トラックの車検対応ナンバーステーの正しい取り付け方法
2025年4月3日
トラックの架装にはさまざまな種類があり、同じ車種でもナンバープレートの取り付け位置は統一されていません。しかし、ナンバープレートやナンバーランプは、取り付け位置や照度が法令によって厳しく定められており、法令に従って取り付ける必要があります。
こちらの記事では、ナンバープレートの取り付け位置を変更する際の注意点や、車検に対応するナンバーランプやナンバーステーについて解説します。
- ・トラックのリヤナンバープレートを取り付ける際の注意点
- ・ナンバーランプやナンバーステーの正しい選び方
目次
【シチュエーション別】トラックのナンバーの取り付け方法
トラックは、架装時にリヤのナンバープレートの取り付け位置を変更することがあります。しかし、視認性を確保するため、ナンバーランプの取り付け角度や照度に関して法的な基準があります。
したがって、ナンバープレートの位置を変更する際に、ナンバープレートとナンバーランプの位置関係をずらしたり、ナンバーランプやナンバーステーを違うものに交換したりすると、法的な基準を満たさなくなる恐れがあるのです。
ここからは、ナンバープレートの位置を変更する際の注意点を、純正のナンバーステーを使用する場合と使用できない場合に分けて、それぞれどのように対応すればよいかを解説します。
純正のナンバーステーが使用できる場合
ナンバープレートの位置を変更する場合でも、元々付いている純正のナンバーステーを使用することができ、なおかつナンバーランプもそのままの位置関係で使用する場合は、法的な問題はありません。純正の状態でのナンバーランプは照度試験をクリアしており、そのままの位置関係で動かす分には問題がないからです。
ただし、純正のナンバーステーが使用可能でもナンバーランプを社外品に交換する場合は、適合性を証明できなくなってしまいます。ナンバーランプを社外品に交換する際は、車検に対応するランプとステーに交換する必要があることを覚えておきましょう。
純正のナンバーステーが使えない場合
ナンバープレートの位置を変更する際に、純正のナンバーステーを使用できない場合があります。例えば、格納式および通常のリフトゲートを付ける場合や、埋め込み式テールランプに交換する際は、純正のナンバーステーを使用できません。
その場合は、社外品のナンバーステーを取り付ける必要がありますが、社外品のナンバーステーは法的な基準を満たしたものを選ばなければなりません。社外品を使用する場合のナンバーランプとナンバーステーの選び方は、以下で詳しく解説します。
社外品のナンバーステーの選び方
純正品のナンバーステーを使用しない場合は、車検に対応する社外品のナンバーステーを使用することで法的な基準を満たせます。ただし、2020年に法改正が行われ、新規登録が2020年9月15日以前か以降かで基準が異なるので注意してください。
2020年9月14日以前の新規登録車の場合
2020年9月14日以前(法改正前)のナンバーステーは、A型・B型・C型・D型などの車検対応ステーに「LSL-1009AV LEDナンバーランプ」や「日野大型純正型ナンバーランプ」などのナンバーランプを使用していました。
これらのナンバーランプにはEマークが付いていませんが、法改正前に登録されている車両に使用するのは問題ありません。
なお、ヤマダボディーワークスでは、現在これらの商品の取り扱いはありません。
2020年9月15日以降の新規登録車の場合
2020年9月15日(法改正後)以降に新規登録(中古新規登録を含む)した車両は、現行の基準を満たした、ECE R4の技術基準を満たした(Eマーク付きの)ナンバーランプを取り付ける必要があります。
ナンバーランプを取り付ける際は、ナンバープレートを適切に照射できるよう、定められた位置関係を守って取り付けましょう。
なお、Eマーク付きのナンバーランプには、以下の2種類があります。
- ・防水コネクタ付きのナンバーランプ
- ・コネクタなしのナンバーランプ
防水コネクタ付きのナンバーランプ
防水コネクタ付きのナンバーランプは、専用のハーネスと組み合わせることで、配線の接続と防水処理を一度に行えます。コネクタを差し込むだけなので、作業の難易度が低く、作業時間が短縮できるというメリットがあります。
なお、ナンバーランプのコネクタは、車両側のコネクタに直接接続できない点に留意が必要です。必ず専用の変換ハーネスを使用のうえ、接続してください。
特に、以下の車両においてLEDナンバーランプ(LSL-1014AV)を取り付ける場合、ナンバーランプの配線と接続した専用のハーネスと車両の配線の間に、抵抗割り込みハーネス(LEDナンバーランプ用抵抗器)の接続が必要となるので注意しましょう。
- ・テールランプがLED仕様の日野大型・中型にLEDナンバーランプ(LSL-1014AV)を取り付ける場合
- ・ふそう小型車(ブルーテック以降のキャンター)にLEDナンバーランプ(LSL-1014AV)を取り付ける場合
日野大型・中型、ふそう小型車(ブルーテック以降のキャンター)にLEDナンバーランプ用抵抗器を取り付けなかった場合、球切れ警告灯が点灯します。さらに、2017年5月以降の日野大型・中型車両においては、本来キーオンと同時に常時点灯するデイライトが点灯しなくなります。
このような不具合が発生するため、上記の車種には必ずLEDナンバーランプ用抵抗器を接続してください。
コネクタなしのナンバーランプ
コネクタなしのナンバーランプは、汎用性が高いというメリットがある一方、作業工数が多く、さらに防水処理を確実に行う必要があります。
防水処理が不適切な場合、配線の接続部から水が侵入し、毛細管現象によってナンバーランプ本体が浸水してしまうからです。LEDの基板などは水分に弱いため、故障につながる原因となります。
防水加工の方法は以下のコラムで詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
>マーカーランプには水が入りやすい?防水加工時の注意点を解説
社外品のナンバーステーに関するポイント
社外品のナンバーステー購入時に試験成績書を受け取った場合、紛失しないよう、適切に保管することが求められます。
試験成績書は、ナンバープレートの配光・入射角度を測定し、その適合性を認められた製品に付与される証明書です。車検時に試験成績書を提示することで、保安基準の適合性を証明できます。
ヤマダボディーワークスで扱っているJBの車検対応ナンバーステーは、一般財団法人日本車両検査協会による測定を受け、試験成績書を取得しています。
なお試験成績書は、「ナンバープレート・ナンバーステー・ナンバーランプ」のセットで証明する場合と、「ナンバーステー・ナンバーランプ」のセットで証明する場合とでは、番号が異なるので気をつけましょう。車両ごとの取り付け状況に合わせて、必要な試験成績書を用意する必要があります。
まとめ
トラックのナンバープレートやナンバーランプの取り付け方法は、法令によって厳しい基準が設けられています。ナンバープレートの位置を変更する際は、必ず基準に適合するように取り付けなければなりません。
ヤマダボディーワークスでは、車検に対応しているナンバーランプやナンバーステーを取り扱っています。車検対応ナンバーステーは試験成績書も取得しており、新規登録時や車検時に保安基準に適合することを証明できます。ぜひご活用ください。