ダンプトラックの荷台部位と荷台に使用される部品の名称一覧
2023年5月29日
ダンプトラックは、荷台を傾けて荷物を降ろす、土砂などの重量物を運搬するといった特徴があります。そのため、ダンプトラックの荷台には、他のトラックには付いていない特有の部位があります。荷台部位には負荷がかかりやすい部品があるため、安全に使用するためには、劣化している部品の修理や交換をする必要があります。
こちらでは、ダンプトラックの荷台部位の名称と役割をご紹介します。あわせて劣化しやすい部品や、単体で交換できる部品もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ダンプトラックの荷台部位一覧
ダンプトラックの荷台には様々な部位があります。ダンプトラックの代表的な部品名と役割をご紹介します。
荷台部位名称 | 役割 |
---|---|
アオリ | 荷台の側面と後面に取り付けられている囲い。積載物が落ちないようにしている。 |
ヒンジ | アオリや扉を取り付けるための蝶番。開閉するときの軸となる。 |
プロテクタ(鳥居) | キャビンと荷台の間にとりつけられている大きな板。積載物からキャビンを保護している。 |
プロテクタハシゴ | プロテクタの横に設置されているハシゴで、ダンプを保護するための役割がある。 |
足かけ(荷台ステップ) | 荷台に上るためのステップ。荷台の側面に取り付けられている。 |
メインフレーム | 荷台の底面にある、骨格となるフレーム。 |
床 | 荷台の床のことで、積載物を載せる部分。 |
自動シート開閉装置 | 土砂などの積載物が落ちないようにアオリの上部に取り付けられている部品で、金属の枠にシートが張られた構造をしている。クイックやコボレーンといった製品がある。 |
ホイスト機構 | 荷台を傾ける(上げる)ためのピストン。荷台の下に設置されている。 |
アオリ
荷台の側面と後面を覆っている囲いのことで、積載物が落ちないように支えている部品です。アオリはダンプトラック特有の部品ではなく、平ボディやウィングなどのトラックにも取り付けられていますが、ダンプトラックのアオリには独特の特徴があります。
アオリは荷役作業のために開閉できるようになっていますが、ダンプトラックの左右アオリは開閉せずに固定されていることがあります。また、ダンプトラックのリヤアオリであるテールゲートは、ダンプアップ時にテールゲート下側のロックが外れるようになっています。上側のヒンジでテールゲートを支え、下側が開くことで土砂などの積載物を下ろすことが可能です。
反対に、テールゲートの下側が支点となり、上部が開くダンプトラックも存在します。「Fゲート」や「Lゲート」と呼ばれ、テールゲートに引っかかりやすい大きな岩などを積載する際は、こちらのダンプトラックが使われます。
ヒンジ
ヒンジはアオリの上部に取り付けられており、アオリを閉じた状態で固定するための部品です。また、一般的なダンプトラックは荷台を傾けたときにアオリの下側が開くため、ヒンジがアオリの可動軸となります。
ヒンジは負荷がかかるため劣化しやすく、定期的な点検が欠かせません。劣化や損傷が見られる場合は交換が必要です。
プロテクター(鳥居)
プロテクターは、荷台とキャビン(運転席などの乗車する部分)の間にある部位のことで、積載物が移動したときにキャビンを保護するための部品です。
プロテクタは荷台の先端に取り付けられているため、ダンプアップすると荷台と一緒に動きます。プロテクタもダンプトラック特有の部品ではなく平ボディにも取り付けられていますが、ダンプトラックの場合はキャビンの保護という意味合いが強い構造物です。
プロテクタハシゴ
プロテクター(鳥居)の側面に取り付けられているハシゴです。プロテクターに上り下りする際に使用します。プロテクターの側面についているハシゴなので、プロテクタハシゴと呼ばれます。
足かけ(荷台ステップ)
足かけとは、ダンプトラックの荷台に上り下りするための金属製のステップのことで、荷台ステップとも呼ばれます。ダンプトラックは荷台の位置が高いため、安全に登り降りするためには足かけが欠かせません。
メインフレーム
荷台全体を支える骨格のことで、人間の体に例えると骨のような部品です。荷台床面に位置し、床やアオリ、プロテクタを支えています。
ダンプは土砂や岩といった重量物を運ぶため、メインフレームには堅牢性が求められます。サビによって腐食すると強度が下がるため、定期的に塗装などの防錆処理を行うと良いでしょう。
床
荷台の底面のことです。積載物が直接載る部分であるため、床にも堅牢性や耐久性が求められます。
自動シート開閉装置(クイック・コボレーン)
ダンプに積んだ土砂などが、飛散しないようにするための部品です。側面のアオリの上部に付いており、鉄骨枠とシートで構成されています。
自動シート開閉装置をアオリの上に設置し、内側に倒すことで積載物が飛散するのを防いでいます。自動シート開閉装置は電動で開閉し、室内のスイッチを操作することで動かすことが可能です。使わないときも、アオリの内側に倒して走行します。
「飛散防止装置」や「アオリシート」などと呼ばれることがありますが、全て同じ部品を指します。「クイック」や「コボレーン」は製品の名称であり、クイックは田村総業株式会社、コボレーンは中幡自動車工業株式会社が製造している自動シート開閉装置です。
ホイスト機構
ホイスト機構とは、荷台を傾けるためのピストンのことで、荷台の下に取り付けられています。ピストンはシャーシと荷台に固定されているため、ピストンが伸びることで荷台が押されて傾きます。
ホイスト機構は大きく分けて、油圧式と電動式の2種類があります。油圧式はエンジンの動力をオイルの圧力に変換し、ホイスト機構の油圧を上げたり下げたりすることで荷台を動かします。
電動式はバッテリーの電力を利用し、モーターで油圧ポンプを動かす仕組みです。軽トラックなどの、負荷が比較的小さいダンプトラックに使われています。
安全棒
ダンプアップしたときに、荷台を上げた状態で保持するための棒です。荷台の下に設置されており、シャーシと荷台の間に立てて使用します。ホイスト機構の修理や荷台下のメンテナンスなど、荷台を上げた状態で作業をしなければならない際に、荷台の思いもよらぬ落下を防止するための安全装置です。
ホイスト機構でも荷台を保持する力はありますが、少しずつ下がってくることがあるため、安全棒を立てることで荷台を確実に支えることができます。
巻込防止装置(サイドガード)
荷台下のすき間を塞いでいる、板状もしくはパイプ状の金属部品です。ダンプトラックは乗用車と比べてホイールベース(前後のタイヤ間の距離)が長く、車高が高いため、旋回時に人や自転車が車体の下に潜り込んでしまう可能性があります。
ダンプトラックに限らず一定の大きさを超えるトラックには、巻き込み防止装置の取り付けが義務付けられています。
ダンプトラックの荷台に使用される部品名称
ダンプトラックの部品の中でも劣化しやすく交換頻度の多い部品は、単体で購入し交換が可能なものがあります。また、後付けすることで便利になる部品もあるので、あわせてご紹介します。
荷台部位名称 | 役割 |
---|---|
ダンプ上部受 | アオリの上部に取り付けられるヒンジ。「ダンプ上部シャフト」と合わせて使用する |
ダンプ上部シャフト | アオリの上部に取り付けられるヒンジ。「ダンプ上部受」と連結し、ヒンジの軸となる部品 |
テールゲートヒンジ | アオリの上部に取り付けられるヒンジ。テールゲートの下開きはできない |
ダンプ蝶番 | アオリや扉の蝶番となる部品 |
ダンプ下部シャフト | テールゲートが閉じているときに、テールゲートの下側を固定するための部品。「ダンプ下部フック」と合わせて使用する |
ダンプ下部フック | 「ダンプ下部シャフト」と合わせて使用する、テールゲートの開閉するための部品 |
コンテナパーツ | 脱着式コンテナに関する、様々な種類の部品 |
ダンプ中間金具 | テールゲートの下部に取り付け、ダンプアップ時にテールゲートの下側を荷台に固定するための部品 |
クイックパーツ | 田村総業株式会社から販売されている、自動シート開閉装置「クイック」の補修用パーツ |
手動式シート掛け | 手動式の飛散防止装置 |
ダンプ上部受
アオリ上部に取り付けられており、「ダンプ上部シャフト」と合わせて使用します。テールゲートが上開きした際、ヒンジ(軸)として機能します。また、レバーを操作することでダンプ上部シャフトとの連結を解除できるため、テールゲートの下開きも可能です。
ヤマダボディーワークスでは、「2t用」「4t用」「大型(8-10t)用」といった、トラックのサイズに合わせて複数の種類のダンプ上部受を扱っています。
【2t用】
>ヤマダボディーワークス ダンプ上部受 2t用 L
>ヤマダボディーワークス ダンプ上部受 2t用 R
【4t用】
>ヤマダボディーワークス ダンプ上部受 4t用 新型 強化型 L
>ヤマダボディーワークス ダンプ上部受 4t用 新型 強化型 R
【大型用】
>ヤマダボディーワークス ダンプ上部受 大型(8-10t)用 旧型 L
>ヤマダボディーワークス ダンプ上部受 大型(8-10t)用 旧型 R
ダンプ上部シャフト
アオリ上部に付いている、ヒンジの軸となる部品です。「ダンプ上部受」と合わせて使用します。
「ダンプ上部受」や「ダンプ上部シャフト」は負荷がかかりやすいため、摩耗や損傷しやすい部品です。アオリを支える重要な部品なので、劣化が見られる場合は新しいものに交換しましょう。
【2t用】
>ヤマダボディーワークス ダンプ上部シャフト 2t用 L
>ヤマダボディーワークス ダンプ上部シャフト 2t用 R
【4t用】
>ヤマダボディーワークス ダンプ上部シャフト 4t用 強化型 L
>ヤマダボディーワークス ダンプ上部シャフト 4t用 強化型 R
テールゲートヒンジ
アオリ上部に付いているヒンジのことで、テールゲートを上開きするときの軸になる部品です。「ダンプ上部受け・シャフト」と似た部品ですが、アオリの下開きはできません。
【大型ダンプ用】
>ヤマダボディーワークス ダンプスーパーヒンジ プレス型 L
>ヤマダボディーワークス ダンプスーパーヒンジ プレス型 R
ダンプ蝶番
ダンプトラックのアオリや扉など、幅広い用途に使用できる蝶番です。素材がステンレスでサビに強く、カール部分が溶接されているため高い強度を備えています。
重量物を運ぶダンプトラックは蝶番にも大きな負荷がかかるため、堅牢性が求められます。「ダンプ蝶番」は高い堅牢性、耐久性があり、ダンプに適した蝶番です。
【2t用】
>ヤマダボディーワークス ステンレスダンプ蝶番 2t用 丸ピン L
>ヤマダボディーワークス ステンレスダンプ蝶番 2t用 丸ピン R
【4t用】
>ヤマダボディーワークス ダンプ蝶番 4t用 丸ピン R
>ヤマダボディーワークス ダンプ蝶番 4t用 丸ピン L
【大型用】
>ヤマダボディーワークス ダンプ蝶番 大型用 丸ピン L
>ヤマダボディーワークス ダンプ蝶番 大型用 丸ピン R
ダンプ下部シャフト
テールゲートが閉まっているときにテールゲートの下側を固定するための部品で、「ダンプ下部フック」を引っかけるためのシャフトです。ダンプアップしていないときはダンプ下部シャフトとダンプ下部フックが連結することで、テールゲートが開かないようになっています。
ヤマダボディーワークスでは、ダンプ下部シャフトも「2t用」「4t用」「大型用」と、トラックのサイズに合わせた複数の種類を扱っています。
【2t用】
>ヤマダボディーワークス ダンプ下部シャフト 2t用 プレス型
【4t用】
>ヤマダボディーワークス ダンプ下部シャフト 4t用
【大型用】
>ヤマダボディーワークス ダンプ下部シャフト 大型用 シングル
ダンプ下部フック
テールゲートが閉まっているときにテールゲートの下側を固定したり、ダンプアップ時にテールゲート下側のロックを解除したりする部品です。「ダンプ下部シャフト」と合わせて使用し、ダンプアップ時にはダンプ下部フックがダンプ下部シャフトから外れることで、テールゲートの上開きができるようになっています。
【2t用】
>ヤマダボディーワークス ダンプ下部フック 2t用 L
>ヤマダボディーワークス ダンプ下部フック 2t用 R
【4t用】
>ヤマダボディーワークス ダンプ下部フック 4t用 L
>ヤマダボディーワークス ダンプ下部フック 4t用 R
【大型用】
>ヤマダボディーワークス ダンプ下部フック 大型用 手動式 L
>ヤマダボディーワークス ダンプ下部フック 大型用 手動式 R
コンテナパーツ
脱着式コンテナに関するパーツの総称です。アームキー、ドア止め、ブーメランロック、梯子、車輪など、様々な種類が存在し、それぞれが脱着式コンテナの機能を支える重要な部品です。
脱着式コンテナとは、トラックの荷台から降ろせるタイプのコンテナのことで、荷役作業の効率化を図っています。脱着式コンテナは通常のダンプとは異なる構造をしているため、専用のパーツが存在します。ヤマダボディーワークスでは、コンテナ脱落防止のためのアームキーや、コンテナを移動するための車輪など、様々なコンテナパーツを扱っています。
ダンプ中間金具
テールゲートの下側に設置し、テールゲートを下開きでダンプアップするための部品です。ダンプ中間金具を取り付けることで、ダンプアップ状態でアオリ下部の固定ができます。
【2t・4t用】
>ヤマダボディーワークス ダンプ中間金具 2t、4t用 新型 メッキピン・ピン受付
【大型用】
>ヤマダボディーワークス ダンプ中間金具 大型用
クイックパーツ
田村総業株式会社から販売されている、自動シート開閉装置「クイック」の補修パーツです。ヤマダボディーワークスでは、クイックのE10F型(2tダンプ用)とE18F型(4tダンプ用)の補修用パーツを扱っています。
E10F型のクイックには「V型アーム4V-400」と「V型メタル4V-22」がセットで適合し、「V型メタル4V-22」はグリスニップルが取り付けられない構造です。E18F型のクイックには「V型アーム5V-500と」と「V型メタルV-22」がセットで適合し、「V型メタルV-22」は別売りのグリスニップルの取り付けが可能です。
【2t用】
>ヤマダボディーワークス クイック V型アーム 4V-400 (φ22、L=400)
【4t用】
>ヤマダボディーワークス クイック V型アーム 5V-500 (φ22、L=500)
手動式シート掛け
手動式シート掛けは、「自動シート開閉装置」と似た部品で、側面のアオリ上部に取り付けて積載物の飛散を防止するための部品です。
ヤマダボディーワークスでは手動式シート掛け専用の補修パーツも扱っており、「手動式 丸棒アーム4V-φ22 L=400 (53359-A3)」「手動式 メタル 5V-φ22 ニップル無 (54908-A4)」があります。自動シート開閉装置には使用できないのでご注意ください。
>ヤマダボディーワークス 手動式 丸棒アーム 4V-φ22 L=400 (53359-A3)
>ヤマダボディーワークス 手動式 メタル 5V-φ22 ニップル無 (54908-A4)
ダンプトラックの関連部品をお探しならヤマダボディーワークスへ
ダンプトラックは重量物を積載したり、荷台を傾けて積載物を降ろしたりするため、様々な特有のパーツが存在します。ダンプ部品には負荷がかかりやすく、劣化することがあるため定期的なメンテナンスが欠かせません。
ヤマダボディーワークスでは、多くの種類のダンプ部品を扱っています。ダンプのサイズごとに適合する部品も豊富に扱っており、多くの車種に対応するので、ダンプの補修や修理を検討している場合はぜひご活用ください。