ダブルキャブとは?シングルキャブとの違いや代表的なメーカーを紹介
2024年12月3日
ほとんどのトラックは座席が1列しかありませんが、なかには「ダブルキャブ」という、後部座席があるトラックが存在します。ダブルキャブは、運転席と助手席の後ろにもう1列座席があり、5~7名が乗車可能です。
この記事では、ダブルキャブの特徴やシングルキャブ(座席が1列のトラック)との違いについて解説し、ダブルキャブに関するよくある疑問点についても答えていきます。
目次
ダブルキャブとは
ダブルキャブとは、トラックの乗車部分に座席が2列あるトラックのことです。トラックの人が乗車する部分をキャブ(キャビン)と呼びます。座席が2列あることから、ダブルキャブと呼ばれています。
ダブルキャブに対して、座席が1列しかないトラックをシングルキャブと呼びます。多くのトラックは、人よりも荷物の積載量を増やすことを優先しているためシングルキャブです。
ダブルキャブの主な用途・活躍の場
ダブルキャブは、荷物と同時に多くの人も移動する必要のある場面で活躍します。具体的には、建設業や土木工事などの現場への移動です。
こうした業界では、工具や資材などの荷物と同時に、多くの作業員も現場に移動しなければいけません。ダブルキャブを使うことで荷物と人員が効率よく運搬できるのです。
ダブルキャブとシングルキャブの比較
ダブルキャブとシングルキャブの大きな違いは、先述したとおり、乗車部分の座席です。シングルキャブは座席が1列しかないため2〜3人しか乗れませんが、ダブルキャブは5〜7人乗ることができます。
ダブルキャブとシングルキャブでは、キャブ(キャビン)の見た目にも違いがあります。ダブルキャブは座席の列が多いため、キャブがシングルキャブより長いです。ドアの数も、シングルキャブが左右1枚ずつの計2枚であるのに対し、ダブルキャブは後列用のドアも合わせて4枚のドアが備えられています。
一方で、ダブルキャブはキャブが長い分、荷台の長さはシングルキャブに比べて短めです。たとえばいすゞエルフ(標準)の場合、荷台の長さはシングルキャブが3,120mm、ダブルキャブは2,085mmと、1,000mm(1m)ほど差があります。ただし、なかにはロングボディや超ロングボディといった、荷台が長い仕様のダブルキャブもあります。
また、ダブルキャブはキャブの重量が重いため、荷台に積載できる荷物の量がシングルキャブに比べると少ない点も違いのひとつです。そのため、単に荷物の輸送だけに使用するトラックには、シングルキャブの方が適しています。
ダブルキャブを製造している代表的なメーカー
ダブルキャブを製造しているメーカーは、以下のとおりです。
- ・いすゞ自動車
- ・日野自動車
- ・三菱ふそう
それぞれのメーカーが製造しているダブルキャブの車種をご紹介します。
いすゞ自動車
いすゞ自動車では、エルフのダブルキャブを製造しています。エルフは主に小型トラックに分類される、いすゞ自動車のロングセラーモデルです。平ボディとダンプのダブルキャブがあります。
>いすゞ エルフ
日野自動車
日野自動車では、ダブルキャブのデュトロとレンジャーを製造しています。デュトロは主に小型トラック、レンジャーは中型トラックに分類される車種です。
三菱ふそう
三菱ふそうでは、ダブルキャブのキャンターを製造しています。キャンターは主に小型トラックに分類される車種です。
ダブルキャブに関するよくある質問
ダブルキャブに似ている車両やボディタイプなど、よくある疑問点について解説します。
ダブルキャブとピックアップの違いは?
ダブルキャブに似ている車両に、ピックアップがあります。トヨタのハイラックスという車種が代表的です。
ピックアップはダブルキャブと同様に、乗車部分と荷台部分が別れており、座席も2列あります。車両の骨格(シャーシ)が、どちらもラダーフレームというハシゴのような構造をしている点も共通しています。
ダブルキャブとピックアップの違いは使用目的です。ダブルキャブは貨物車として、多くの荷物や人員を運搬することを目的として設計されています。そのため、足回りにはリーフスプリング(板バネ)という強度の高く安定性の高い部品が使われています。
一方で、ピックアップは一般的に乗用車に近い用途で使われるため、乗り心地も重視して設計されています。フロントの足回りには、路面の凹凸からの衝撃を吸収するためのコイルスプリングや、スプリングの揺れを抑えるためのショックアブソーバーという部品が使われています。
ダブルキャブのボディタイプは?
ダブルキャブのボディタイプは、シングルキャブに比べて選択肢が限られています。具体的な種類は以下のとおりです。
- ・平ボディ
- ・ダンプトラック
- ・クレーン付きトラック
- ・クレーン付きダンプトラック
シングルキャブにはウイングやタンクローリーなど、非常に多くのボディタイプが存在します。これらのボディタイプのトラックは荷物の運搬が目的であり、乗車定員を増やすメリットがありません。
ダブルキャブのボディタイプが少ないのは、シングルキャブと比べるとダブルキャブが求められる状況が限られるためといえます。
大型トラックのダブルキャブはない?
ダブルキャブは、小型トラックか中型トラックとして製造・販売されており、大型トラックはほとんどありません。しかし、教習車仕様などのごく限られた用途で、大型トラックのダブルキャブが存在します。
大型トラックは、主に大量の荷物や重量物を輸送する目的で使われるため、ダブルキャブにすることで積載量が減ってしまうのはデメリットとなります。そのため、一般的な輸送などの目的で使われる大型トラックには、ダブルキャブは向いていません。
そのため、ダブルキャブといえば、一般的に小型トラックや中型トラックを指すと考えてよいでしょう。
まとめ
ダブルキャブとは、トラックのキャブ(キャビン)の座席が2列ある車両のことです。シングルキャブと比べると乗車定員が多いため、建設業や土木工場などの現場への移動で多く使われています。
一方で、シングルキャブと比べると荷物の積載量が減ってしまうというデメリットもあります。そのため、製造されているボディタイプや、車両のサイズは限定的です。
ヤマダボディーワークスでは、ダブルキャブで活躍するワーキングランプや、マーカーランプを取り扱っています。それぞれ多くの種類がありますので、ぜひご活用ください。