キャリアカーとは?種類や主な架装メーカーについて解説
2024年11月5日
キャリアカーは、オートバイや自動車などの車両を運搬するために設計されたトラックです。キャリアカーには、1台だけ積載できる比較的小さいタイプから、6〜8台の車両を一度に輸送できるような大型のトレーラーまで、さまざまな種類があります。
この記事では、キャリアカーの種類や特徴について詳しく解説し、キャリアカーに関するよくある疑問にもお答えします。さらに、キャリアカーを使用する際に役立つおすすめのアイテムもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ヤマダボディーワークスではキャリアカーにも活用できるトラックパーツをご用意しています。ぜひ一度ご覧ください。
- ・キャリアカーの種類
- ・キャリアカーに関するよくある疑問
- ・キャリアカーにおすすめの商品
キャリアカーとは?
キャリアカーとは、自動車やバイクなどの車両を運搬するトラックのことです。「車両運搬車」「カーキャリア」「カートランスポーター」などの別名があります。一般的に新車や中古車を販売前に輸送する際に使われています。
キャリアカーは、積載する車両の種類に応じて制作されるため、輸送業者ごとの使用用途に応じてオリジナルの仕様であることが特徴です。中にはブルドーザーやショベルカーなどの重機を運搬するための、重機運搬車という種類もあります。
また、キャリアカーには名称や役割が似ている車両があるため、誤認されることがあります。キャリアカーと混同しやすい他の車両との違いについても詳しく見ていきましょう。
キャリアカーと貨物車の違い
貨物車とは、荷物を運ぶための車両全般を指す総称であり、その中にキャリアカーも含まれます。つまり、キャリアカーは貨物車の一種です。貨物車には、他にも平ボディやウイングのようなトラックや、ハイエースのようなバンなど、さまざまな形態の車両があります。
また、キャリアカーは車両を積載するために設計されたトラックであるため、一般貨物を運搬する目的で使用することはできません。道路交通法 第57条(乗車又は積載の制限等)では、積載物について以下のように定めています。
車両の運転手は、当該車両について政令で定める乗車人員又は積載物の重量、大きさ若しくは積載の方法(以下この条において「積載重量等」という。)の制限を超えて乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。
引用:道路交通法|e-Gov 法令検索キャリアカーとレッカー車の違い
キャリアカーとレッカー車は、いずれも自動車を運搬する自動車です。しかし、用途や構造に大きな違いがあります。
レッカー車は主に故障や事故などで自走できなくなった自動車や、違法駐車車両を移動させる際に使われる車両です。不動車をけん引して移動させるため、レッカー車は車の前輪を持ち上げ、けん引するための装置を備えています
また、キャリアカーは荷台に車両を積載して運びますが、レッカー車は不動車をけん引して運ぶという違いもあります。
キャリアカーとトレーラーの違い
トレーラーとは、自走することができない被けん引車のことです。トレーラーにはエンジンが搭載されていないため、トラクターヘッドと呼ばれるけん引車に引っ張られることで機能します。トレーラーは貨物を積載することが主な役割であり、走行するトラクターヘッドと機能を分担しています。
一方、キャリアカーは自動車などの車両を運ぶトラックのことです。ただし、キャリアカーの中にもキャリアトレーラーという、トレーラータイプの車両が存在します。
トレーラーには、他にもコンテナトレーラーやタンクトレーラーなど、さまざまな種類があります。
キャリアカーの種類
キャリアカーの種類は、車両の構造から大きくトラックタイプとセミ・フルトレーラータイプに分類できます。それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
トラックタイプ
トラックタイプのキャリアカーとは、荷台部分がトラックと一体型になっているタイプの車両のことです。また、トラックタイプのキャリアカーにもさまざまな種類が存在し、ローダーと呼ばれるタイプや、単車と呼ばれるタイプなどがあります。
ローダーとは荷台が前後にスライドし、傾斜することで車両をスムーズに積載できるトラックのことです。ローダーに積載できる台数は1台です。一般的な乗用車を運搬するローダーや、ブルドーザーやショベルカーのような重機を運搬するための重機運搬車もあります。
キャリアカーにおける単車とは、積載台数が2〜5台のトラックタイプの車両です。積載台数に応じて2台積みや5台積みなど、積載できる台数で呼ぶことがあります。
セミ・フルトレーラータイプ
セミ・フルトレーラータイプは、荷台部分(キャリアトレーラー)とトラクターヘッドが別れているタイプの車両です。トレーラーは車両を積載することが主な役割であり、自走できないため、トラクターに牽引してもらうことで機能します。セミ・フルトレーラータイプのキャリアカーは、積載できる台数が多いことが特徴です。トレーラーの仕様や積載する車両の大きさにもよりますが、乗用車を6〜8台積むことができます。
キャリアカーの主な架装メーカー
トラックの架装メーカーは数多くの企業がありますが、その中でもキャリアカーの製造を行っている架装メーカーの一部をご紹介します。
株式会社浜名ワークス
株式会社浜名ワークスは、主に特殊車両やトレーラーなどを行っている架装メーカーです。セミトレーラーやダンプトラックなどの開発や製造を行っており、中でも特にキャリアトレーラーにおいて高い製造技術があります。
極東工業株式会社
極東工業株式会社は、特装車などを製造する代表的なトラックの架装メーカーです。キャリアカーだけでなく、ダンプトラックやミキサー車など幅広い種類の架装を行っています。
古河ユニック株式会社
古川ユニック株式会社は、クレーン車の「ユニック」のメーカーとして有名です。ユニックキャリアという、荷台が後方にスライドするローダータイプのキャリアカーの製造も行なっています。クレーン付きのユニックキャリアもあります。
株式会社花見台自動車
株式会社花見台自動車は、荷台が後方にスライドするローダータイプのキャリアカーやダンプなどを製造している架装メーカーです。建機や重機を運搬するための車両や、ヒップリフターという荷台リヤオーバーハング部だけが傾斜する車両も製造しています。
AIBAWORKS
AIBAWORKSはトラックの架装や除雪装置、ルーフラックの製造を行っている企業です。AIBAWORKSでは建機や重機、農業機械を輸送するキャリアカーを製造しています。最大積載量が14,000kgもある大型トラックの架装もしています。
キャリアカーに関するよくある質問
ここからは、キャリアカーの使用時によく生じる質問に対して回答していきます。
キャリアカーの運転に必要な免許は?
キャリアカーはサイズや重量が大きいため、普通免許では運転できません。また、キャリアカーによって車両総重量や最大積載量が異なるため、必要となる運転免許の区分も異なります。それぞれの運転免許で運転できる範囲は、以下の表を参考にしてください。
<取得時期が平成29年3月12日以降の運転免許>
車両総重量 最大積載量 普通免許 3.5t未満 2t未満 準中型免許 7.5t未満 4.5t未満 中型免許 11t未満 6.5t未満 大型免許 11t以上 6.5t以上 さらに、セミ・フルトレーラータイプのキャリアカーを運転するためにはけん引免許が必要です。けん引免許とは、車両総重量が750kg以上の車両をけん引するために必要な免許です。セミ・フルトレーラータイプのキャリアカーのトレーラーは、車両総重量が750kgを超えるため、けん引免許がないと運転できません。
積んだ車はどうやって固定する?
キャリアカーに積載された車両は、輸送中に動かないようにワイヤー、ベルト、チェーンなどを使って荷台に固定します。
路上に駐車された自動車はシフトをパーキングに入れ、サイドブレーキをかけることで動かないようにできますが、キャリアカーに積載された自動車は、それだけでは固定が不十分です。キャリアカーが走行することで、荷台部分が大きく振動するためです。
積載された車両が確実に固定されていないと、走行中の振動や遠心力などで車が動いてしまい、積載車が傷ついたり、事故につながったりする恐れがあります。
運転時の注意点は?
キャリアカーは、車両総重量が重いうえに重心が高く、不安定になりやすいため、安全運転には通常の車両以上に注意を払う必要があります。余裕のある車間距離を保ち、急ブレーキや急ハンドルといった操作は避けることが重要です。
また、キャリアカーは空車時と積載時で、走行性能が異なります。積載時は重量が重くなるので、急ブレーキ、急ハンドルに対しての性能が大きく下がります。
また、積載後は車両の高さも変わるため、高架下など高さ制限がある道路では注意が必要です。キャリアカーが走行できない道路は事前に把握し、運転前に安全に走行できる運転経路を確認しておきましょう。
何台まで積載できる?
キャリアカーに積載できる台数は、以下のようになっています。
- ・ローダー:1台
- ・トラックタイプ:2~5台
- ・セミ・フルトレーラータイプ:6~8台
トラックタイプやセミ・フルトレーラータイプの中で積載台数に幅があるのは、それぞれのタイプの中でも車両によって仕様が異なるためです。また、積載する車両の種類によっても、乗せられる台数は変動します。
キャリアカーにおすすめの商品
ヤマダボディーワークスで扱っている、キャリアカーにおすすめの商品をご紹介します。
キャリアカーは構造上、テールランプを取り付けるスペースが少ないという特徴があります。そこで今回は、キャリアカーに取り付けやすい小型のテールランプをピックアップしました。
また、暗い場所での作業性が向上するワーキングランプや、積載車両を固定するために使用するフック、作業時の安全性を確保するための滑り止めテープも合わせてご紹介します。
コンビネーションランプ
JB LEDマルチコンビネーションランプ 橙赤白 R側
「高さ:115mm 幅:251mm」の横型のLEDテールランプ(ECE規格認証取得品)です。ハイフラ防止抵抗やカプラ(いすゞカプラ対応)が付いているため、車両への取り付け作業工数を減らすことができます。
JB LEDマルチコンビランプ 赤橙
「高さ:214mm 幅:75mm」の縦型のLEDテールランプ(ECE規格認証取得品)です。縦型のため左右兼用となっており、1個単位(片側)での販売です。専用のハイフラ防止抵抗が付いているため、配線をつなぐ際の作業工数を減らすことができます。
ワーキングランプ
LEDワーキングランプ 角型 LSL-1407YE 黄色 強化ブラケット (12/24/48V共用) 27W
ワーキングランプは、夕方や夜間の暗い車外で作業をするときに使われる灯火です。ヤマダボディーワークスでは、サイズや光源の種類(LEDやハロゲン)の異なるワークランプを扱っています。ハイパワーのLEDサーチライトから、ハロゲン小型ランプまでさまざまなバリエーションがあります。
防水トグルスイッチ IS-451WP ON-OFF (2P)
車外に設置して使用できる、防水性能を備えたスイッチです。ワーキングランプのON/OFFスイッチとして使用できます。ワーキングランプは走行中に点灯させないため、ワーキングランプと共に防水トグルスイッチを車外に設置して使うことができます。
フック
別口フック(中)セット 12.7mm
別口フックセットは、リングと押金(リングを固定するための金具)がセットになった商品です。キャリアカーは車両を荷台に固定するために、チェーンやフックなど多くの固定用具を使用します。別口フックセットをキャリアカーの荷台に取り付けることで、チェーンなどを引っ掛けて車両を固定することができます。
ダンプフック 12.7mm
ダンプフックは、キャリアカーの荷台の側面に設置できるフックです。ダンプフックを複数設置しておくことで、バイクなどを固定する際に任意の位置に固定具を引っ掛けられるため、作業の効率性が上がります。
滑らんテープ
滑らんテープ 25×5000mm 黒
滑らんテープは、表面がザラザラとした摩擦力の強いテープです。滑りやすい足場に貼ることでスリップしづらくなり、安全性を確保することができます。キャリアカーは車両を積載すると荷台に歩くスペースがなくなるため、荷台のふちを歩くことがあります。荷台のふちは滑りやすいため、転倒や落下につながる危険性がありますが、滑らんテープを貼っておくことで足元の安全性を確保できます。
まとめ
キャリアカーとは、自動車やバイクなどの車両を運搬するトラックのことです。荷台がスライドする1台積みのローダーというタイプや、6〜8台積載できるセミ・フルトレーラータイプなど、さまざまな種類があります。
ヤマダボディーワークスでは、キャリアカーにおすすめのテールランプやワークランプを取り扱っています。それぞれ多くのバリエーションがあるので、ぜひご活用ください。
また、ヤマダボディーワークスのYouTubeチャンネルでは、当社のお客様でパネルバンなどの貨物車にエレベーターゲートを付けて車両を積載できるように改造した事例を紹介しています。輸送中の雨風や飛び石から車両を保護できるため、高級車を輸送する際に活躍しています。
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