トラックにバックブザーは後付けできる!手順や取り付け時のポイントを解説
2023年4月24日
バックブザーとは、トラックが後退(バック)するときに、「ピーピー」というアラーム音や「バックします」といった音声で歩行者などに注意を促す装置のことです。バックブザーが元々備わっていないトラックでも、後から取り付けられます。
バックブザーは工具があれば、自分でも取り付けが可能です。ただし、電気配線の加工や接続の必要があるため、難易度は高めです。こちらでは、バックブザーの取り付け方法や注意点を解説します。
目次
トラックにバックブザーを取り付ける方法
バックブザーを取り付けるために必要な工具や、基本的な手順を解説します。
バックブザーの取り付けに必要な工具
自分でバックブザーを取り付けるためには、以下の工具を準備しましょう。取り付け方法によっては、不要な工具もあります。
工具 | 用途 |
ラチェットレンチ メガネレンチ スパナレンチ など |
ボルトやナットを締めたり、緩めたりするための工具。バックブザー本体を固定するときに必要。 |
サーキットテスター | 配線の電圧や抵抗値を測定するテスター。車両配線の種類を調べるときに使用する。 |
プライヤー | エレクトロタップで配線を挟むときに使用する工具。 |
電工ペンチ | 配線の被膜を剥いたり、ギボシ端子を取り付けたりするために使用する工具。 |
バックブザーを取り付ける手順
バックブザーの取り付け行程は、大きく「本体の固定」と「配線の接続」の2つに分けられます。「本体の固定」はバックブザー本体を車両に取り付ける工程のことで、「配線の接続」は取り付けたバックブザーが作動するように、電源などの配線を車両配線に接続する工程です。
バックブザー本体の固定
最初にバックブザーの取り付け位置を確認します。バックブザーは基本的に車外(車室内以外)に取り付けるため、耐水性がある製品が多くなっています。ただし、タイヤが巻き上げる水がかかる場所や汚れが付きやすい場所は、バックブザーの劣化を早める可能性があるため、避けたほうが良いでしょう。
トラックのバックブザー本体は、トラックのシャーシのコの字の中のなるべく後方に、後ろを向けて設置します。この位置であれば、直接水がかかりづらく、後方にブザーが聞こえやすくなるためです。また、左折時のボイスアラームもある製品では、キャビン(人が乗る部分)と鳥居(架装の前端)の間のすき間、左側の下部に設置することもあります。
取り付け位置が決まったら、シャーシの既存の穴とバックブザー本体の穴にボルトを通し、反対側からナットとワッシャーを取り付けます。ラチェットレンチなどの工具で、ナットを締めることで固定されます。
配線の接続
バックブザーの配線には、プラス(電源)コードとマイナス(アース)コードがあり、プラスコードは車両のバックランプの配線に接続します。バックランプの車両配線はシフトをバックに入れたときのみ通電するため、バックブザーの配線を接続することでバック時のみブザーが鳴るようにできます。バックブザーの配線を車両配線に接続するときは、エレクトロタップを使うと作業が簡単です。
マイナス(アース)の配線には「クワ型端子」を取り付け、ボディアースに接続します。シャーシなどの車体に取り付けられているボルトを一度緩め、クワ型端子を間に入れて締め込むことでアースを接続できます。
減音、消音機能が付いているバックブザーは、テールランプの車両配線に減音もしくは消音の配線を接続しましょう。テールランプのON/OFFに合わせて音量が制御されるため、夜間(テールランプON時)はバックブザーを静かにできます。
製品によって取り付け方法が異なるため、必ず製品の取り扱い説明書に則り、取り付けを行ってください。
バックブザーの後付けに関するポイントと注意点
トラックにバックブザーを取り付けるときの注意点を解説します。
減音・消音機能があるバックブザーを選ぶ
バックブザーを選ぶときは、減音・消音機能が必要かどうかを検討しましょう。バックブザーはトラックの安全性を高めるメリットがある反面、大きな音が発生するため、夜間の騒音問題に発展する可能性があります。
減音・消音機能が備わっているバックブザーなら、昼間は通常通り作動して夜間は音量を下げる、もしくは鳴らなくすることが可能です。正確には、テールランプのON/OFFに連動するため、ライトを点灯させることで音量の制御ができます。
減音・消音機能がないバックブザーでも、スイッチを追加することで消音効果を持たせることが可能です。しかし、運転席まで配線を伸ばす必要があるため、取り付けの難易度が上がります。
例えば、減音・消音機能があるバックブザーには、このような製品があります。
バックアラーム BA3301500 (12/24/48V共用) 単音・減音・消音
1つのバックブザーで配線の接続を変えることで、「減音・消音なし」「減音仕様」「消音仕様」の3パターンから自分の好みに合わせて選択できます。
2,695円
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購入前にアラーム音を確認する
バックブザーには様々な製品があり、「ピーピー」や「バックします」といったシンプルなものだけでなく、ユニークなメロディや音声が流れるものも存在します。
個性的なバックブザーは業務用では使用しづらい場合もあるため、購入する前にどのような音が鳴るのか確認したほうが良いでしょう。
配線の接続方法に注意する
バックブザーの配線にはプラスとマイナスの向きや接続する車両側の配線が決まっているため、間違えると作動しない場合があります。
配線を接続するときは、配線の太さに注意しましょう。配線の太さには、いくつかの種類があるため、太さに合ったエレクトロタップを使用する必要があります。
配線には「0.2スケア」「0.5スケア」「0.75スケア」などの種類があり、数字が大きいほど配線が太くなります。配線の太さに合わないエレクトロタップを使用すると芯線にしっかり噛まず、接触不良により導通しなかったり、配線が断線したりする恐れがあります。
また、ボディーアースの配線を接続するときにも注意点があります。電源線がしっかり接続されていてもアース線の接続を誤り、導通していないとバックブザーは鳴りません。
ボディーアースを接続するボルトはどれでも良いわけではなく、車体の金属部分に繋がっているボルトを選んでください。樹脂パーツに繋がっているボルトや、塗装されているボルトは導通しない可能性があります。
配線には防水処理を施す
バックブザーは車外に取り付けるため、本体や配線が雨水で濡れるため防水加工が必要です。配線をエレクトロタップやギボシなどで接続した部分は、そのままにしておくと毛細管現象により本体まで水が浸水してしまい、故障の原因になります。
配線から浸水しないようにするには、防水コネクターを使用したり、防水収縮チューブで接続部を覆ったりするという方法があります。通常の(防水性のない)ギボシ端子やエレクトロタップにビニールテープを巻くだけでは、防水性が不十分な場合があります。
バックブザーはヤマダボディーワークスへ
バックブザーを取り付けることで、トラックの後退時の安全性を高めることができます。トラックは構造上死角が多くなってしまうため、バックブザーで周囲の人へ注意喚起することは、とても効果的です。
バックブザーは元々備わっていないトラックでも、後付けで取り付け可能です。自分で取り付けを行うことができれば部品代以外に費用がかからないため、低コストでバックブザーを追加できます。
ヤマダボディーワークスでは後付けできるバックブザーを取り扱っているので、バックブザーの追加を検討されている方はぜひご活用ください。
デンソー ボイスアラーム 100689-0050 12/24V共用
左折時とバック時に、以下の音声及び信号音を鳴らすブザーです。信号音だけでなく音声で具体的な注意をするため、周囲へ効果的に注意喚起を行えます。
・左折時
「ピロピロピロ、左へ曲がります。ご注意ください」
・バック時
最初「車が動きます。ご注意ください。ピーピーピー」
以降「バックします。ご注意ください。ピーピーピー」
12,540円
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バックアラーム BA3301500 (12/24/48V共用) 単音・減音・消音
バック時に「ピーピーピー」という信号音を鳴らすブザーです。減音仕様(音量を下げた状態)や消音仕様に切り替えられるため、夜間の住宅街などで騒音が気になるときでも安心して使用できます。
配線方法により、「減音/消音なし」「減音仕様」「消音仕様」の3種類の発音パターンを選択できます。
2,695円
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