輪留めとは?必要性や使い方について徹底解説

2024年1月15日

輪留めは停車中のトラックが勝手に動かないように、タイヤの回転を止める道具のことです。パーキングブレーキを引いていれば輪留めがなくても問題ないと思われがちですが、停車中の無人のトラックが動いてしまい事故につながってしまうケースが跡を絶ちません。

こちらでは、輪留めの必要性や、正しい使用方法などを解説します。輪留めを使用してもサイズが合っていなかったり、使用方法を誤っていると思わぬ被害を生むことがあるため、ぜひ参考にしてください。

トラックの輪留めとは

トラック 輪留め

トラックの輪留めは、トラックのタイヤの回転を止めるために、タイヤと地面の間に置く道具です。輪留めを使用する習慣をつけることで、停車中のトラック事故の防止につながります。

輪留めの必要性

輪留めは停車中のトラックの事故を防ぐために有効な道具です。停車中の無人のトラックが坂道などで勝手に動き出してしまうと停止させる術がないため、壁などの障害物に激突するまで暴走してしまいます。実際に輪留めを使わなかったことで、動き出したトラックに挟まれた人が死亡してしまう痛ましい事故も発生しています。

停車中のトラックは、パーキングブレーキをかけておけば基本的には動きません。しかし、パーキングブレーキを引くのを忘れてしまったり、引く力が弱かったりすると十分な制動力が得られないことがあります。特に、多くの荷物を積載したトラックは重量があるため、急な坂道で停車しているとしっかりパーキングブレーキをかけたつもりでも勝手に動き出してしまうことがあります。

パーキングブレーキはドライバーが日常的に何回も操作する必要があるため、ヒューマンエラーが発生する可能性は否定できません。また、パーキングブレーキの故障に気づかないことで、事故が起こるおそれもあります。

現在、輪留めの使用を義務付ける法令などはありません。しかし、万が一に備え習慣的に輪留めを使用することで、日常業務をより安全に行うことができるでしょう。
>トラック車輪止め/歯止めは車検時に必要ですか?

輪留めの効果

輪留めをタイヤと地面の間に設置することで、タイヤの回転を止めることができます。万が一、パーキングブレーキが効いていなくても、輪留めを設置することでトラックが勝手に動いてしまうことを防げます

特に多くの荷物を積載した状態で坂道に停車する場合は、パーキングブレーキをかけていても重力によって坂道を下る方向に力がかかってしまうため、勝手に動いてしまうリスクが高いです。このような場面でも、輪留めをすることで、安心して荷役作業を行うことができます。

車輪止め・歯止め・輪止め・車止めとの違い

輪留めは「車輪止め」「歯止め」「輪止め」「車止め」などと呼ばれる場合もありますが、全て同じものを指す言葉です。

輪留めの使い方・使用時の注意点

輪留めは正しく使用しないと、タイヤの回転を止められない可能性があります。トラックが輪留めを弾き飛ばして、思わぬ事故につながることもあります。ここでは、輪留めの正しい使用方法や、使用時の注意点について見ていきましょう。

トラックの輪留めの使い方

トラックの輪留めは、タイヤと地面の間に挿し込むように置いて使います。平坦に感じる道路ではトラックが前後のどちらに動くか分からないため、タイヤの前後に1つずつ挟むように設置しましょう

輪留めには上下方向が決まっており、平らになっている方を下(地面側)、カーブになっている方を上(タイヤ側)になるように向けて設置してください。輪留めがタイヤに対して斜めにならないように、前後の輪留めとタイヤが一直線になるように設置することがポイントです。

輪留め使用時の注意点

輪留めを使用する際は、以下の3つの注意点に気をつけてください。

適切なサイズの輪留めを使う

輪留めにも大きさによって種類があるため、それぞれのトラックのサイズに適した輪留めを使用してください。大型トラックに小型の輪留めを使用すると、タイヤが輪留めを乗り越えてしまう可能性もあります。輪留めのサイズについては後ほど解説します。

サイドブレーキをしっかりかけた状態で使用する

輪留めはトラックの制動力を保証するものではないため、サイドブレーキをしっかりかけている状態で使用してください。また、輪留めだけでトラックが停車している状態だと、輪留めを外した瞬間にトラックが動き出すこともあるため危険です。

置き忘れ、紛失に注意

輪留めを設置していることを忘れてしまい、そのまま発進してしまうと、輪留めを現場に置き忘れてしまって紛失することがあります。また、輪留めを設置している状態でトラックを発進してしまうと、輪留めがタイヤに弾かれて飛んでしまうことがあるため危険です。

目立つ色の輪留めを使用することで置き忘れる可能性を下げることもできますが、確実に防止するためには「トラック車輪止め/歯止め用引っ掛けロープ」の使用がおすすめです。ロープをドアミラーやドアノブに引っ掛けておくことで、トラックに乗り込む際に視界に入るため、輪留めを確実に回収することができます。そのまま発進したとしても、輪留めが車両とロープでつながっているため、飛んでいくことを防ぐことができます。


トラック車輪止め/歯止め用引っ掛けロープ L=1300mm

1,485円

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トラックの輪留めの種類

輪留めには、大きさと素材によって複数の種類が存在します。トラックのサイズや使用目的によって、最適な輪留めが異なります。

輪留めのサイズ

輪留めのサイズは大きく分けて2種類あり、大きいサイズの輪留めは大型・中型トラック、小さいサイズの輪留めは小型トラック・乗用車に使われることが一般的です。トラックのサイズに合わせて適切なものを選ばないと、輪留めの効果がない場合があります。

大型・中型トラックに使われる輪留め

大型・中型トラックに多く使われる輪留めのサイズは、以下のとおりです。ただし、製品によって誤差があることに留意しておきましょう。ヤマダボディーワークスで扱っている製品には、製品名に(大)の表記があります(一部例外有り)。

  • ・幅:120mm
  • ・高さ:130mm
  • ・長さ:240mm

上記の輪留めを小型トラックや乗用車に使用しても、輪留めとしての効果に問題ありません。しかし、小さい輪留めと比較すると重いので使用性が劣ったり、収納時にスペースが必要だったりといったデメリットがあります。

小型トラック・乗用車に使われる輪留め

小型トラック・乗用車に多く使われる輪留めのサイズは、以下のとおりです。こちらも製品ごとに誤差があるため、目安として捉えてください。ヤマダボディーワークスで扱っている製品には、製品名に(小)の表記があります。

  • ・幅:100mm
  • ・高さ:120mm
  • ・長さ:220mm

小さいサイズの輪留めを大型トラックに使用すると、タイヤが輪留めを乗り越えてしまう可能性があります。大型。中型トラックには、大きいサイズの製品を使いましょう。

輪留めの素材

輪留めの素材は何種類かあり、それぞれ特徴が異なります。ここでは、代表的な5つの素材について見ていきましょう。

プラスチック製

プラスチック製の輪留めは、軽量で、腐食しづらいことがメリットです。価格も比較的安価なので購入しやすく、黄色などの目立つカラーの製品もあります。しかし、ゴム製や木製の輪留めと比較すると滑りやすいため、路面状況や設置角度によっては、効果を十分に発揮できない場合がある点がデメリットです。

ハイプラと呼ばれる、廃棄されたプラスチックをリサイクルして作られている製品も多く存在します。輪留めに使われるハイプラは、PP樹脂(ポリプロピレン)とPE樹脂(ポリエチレン)を混ぜてリサイクルされた素材です。

ポリエチレン製

PE樹脂(ポリエチレン)はプラスチックの一種で、合成樹脂に分類される素材です。ポリエチレン製の輪留めは軽量で安価、カラーバリエーションが豊富です。ハイプラの製品と比較すると、安価で軽量という特徴があります。

ゴム製

ゴム製の輪留めは摩擦力が高いため、滑りにくい点がメリットです。タイヤや地面とのグリップ力が高いため、輪留めの効果が安定しやすいです。しかし、プラスチック製の製品と比較すると重いため力が弱いドライバーには扱いづらかったり、価格が比較的高価であるというデメリットがあります。

木製

木製の輪留めのメリットは滑りにくい点です。しかし、経年劣化によって腐食したり割れたりするおそれがあり、適切な手入れや保管をしないと使用できなくなる場合があります。また、手作りで制作されるため価格が高価になりやすいデメリットがあります。

金属製

金属製の輪留めにはコンパクトに折りたためる製品があり、持ち運びしやすいというメリットがあります。しかし、濡れた路面で滑りやすかったり、製品によってはサビが発生してしまう点がデメリットです。

ヤマダボディーワークスでおすすめのトラックの輪留め製品

ここでは、ヤマダボディーワークスで扱っている、おすすめの輪留めを紹介します。輪留めの使用が便利になる付属製品もあるので、ぜひ参考にしてください。

トラック車輪止め/歯止め ハイプラ製(小)黒色

輪留めハイプラ製黒色

小型トラックや乗用車に使用できる、ハイプラ製の輪留めです。ハイプラの輪留めは比較的軽いため、持ち運びや設置が楽にできるのが特徴です。耐久性が高く腐食する心配もないため、一度購入すれば長期間使用できます。


トラック車輪止め/歯止め ハイプラ製(小) 黒色

1,166円

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>ハイプラ(廃プラ)とは何ですか?

トラック車輪止め/歯止め ハイプラ製(大) 新型

歯止めハイプラ製(大)新型

素材がハイプラでできている、大きいサイズの輪留めです。大きいサイズなので中型トラックや大型トラックにも使用できます

輪留めは使用後に外し忘れることがありますが、黄色で目立ちやすい本製品を使うだけで、外し忘れのリスクを下げることができます。


トラック車輪止め/歯止め ハイプラ製(大)新型 黄色

990円

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サンコー タイヤストッパーPE製 サングリップ

タイヤストッパーサングリップ

ポリエチレン製の、中型トラックや大型トラックにも使用できる大サイズの輪留めです。ポリエチレンは軽い素材のため、0.7kg/個となっており女性や高齢のドライバーでも扱いやすいのが特徴です。

ポリエチレン製は滑りやすいというデメリットがありますが、この製品は裏側に滑り止めが付いているため、滑りづらくなっています。


サンコー タイヤストッパー 黄色 PE製 サングリップ

946円

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トラック車輪止め/歯止め用引っ掛けロープ

トラック引っ掛けロープ

輪留めの外し忘れを防止するためのロープです。リング状になっている先端を輪留めに結び、反対側のフックをドアノブやドアミラーなどに引っ掛けることで輪留めを現場に置き忘れる心配がなくなります。

輪留めのなかには、元から短いロープが付いている製品もありますが、短いロープはドアノブやドアミラーに届かないこともあるでしょう。本製品を合わせて使うことで、フックを引っ掛けることができるようになるため利便性が向上します。


トラック車輪止め/歯止め用引っ掛けロープ L=1300mm

1,485円

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トラック車輪止め/歯止め 2個組用ロープ 単体 L=1200mm

トラック2個組用ロープ

単体の輪留めを、2個組(2個セット)にするためのロープです。輪留めはタイヤの前後に設置するため、必ず2個セットで使用します。2つの輪留めをロープで繋げておくことで、使用する際に一度に見つけたり運んだりすることが可能です。

ロープで輪留めを2個組にしておくことで、利便性が上がるだけでなく、ロープをドアノブなどに引っ掛けておくことで置き忘れ防止にもなります。


トラック車輪止め/歯止め 2個組用ロープ 単体 L=1200mm

836円

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車輪止め/歯止めステー

歯止めステー

使用していない輪留めを収納できるステーです。サイドバンパーなどのトラック側面に取り付けることで、輪留めを引っ掛けるように収納できます。スプリング付きのアームを輪留めに引っ掛けることで、走行中の飛び出しを防ぐことができます。

輪留めを固定しやすいように、「車輪止め/歯止めステー」より大きなサイズの2.3mm程度の鉄板と組み合わせて、サイドバンパーの内側などに設置することが一般的です。


車輪止め/歯止めステー 【ハイプラ製(大)新型専用】

2,310円

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>車輪止めステーの取付方法及び収納方法を教えて下さい

この「車輪止め/歯止めステー」は、ヤマダボディーワークスで販売している「トラック車輪止め/歯止め ハイプラ製(大)新型 黒色」「トラック車輪止め/歯止め ハイプラ製(大)新型 黄色」に対応しています。また、「車輪止め/歯止めステー」は製品によって適合する輪留めが異なります。

ヤマダボディーワークスにお問い合わせいただければ、適合する組み合わせをお答えしますので、ぜひお問い合わせください。

万が一の事故を防ぐためにも輪留めを使用しよう

輪留めは、停車中のトラックのドライバーや、周囲にいる人たちの安全を守るために欠かせない道具です。輪留めを使用しなかったことで、停車中のトラックが暴走してドライバーが死亡するという痛ましい事故が実際に起こっています。

なお、輪留めはトラックのサイズに合ったものを選び、適切な手順で使用してください。ヤマダボディーワークスでは、トラックのサイズに応じた様々な輪留めや輪留めステー、輪留め用のロープなどの付属部品を販売しております。ぜひご検討ください。