ミキサー車(生コン車)とは?仕組みや各部位の名称、最大積載量について解説
2024年10月28日
ミキサー車とは、生コンを運搬するためのトラックのことで、荷台に回転するドラムを備えているのが特徴です。生コンは時間が経過するにつれて成分が分離してしまうため、ドラムの中で常に混ぜながら運搬しています。
こちらでは、ミキサー車の基本的な知識や、使用によく生じる疑問点について詳しく解説します。ミキサー車の仕組みや、部位の名称、サイズ別の最大積載量などについて解説します。よくある質問にも回答していくので、ぜひ参考にしてください。
ヤマダボディーワークスではミキサー車にも活用できるトラックパーツをご用意しています。ぜひ一度ご覧ください。
- ・ミキサー車とは?
- ・ミキサー車の各部位の名称
- ・ミキサー車に関するよくある疑問
目次
ミキサー車とは?
ミキサー車とは、生コンを運ぶためのトラックを指し、生コン車とも呼ばれます。トラックの荷台に太鼓のような形のゆっくり回転するドラムがあるのが特徴です。このドラムの中で生コンを混ぜながら輸送します。
生コンはセメントや砂や砂利、水からできています。これらの成分は比重が異なるため、放っておくと時間経過と共に成分が分離してしまうという性質があります。そこでミキサー車を使い、工場で混ぜ合わせた生コンの品質を保持しながら施工現場へ運びます。
ミキサー車の回転しているドラムは「生コンが固まらないように混ぜている」と勘違いされやすいのですが、実際にはそれぞれ比重が異なる成分を分離しないようにする役割を担っています。
ミキサー車の仕組み・部位の名称
ミキサー車を構成する主要な部位としては、以下が挙げられます。
- ・ドラム
- ・ホッパ
- ・スクープ
- ・シュート
- ・水タンク
それぞれ見ていきましょう。
ドラム
ドラムとは、ミキサー車の荷台で回転し、生コンを混ぜる役割を果たす円筒状の容器です。ドラムの内部にはブレードと呼ばれるらせん状の羽が付いており、ドラムとともに回転することで生コンを効果的に混ぜ、成分の分離を防ぎます。
また、ドラムの回転方向は場面に応じて変わり、生コンを積むときは反時計(左)回り、下ろすときは時計(右)回りに回転します。この仕組みにより、効率的な積み込みと排出が可能です。
ホッパ
ホッパとは、ドラムに生コンを入れるための投入するための入口で、ミキサー車の荷台後端、ドラム上部に設置されています。ホッパは生コンの積み込みをスムーズに行うための重要な部位です。
生コンを運送する際には、ホッパにカバーをかけて異物の混入を防止し、品質が下がらないようにしています。これにより、施工現場まで生コンの適切な状態を維持することが可能です。
スクープ
スクープはドラムから排出された生コンを最初に受け止めるための部品で、じょうごのような形状をしています。ドラムの出口に設置され、生コンがスムーズに排出されるように流れを整える役割を持つ部位です。
スクープを通った生コンは、均一に整えられた状態でシュートへ流れこみ、目的の位置へ運ばれます。
シュート
シュートはスクープの下に設置されている、生コンを排出するための樋(とい)のことです。施工現場の目的の位置に生コンを流し込むために使われる部品です。
シュートは上下左右に動かすことができるため、排出方向を調整できます。この機能により、生コンを目的の位置に排出することができ、施工現場の作業効率の向上に貢献します。
水タンク
水タンクとは、ドラム内部やシュートを洗浄するための水を溜めるためのタンクです。ミキサー車は生コンの荷下ろし後に、残留した生コンをなるべく早く洗い流さないと、固まってしまい性能が低下してしまいます。
水タンクの容量は車両のサイズによって異なり、小型車で約100リットル、大型車で約200リットルあります。
【サイズ別】ミキサー車の最大積載量
ミキサー車にはさまざまなサイズがあり、それに応じて積載できる生コンの量も異なります。ミキサー車のサイズ別の生コン積載量の目安は、以下の表をご参照ください。
最大積載量 | 全長 | 全幅 | 全高 | 生コンの 積載量目安 |
---|---|---|---|---|
2〜3t | 5,100mm | 1,800mm | 2,700mm | 0.8〜1.3㎥ |
4t | 5,850mm | 2,160mm | 3,035mm | 1.6㎥ |
5〜6t | 6,400mm | 2,240mm | 3,200mm | 2.1〜2.4㎥ |
7〜8t | 6,400mm | 2,300mm | 3,300mm | 2.8㎥ |
10t | 7,900mm | 2,490mm | 3,700mm | 4.0〜4.4㎥ |
11t | 9,100mm | 2490mm | 3,770mm | 5.0㎥ |
全長、全幅、全高、生コンの積載量目安は、車両の仕様ごとにわずかに異なるため、参考値です。
生コンはセメントや砂利などの材料から構成されており、質量が非常に重くなります。また、ミキサー車の架装物(ドラムや水タンクなど)の重量も加味する必要があるため、実際に積載できる生コンの量はそれほど多くありません。
ミキサー車の主な架装メーカー
ミキサー車を製造している、有名な架装メーカーをご紹介します。
カヤバ株式会社
カヤバ株式会社は、自動車や機械に使われる部品の製造を行っている企業で、自動車のショックアブソーバーや油圧機器が有名です。カヤバ株式会社は特装車両の製造も行っており、ミキサー車や剪定枝粉砕処理車、粉粒体運搬車の製造も行っています。
極東開発工業株式会社
極東工業株式会社は、特装車などを製造する代表的なトラックの架装メーカーです。ミキサー車の他にもダンプトラックやタンクローリー、パッカー車など、他にもさまざまなトラックのボディを製造しています。
新明和工業株式会社
新明和工業株式会社も、特装車などを製造する代表的なトラックの架装メーカーです。ミキサー車、ダンプトラック、タンクローリー、パッカー車など、さまざまなトラックのボディを製造している他、航空機の研究開発なども手掛けています。
ミキサー車に関するよくある質問
ここからは、ミキサー車を使用する際によく生じる疑問と、その回答を紹介してしていきます。
ミキサー車の運転に必要な免許
ミキサー車を運転するためには、運転免許証以外には特別な免許は必要ありません。運転免許は、運転するミキサー車の車両総重量や最大積載量に応じたものが必要です。
運転免許証の車両区分については、以下の表を参考にしてください。
<取得時期が平成29年3月12日以降の運転免許>
車両総重量 | 最大積載量 | |
---|---|---|
普通免許 | 3.5t未満 | 2t未満 |
準中型免許 | 7.5t未満 | 4.5t未満 |
中型免許 | 11t未満 | 6.5t未満 |
大型免許 | 11t以上 | 6.5t以上 |
ミキサー車を運転するときの注意点は?
生コンの性質は時間経過によって変化してしまうため、ミキサー車を運転する際は、90分(1.5時間)以内に運搬を終えなくてはいけません。「JIS(日本工業規格) A 5308 レディーミクスコンクリート」により、生コンの運搬時間は以下のように定められています。
生産者が練混ぜを開始してから運搬車が荷卸し現場に到着するまでの時間とし、その時間は1.5時間以内とする。
引用:JISA5308:2019 レディーミクストコンクリート
ミキサー車を運転する際は、遅延がないように、事前に運転経路や渋滞状況を確認しておくことが重要です。最近では、GPSを使ってミキサー車が走行している位置情報を調べ、事務所から遠隔でドライバーを支援するシステムを導入している企業もあります。
時間制限を意識すると焦ってしまいますが、確実な操作を行うことも重要です。とくにドラム回転方向は積み込み時と排出時で異なるため、回転方向を反対に行うと積み込み時に排出してしまうなどのミスが発生します。
ミキサー車の手入れの方法は?
先述したとおり、生コンを荷下ろしした後は、ドラム内部やシュートなどに残留した生コンを洗い流す必要があります。洗浄を怠ってしまうと生コンが固まってしまい、次回以降の運搬に支障をきたすため、基本的には運搬のたびに洗浄が必要です。
しかし、毎回洗浄を行っていても、徐々に固まった生コンが蓄積してしまいます。そのため、ハンマーや電動ピックなどを使用して生コンをはがす「ハツリ」と呼ばれる作業を、半年に1回程度の頻度で行う必要があります。定期的にハツリを行うことで、ミキサー車の機能が正常に維持され、運搬効率を保つことが可能です。
ミキサー車におすすめの商品
ヤマダボディーワークスで扱っている、ミキサー車にも使えるおすすめの商品をご紹介します。
ワーキングランプ
ワーキングランプは、トラックの車外で作業をする際に使われるランプです。夕方や夜間の暗いときに作業をする際はワーキングランプが不可欠であり、ミキサー車でも活躍します。
ヤマダボディーワークスでは、さまざまなワークランプを扱っています。近年人気の高いLEDのワークランプも多く扱っており、用途に合わせて選ぶことができます。
>ワーキングランプ一覧
>トラックの作業灯は車検に通らない?保安基準や車検対策を解説
マーカーランプ
マーカーランプは、トラックの側方に取り付けるランプです。
上の画像「JB 激光 LSL-201Y LEDクリスタルハイパワーマーカー イエロー/イエロー」は、イエローレンズの内側にイエローのLEDユニットを搭載した二重レンズ構造のマーカーランプになります。
マーカーランプは細かい規定が法令によって定められているため、法令に従って取り付けを行ってください。
>トラックのマーカーランプの車検規定は?押さえておくべき保安基準と注意点
>トラック用LEDマーカーランプおすすめ12選!種類と選び方を解説
まとめ
ミキサー車とは、生コンを運搬するためのトラックのことで、荷台にドラムと呼ばれる生コンを入れるための回転する容器があるのが特徴です。生コンは時間が経過すると成分が分離してしまうため、ミキサー車のドラムの中で混ぜながら運搬します。
ヤマダボディーワークスでは、ミキサー車でも活用できるワーキングランプやマーカーランプを取り扱っています。用途に合った製品を選べるので、ぜひご活用ください。