが水平の時、Cが最大

アオリが水平の時、Cが最大

スプリング選定における段付効率

  • アオリ段付量Aが大きい場合、スプリングの能力が低下します。
  • 以下の段付き効率ψの表を元に、次の式を使用し修正が必要です。
  • 修正モーメント:K [N・m] = Mmax [N・m] ×ψ

SRC型の段付き効率によるモーメントの修正

SRC型 普通型
アオリ段付き量 A 0mm 20mm 30mm 40mm
段付き効率 ψ 1.00 0.92 0.89 0.83

※横スクロール出来ます

SRC型 薄型
アオリ段付き量 A 5mm 10mm 15mm 20mm 25mm 30mm 35mm 40mm 45mm 50mm
段付き効率 ψ 1.00 0.99 0.98 0.97 0.96 0.95 0.93 0.92 0.90 0.87

※横スクロール出来ます

SRC型 超薄型
アオリ段付き量 A 15mm 20mm 25mm 30mm 35mm 40mm 45mm 50mm
段付き効率 ψ 1.00 0.99 0.98 0.97 0.96 0.94 0.92 0.90

※横スクロール出来ます

SRN700型の段付き効率によるモーメントの修正

SRN700型 普通型
アオリ段付き量 A 0mm 5mm 10mm 15mm 20mm
段付き効率 ψ 1.00 0.97 0.93 0.90 0.87

※横スクロール出来ます

SRN700型 薄型
アオリ段付き量 A 10mm 15mm 20mm 25mm 30mm
段付き効率 ψ 1.00 0.96 0.94 0.90 0.87

※横スクロール出来ます

SRN700型 超薄型
アオリ段付き量 A 10mm 15mm 20mm 25mm
段付き効率 ψ 1.00 0.98 0.94 0.92

※横スクロール出来ます

スプリングSRC型とSRN700型の違い

スプリング選定表の見方

スプリングSRN700型選定表より 例Q:アルミブロック高さ800mm、長さ6200mmの場合

  • A1:アオリの構造・材質の選定 ⇒➄~➆
  • A2:アオリの高さ(mm)の選定 ⇒➄
  • A3:アオリの長さの選定 ⇒長さ:6.2M(6200mm)が該当する枠を選択
  • A4:スプリング型式の選定 ⇒セイコーラックスプリング SRN750

セイコーラックスプリング選定表の見方

セイコーラック本体の調整ポイントA・Bの設定方法

セイコーラック本体には、てこの原理の支点を変更出来る機能があります

  • スプリング選定表の見方から調整ポイントを選定します。
  • 調整ポイントA若しくはBへ変更が必要な場合は、ばね軸とレバーとの連結位置を選定した調整ポイントに設定します。
  • 調整ポイントA・Bと、ばねカバー取付け用調整ポイントA・Bは同一にします。
  • 工場出荷時は、調整ポイントAに設定されております。

セイコーラック本体の調整ポイントA・Bの設定方法

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