トレーラーとは?トラクターやトラックとの違いやメリットを解説

2025年1月20日

トレーラーとは、トラックの荷台部分の車両を指します。駆動する部分(トラクター)と別れており、荷物の積載に特化しているため、通常のトラックでは運搬が難しい特殊な荷物や大型荷物の輸送が可能です。

こちらでは、トレーラーの特徴や種類について解説します。さらに、トレーラーを使用するメリットや注意点なども取り上げ、活用するためのポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。


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トレーラーとは?

トレーラーとは、トラックの荷台部分にあたる車両のことです。トレーラーはエンジンがついていないので、自走できません。けん引される車両(被けん引車)として荷物の積載に特化しているため、積載量を確保でき、運搬効率を高められます。

トレーラーを引っ張る車両はなんという?

トレーラーを引っ張るためのけん引装置やエンジンを備えた車両をトラクターといいます。トレーラーとトラクターはそれぞれ独立した車両であるため、切り離しや連結が可能です。

トレーラーは、けん引車(トラクター)と被けん引車(トレーラー)を分けた、被けん引車の部分を指す言葉ですが、トラクターとトレーラーをまとめてトレーラーと呼ぶこともあります。

トレーラーとトラックの違い

トレーラーとトラックの違いは、荷台部分を切り離すことができるかどうかです。

上述したとおり、トレーラーは駆動する車両(トラクター)と荷台部分の車両(トレーラー)が独立しており、必要に応じて切り離すことができます。そのため、トラクターは単体での走行も、トレーラーを連結させて荷物を運ぶことも可能です。

一方でトラックは、駆動部分と荷台がすべて一体になっている車両です。トレーラーのように荷台部分を切り離すことはできないため、トラックが製造された段階でボディータイプが決まります。

トレーラーのメリット

荷物を運ぶだけならトラックでもトレーラーでも違いがないように思えますが、トレーラーを使うことで、どのようなメリットがあるのか解説します。

積載量や積載できる荷物の種類が多い

トレーラーは荷物の積載に特化しているため、大型の荷台を備えており、大量の荷物を積むことができます。一度に多くの荷物を運べることから、効率的な輸送が可能となり、輸送コストを抑えられます。

また、トレーラーにはさまざまなタイプがあり、トラックでは運搬できないような特殊な荷物も積載可能です。例えば、ポールトレーラーという種類のトレーラーでは、荷物を支える部分に伸縮性があり、分割できない鉄骨や木材など、長さのある荷物を運べます。

運転手の作業負担を軽減できる

トレーラーはトラクターと切り離せるという特徴を生かし、運転手の荷役作業負担を軽減できます。

通常のトラックの場合は、停車している間に荷物を積み込む必要があり、荷役作業を終えないと発車できません。

しかし、トレーラーは荷台だけを交換できるので、倉庫などであらかじめ荷物を積み込んでおけば、トレーラーを連結するだけですぐに輸送を開始できます。荷下ろしの際もトレーラーを切り離すだけで、トラクターをすぐに別の輸送に使うことが可能です。

また、フェリーでの輸送が必要な場合、トラックであれば運転手も同乗しなければいけませんが、トレーラーなら荷台を単体で積み込めるメリットもあります。

重量税の負担を抑えられる

トレーラーを使うことで、重量税の負担を軽減できるメリットもあります。重量税はエンジンなどの動力を持つ車両にかかる税金であるため、エンジンがついていないトレーラーには重量税がかかりません。

重量税は、車の重量に応じて高くなるので、トラックの場合は大型になるほど税額が上がっていきます。そのため、トラックを複数台所有する場合は、それぞれの車両に重量税がかかります。

しかし、トレーラーの場合は、大きさや台数に関わらず重量税の対象にはなりません。複数のトレーラーを1台のトラクターで牽引すれば、重量税がかかるのはトラクター1台分だけとなり、税負担を軽減できます。

トレーラーの種類

トレーラーの種類
トレーラーには、フルトレーラーとセミトレーラーの2種類があります。それぞれの特徴を解説します。

フルトレーラー

フルトレーラーとは、画像のように荷台の付いたトラクターにけん引されるトレーラーです。そのため、フルトレーラーを連結すると、2つの荷台が連なる形になります。このような、フルトレーラーをけん引する、同一シャーシにキャビン・荷台・連結機能を搭載したトラクターをフルトラクターと言います。

フルトレーラーの最大の特徴は、トラクターがなくても単体で独立できる点です。車輪がトレーラーの前側(もしくは中央)にあり、自身の荷重を支えられるため独立が可能です。

この特徴により、フルトラクターはフルトレーラーの荷重を支える必要がなく、単にけん引するだけで済みます。その結果、荷台がついたトラックでも、けん引できるようになっています。

フルトレーラーの寸法は基本的に全長21m以内、全幅2.5m以内、全高3.8m以内です。ただし、特殊車両通行許可の手続きを行えば全長25mまで許容されます。

なお、フルトレーラーの構造には、以下の2種類があります。

構造 特徴
ドリー式 ・車軸が前後についているフルトレーラー
・トレーラーの前方にドリーと呼ばれる車軸を持った台車がある
・ドリーを外してセミトレーラーとして使えるタイプもある
・ドリーがターンテーブルのように回転するため、運転が比較的難しい
センターアクスル式 ・車軸が車両の中央に集まっているフルトレーラー
・前方にドローバーと呼ばれる長い棒状の連結器がある
・セミトレーラーに近い感覚で運転できる

セミトレーラー

セミトレーラーとは、トレーラーヘッドと呼ばれる運転席やエンジンなどで構成された荷台を持たないトラクターにけん引されるトレーラーです。一般的に幹線道路などで見かけるほとんどのトレーラーがセミトレーラーです。

セミトレーラーは車両の前方に車輪がなく、前側の荷重を自分で支えることができません。そのため、セミトレーラーは独立できず、車両の前方をトラクターに支えられながらけん引されています。

セミトレーラーの寸法は全長16.5m以内、全幅2.5m以内、全高3.8m以内で、全幅と全高はフルトレーラーと同じです。全長については、特殊車両通行許可の手続きを行うことで最大18mまで許容されます。

トレーラーの荷台のタイプ

トラックの荷台に平ボディやバンボディなど、さまざまな種類があるように、トレーラーにも多くの種類があります。ここからは、トレーラーの荷台の一部をご紹介します。

コンテナトレーラー

コンテナトレーラー
コンテナトレーラーは、海上輸送に使われるコンテナを運ぶためのトレーラーで、略して「海コン」とも呼ばれます。

トレーラー自体はフラットな形状ですが、標準化されたコンテナ(ISOコンテナなど)を積載する目的で設計されているため、効率的にコンテナの輸送を行えます。荷台の四隅にあるツイストロック装置で、コンテナを強力に固定できる仕組みです。

タンクトレーラー

タンクトレーラー
タンクトレーラーとは、液体や気体のような流動性物質を運ぶためのタンクを備えたトレーラーです。タンクがトレーラーと一体化しており、液体や気体を直接入れることができます。

タンクトレーラーの積載物としては、ガソリンや灯油などの液体燃料や、飲料水などの食品、化学薬品などがあります。タンクの素材や構造は、それぞれの積載物に合わせて設計されているのが一般的です。

フラットトレーラー

フラットトレーラー
フラットトレーラーは、名前のとおり平らな荷台を備えたトレーラーで、側壁や屋根を備えていません。屋根がないため、クレーンを使った荷物の積載が可能です。

その特徴から汎用性が高く、長尺物や重機など、さまざまな種類の荷物の輸送に使われています。また、木材や鉄骨のような長尺物を積載するフラットトレーラーには、スタンション(荷崩れ防止用の支柱)が設置されていることもあります。

車載トレーラー

車載トレーラー
画像引用:Car Carrier | 株式会社浜名ワークス

車載トレーラーは「キャリアトレーラー」とも呼ばれ、車両を運搬するための枠がついたトレーラーです。自動車をはじめとした車両の積載に特化しており、一度に多くの車両を安全に積載できる構造になっています。

二階建て構造のほか、トラクター上部にも車載できる特殊構造タイプもあります。

トレーラーの代表的なメーカー

トレーラーを製造している架装メーカーの中から、以下の4社をご紹介します。

  • ・日本トレクス株式会社
  • ・日本フルハーフ株式会社
  • ・東邦車輌株式会社
  • ・株式会社浜名ワークス

日本トレクス株式会社

日本トレクス株式会社は、極東開発工業の連結子会社で、トレーラーの製造を得意とする架装メーカーです。さまざまな種類のセミトレーラーやフルトレーラーを製造しています。

トレーラーのほかにもウィング車やバンボディ、輸送コンテナ、シェルタ等、大型輸送機器の製造・販売を行っています。

>トレーラ | 製品案内 | 日本トレクスWEBサイト

日本フルハーフ株式会社

日本フルハーフ株式会社は、いすゞ自動車と資本関係にある架装メーカーです。ウイングトレーラーやコンテナトレーラーといったセミトレーラーや、センターアクスル式のフルトレーラーなど、多種多様なトレーラーを製造しています。

ほかにもドライバンやウイングルーフ、温度管理バン、テールゲート、コンテナなど、さまざまな架装を取り扱っています。

>20FTコンテナ積載シャシトレーラ|日本フルハーフ株式会社|輸送用機器の製造・販売

東邦車輛株式会社

東邦車輛株式会社は新明和グループ傘下の企業であり、トレーラーやタンクローリー、ダンプなどを製造している架装メーカーです。

東邦車輌では、セミトレーラーとフルトレーラーどちらも多くの種類の製造を行っています。フルトレーラーのドリーを取り外すことで、セミトレーラーとしても使えるスマートウイングというトレーラーも展開しています。

>トレーラ | 東邦車輛株式会社

株式会社浜名ワークス

株式会社浜名ワークスは、複数台積みのキャリアカーを製造する架装メーカーです。キャリアトレーラーの種類が豊富で、さまざまな仕様に対応しています。キャリアトレーラーのほかにも、センターアクスル式のフルトレーラーも製造しています。

また、平ボディやドライバン、ウイングなどのカーゴ車の種類も豊富です。

>Car Carrier | 株式会社浜名ワークス

トレーラーを連結して運転する際に必要な免許

トレーラーを運転するためには、トラックのサイズに合わせた運転免許証が求められます。車両のサイズごとの免許区分は以下をご覧ください。トレーラーを連結して運転する際は、一般的に「大型免許」が必要です。

  車両総重量 最大積載量
準中型免許 7.5t未満 4.5t未満
中型免許 11t未満 6.5t未満
大型免許 11t以上 6.5t以上

さらに、トレーラーの運転には「けん引免許」も必要です。けん引免許とは、車両総重量が750kgを超える被けん引自動車をけん引する車両を運転するために欠かせない免許です。

トレーラーを扱う際の注意点

トレーラーは運転が難しく、操作を誤ると大きな事故につながることがあります。ほかの車両とは異なり、トラクターとトレーラーの間の連結部が曲がるため、特有の運転技術が必要です。特に、後退(バック)運転は難しく、操作に対する車両の挙動に違いがあります。

また、トレーラーは急な操作を行ったり、スリップしやすい路面を走行したりすると、「ジャックナイフ」「トレーラースイング」「プラウアウト現象」といった危険な状態になることがあります。
トレーラーを扱う際の注意点
出典:自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う 一般的な指導及び監督の実施マニュアル 《第2編 応用編:一般的な指導及び監督指針の解説(詳細版)》

危険な状態 詳細 特徴
ジャックナイフ トレーラーとトラクターが「く」の字に折れ曲がってしまう現象 ジャックナイフが起きると車両の制御が困難になる
トレーラースイング カーブ時にトレーラー後部がカーブの外側に流れてしまう現象 後輪がロックすると、トレーラースイングが起こりやすくなる
プラウアウト現象 トレーラーが制御を失い、トラクターとトレーラーが一直線にカーブを外れてしまう現象 プラウアウト現象が起きると車両の制御ができないため、ブレーキを解除しながらハンドル操作で軌道修正する必要がある

まとめ

トレーラーとは、トラックの荷台部分にあたる車両のことです。エンジンを持たないため自走できず、トラクターというけん引車に引っ張られて機能します。しかし、トレーラーは荷物の積載に特化しているため、大量の荷物を積むことが可能です。また、トラックでは輸送できないような、特殊な荷物を運ぶトレーラーもあります。

ヤマダボディーワークスでは、さまざまなトラックのパーツを販売しています。トレーラーフックやフェンダー、三角反射鏡など、トレーラーで使える以下の商品も扱っているので、ぜひご活用ください。


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