ボンデ鋼板とは?用途・種類・価格やボンデ鋼板製トラックパーツを紹介
2024年7月31日
ボンデ鋼板は、トラックの部品に多く用いられる素材です。ボンデ鋼板は高い加工性や塗装密着性があるため、過酷な環境で使用されるトラックの部品と相性が良いとされています。
こちらでは、ボンデ鋼板の特徴や他の鋼板との違いなどを解説します。ボンデ鋼板製の部品を使うメリットもわかるため、ぜひ参考にしてください。
ヤマダボディーワークスでは様々なボンデ鋼板性のフェンダーや工具箱などの部品を取り扱っています。ぜひご活用ください。
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【この記事で分かること】
- ・ボンデ鋼板と他の素材との違い
- ・ボンデ鋼板の特徴
- ・ボンデ鋼板を使ったおすすめのトラックパーツ
目次
ボンデ鋼板とは
まずは、ボンデ鋼板の定義や特徴について紹介していきます。
ボンデ鋼板の定義
ボンデ鋼板とは、電気亜鉛メッキ鋼板(SECC)を基材に、表面に化成処理を行なった鋼板のことです。ここでいう化成処理とは、リン酸溶液中で鋼板と浸漬過熱し、鋼板表面に不溶解性皮膜を生成させるボンデ処理(リン酸塩処理)のことを指します。
電気亜鉛メッキ鋼板(SECC)とは、冷間圧延鋼板(SPCC)に電気メッキ処理を施し、防錆効果を高めた鋼板です。ボンデ鋼板はその上に化成処理を行うため、さらに高い耐久性を持っています。
ボンデ鋼板の特徴
ボンデ鋼板の特徴は、以下の3つの特徴を持つ素材です。
- ・加工しやすい
- ・溶接が可能
- ・塗装密着性が高い
それぞれ見ていきましょう。
加工しやすい
ボンデ鋼板は、曲がりやすく、加工しやすいという特徴があります。ボンデ鋼板の素材である冷間圧延鋼板が薄いためです。
さらに、ボンデ鋼板に施されている亜鉛メッキは密着性が高いため、加工によってメッキが剥がれたり傷ついたりすることがほとんどありません。これらのような特徴から、ボンデ鋼板は曲げ加工やプレス加工に適しています。
溶接が可能
ボンデ鋼板は、溶接することが可能です。ボンデ鋼板の素材である冷間圧延鋼板が溶接性が良いという特徴を持つことと、亜鉛メッキ層の融点が低く容易に溶融するためです。
通常メッキ加工された材質は皮膜が溶融しにくく塗装できないことが多いのですが、ボンデ鋼板は素材とメッキが上記のような特徴を持つことから、TIG溶接や半自動溶接といったアーク溶接が可能です。
ただし、溶接時に金属の粉塵を含んだ溶接ヒュームが発生します。溶接ヒュームは人体に有害であるため、作業場所の換気を十分に行うなど吸い込まないようにするための対策が必要です。
塗装密着性が高い
ボンデ鋼板は、塗装密着性が高い素材です。ボンデ鋼板はリン酸塩処理によって、表面に細かな凹凸が形成されます。この凹凸に塗料が物理的に引っかかることで、塗装密着性がよくなるのです。
塗料がしっかりと密着することで、塗装が剥がれにくくなります。塗装が剥がれると下地が腐食しやすくなってしまうため、塗装密着性が良さは耐食性の向上にも貢献する要素です。
トラックのボディーパーツでは、塗装目的の下地になる材料としてボンデ鋼板が使われています。 ボンデ鋼板自体は水に弱いため、ボンデ鋼板で製造された製品は塗装することが前提となっています。
ボンデ鋼板とほかの材質の違い
ボンデ鋼板と同様に防錆性や加工性に優れた鋼板として、ZAM鋼板、ガルバリウム鋼板、SGCCといった種類があります。これらはそれぞれ異なった特徴を持つため、ニーズに合ったものを選ぶ必要があります。
ニーズに合った適切な素材を選ぶためには、それぞれの特徴を理解することが重要です。以下では、ボンデ鋼板との違いについて詳しく解説します。
ZAM鋼板との違い
ZAM鋼板は溶融亜鉛メッキ鋼板の一種で、亜鉛96%、アルミニウム3%、マグネシウム1%を含んだ合金メッキ鋼板のことです。亜鉛(Zinc)、アルミニウム(Aluminum)、マグネシウム(Magnesium)の頭文字から、ZAM鋼板と呼ばれています。
ZAM鋼板はボンデ鋼板よりも耐食性や耐熱性、耐摩耗性に優れています。塗装密着性も優れていますが、ボンデ鋼板ほどではありません。価格はボンデ鋼板よりも高価ですが、ステンレスよりは安価です。
ZAM鋼板は建築資材や自動車部品、家電製品などさまざまな場所で使われています。しかし、経年劣化でメッキが剥がれる可能性があるため、食品機械やクリーンルームにはZAM鋼板は適しておらず、ステンレスが使われます。
ガルバリウム鋼板との違い
ガルバリウム鋼板は、アメリカのベレスヘムスチール社で開発された鋼板です。亜鉛55%、アルミニウム43.4%、シリコン1.6%からなる鋼板です。。
ガルバリウム鋼板は耐久性の高さが特徴で、とくに耐食性や耐熱性はボンデ鋼板よりも優れています。塗装密着性はボンデ鋼板よりは劣るものの、こちらも優れているといえる水準です。価格はボンデ鋼板と同等ですが、若干高価な場合もあります。
ガルバリウム鋼板は建築資材や自動車部品、家電製品などさまざまな場面で使用されています。
SGCCとの違い
SGCCとは溶融亜鉛メッキ鋼板のことで、JIS規格の一つです。冷間圧延鋼板に防錆性を持たせるために、亜鉛メッキを施した鋼板です。
ボンデ鋼板の基材として使われるSECC(電気亜鉛メッキ鋼板)もSGCCも、どちらも冷間圧延鋼板を基材に亜鉛メッキを施した鋼板ですが、違いはメッキの施し方にあります。
-
- ・SGCC
溶かした亜鉛のなかに鋼板を浸してメッキを施す方法で、どぶ漬けメッキやてんぷらメッキとも呼ばれる。SGCCはメッキ層が厚くなるため耐久性に優れ、塗装をせずに使用されることもある。
-
- ・SECC
電気を用いて亜鉛メッキを施した鋼板。SECCはメッキ層が薄く均一なため、見た目がきれいで塗装を行いやすい特徴を持っている。
ボンデ鋼板の主な用途
ボンデ鋼板は高い防錆性と塗装性から、トラックの部品だけでなく、建築資材や電気機器といった幅広い用途で使われています。また。ボンデ鋼板はリン酸塩処理により、塗装の密着性がよくサビに強いため、過酷な環境にさらされるトラックの外装部品との相性が抜群です。
トラックでは荷台などの外装部品にボンデ鋼板を使うことにより、耐久性と信頼性が増します。実際にトラックのフェンダーやサイドバンパーのような外装部品や、工具箱などにボンデ鋼板が使用されています。
ボンデ鋼板の種類・規格
ボンデ鋼板の規格は、さまざまな用途に対応できるように以下の厚みと寸法が用意されています。使用する場所によって求められる強度やサイズが異なりますが、それぞれに適した規格を選ぶことが可能です。
具体的には、以下のような厚みと寸法の製品が販売されています。
- ・板厚(mm)…0.6・0.8・1.0・1.2・1.6・2.3・3.2
- ・寸法…3尺×6尺、4尺×8尺、4尺×10尺、4尺×4m、5尺×10尺
ボンデ鋼板の価格
続いて、ボンデ鋼板の価格について、他の素材とも比較しながら見ていきましょう。
ボンデ鋼板の価格相場
ボンデ鋼板の価格は鋼板の厚みサイズによって異なります。例として、2.3mm厚で寸法の異なるボンデ鋼板の価格相場をご紹介します。
ボンデ鋼板の価格相場の例 2024年7月1日現在(全て税抜き)
- ・ボンデ鋼板 2.3mm×3×6尺 :9,300円
- ・ボンデ鋼板 2.3mm×4×8尺 :16,400円
- ・ボンデ鋼板 2.3mm×5×10尺 :27,200円
ボンデ鋼板と他の素材との価格の比較
ボンデ鋼板は表面処理が施されているため、普通鋼板よりも高価です。一方、ステンレスやアルミニウム鋼板はさらに高価な素材であり、これらと比較するとボンデ鋼板の方は相対的に安価です。
トラックにおいても、同じ部品で比較してもステンレス製よりもボンデ鋼板製の方が購入コストを低く抑えられます。
ボンデ鋼板を使用したトラックパーツをご紹介
以下では、ヤマダボディーワークスで扱っている部品の中で、ボンデ鋼板を素材としている商品をご紹介します。
フェンダー
ボンデ鋼板製のフェンダーは、上記で解説したように高い塗装性があります。しかし、以下の商品は全て未塗装の製品のため、設置の際は必ず塗装が必要です。
角型フェンダー 4tダンプ用
ボンデ鋼板製の、4tダンプ用の角形フェンダーです。1枚単位(片側)の販売となるため、左右分が必要な場合は2個購入する必要があります。
角型フェンダー 4t用 FW50型
ボンデ鋼板製の、4tトラッククラス用の角形フェンダーです。1枚単位(片側)の販売となるため、左右分が必要な場合は2個購入する必要があります。他にもボンデ鋼板製の4t車用フェンダーには、4t増トン車用フェンダーや丸型フェンダーといった種類もあります。
スプラッシュフェンダー 4t用
ボンデ鋼板製の4tトラック用スプラッシュフェンダーです。1枚単位の販売となるため、左右それぞれ必要な場合は合計4枚購入する必要があります。他にもボンデ鋼板製のスプラッシュフェンダーには、大型・低床用や、大型用といった種類もあります。
鉄製工具箱
ヤマダボディーワークスで取り扱っている鉄製工具箱は、全て「ボンデ鋼板」製です。「鉄製工具箱 450×290×290mm ボンデ」のような製品は未塗装であるため、設置する前に必ず塗装してください。
塗装の手間を減らすために「鉄製工具箱 500×290×320mm 黒塗装」のような黒塗装が施された部品も用意しています。塗装済みなのでそのまま設置でき、作業工数を大幅に減らせます。
純正アオリ端末材
純正アオリ端末材は、平ボディのアオリをカットした際に、カット断面をふさぐための部品です。ヤマダボディーワークスで扱っている純正アオリ端末材はSECC製のため、設置の前には必ず塗装してください。
ヤマダボディーワークスでは、日野「デュトロ」、いすゞ「エルフ」、三菱ふそう「キャンター」の3車種の純正アオリ端末材を取り扱っています。それぞれの車種に適した部品となっているため、安心して取り付けることが可能です。
>ヤマダボディーワークス 純正アオリ端末材一覧
サイドバンパー
トラックのサイドバンパーを構成する部品にも、ボンデ鋼板が使われている場合があります。ヤマダボディーワークスで扱っているサイドバンパー関連部品でも、一部ボンデ鋼板製の商品があります。いずれも設置の前に、必ず塗装が必要です。
ダンプサイドバンパー 本体 L=1900mm
ボンデ鋼板製のダンプ用サイドバンパーを構成するための部品です。サイドバンパー本体部分となる部品で、サイドバンパーステーやコーナー部と組み合わせて使用します。アルミ製のサイドバンパーと比べると強度が高いため、ダンプのサイドバンパーに適した商品となっています。
ダンプサイドバンパー コーナー
ボンデ鋼板製のダンプサイドバンパーの末端を構成する部品です。上記のダンプサイドバンパー本体と組み合わせることで、サイドバンパーを形成します。
ボンデ鋼板製トラックパーツならヤマダボディーワークス
ボンデ鋼板とは、電気亜鉛メッキ鋼板(SECC)に、さらにリン酸塩処理を施した鋼板のことです。ボンデ鋼板は表面がなめらかで表面に細かい凹凸があるため、塗装の密着性が良いという特徴を持ちます。塗装が剥がれづくサビに強いため、過酷な環境で使用されるトラックの部品に適しています。
ボンデ鋼板製の部品はステンレス製よりも安価であるため、購入コストを重視する場合は素材の違いで検討すると良いでしょう。ヤマダボディーワークスでは、ボンデ鋼板性のフェンダーや工具箱などの部品を取り扱っています。ボンデ鋼板製のトラックパーツをお探しの方はぜひご利用ください。