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トラックはサイドバンパーがないと車検に通らない?保安基準についても解説

2024年3月25日

トラックのなかには、サイドバンパー(巻き込み防止装置)の装着が義務付けられているものがあります。装着義務の対象となっているトラックは、サイドバンパーを外してしまうと車検に通りません。

また、サイドバンパーが取り付けられていても、取り付け要件を満たしていなかったり損傷していたりすると車検に通らないこともあります。

こちらでは、サイドバンパーが必要なトラックの種類や、車検を通す際の注意点を解説します。

トラックはサイドバンパーなしでも車検に通る?

トラック画像

サイドバンパーが必要かどうかは、トラックのサイズによって決まっています。どのようなトラックに装着が義務付けられているのかを解説します。

貨物の運送の用に供する普通自動車に分類されるトラックにはサイドバンパーが必要

貨物の運送の用に供する普通自動車に該当するトラックには、サイドバンパーの装着が義務付けられています。普通自動車とは道路運送車両法における自動車の定義です。全長4.70m、全幅1.70m、排気量2,000ccのいずれかを超えた貨物車が該当します。

なお、4ナンバーは「小型自動車」にあたるため、巻き込み防止装置が不要です。

「普通自動車」「小型自動車」の定義は下記の表のとおりです。

種類 普通自動車 小型自動車
車輪数 4輪以上 4輪以上
大きさ(m)
長さ・幅・高さ
4輪以上の小型自動車より大きいもの 4.7以下
1.7以下
2.0以上
エンジンの総排気量(CC.) 同上 660をこえ2,000以下
※ジーゼル機関を用いるものについては総排気量の適用はない

参考:自動車の種類|国土交通省

サイドバンパーは、トラックの荷台の下に歩行者や自転車などを巻き込まないために設置されています。普通自動車のサイドバンパーは取り外して走行することは、安全性の面から禁止されています。

サイドバンパーなしでも車検に通る車両

サイドバンパーは、全てのトラックに装着が義務付けられているわけではありません。以下の車両は、サイドバンパーを装着しなくても大丈夫です。

  • ・4ナンバー(小型貨物自動車)に該当するトラック
  • ・乗車定員が11人以上の自動車、及び形状が乗車定員11人以上の自動車の形状に類する自動車

4ナンバーの小型貨物自動車とは、ナンバープレートの右上の分類番号が4から始まる自動車のことで、1ナンバーに分類されない比較的小さな貨物車のことを指します。小型トラックや軽トラックが該当します。これらの車両には、サイドバンパーの取付け義務はありません。

また、乗車定員が11人以上の車両も、サイドバンパーの装着は必要ありません。

サイドバンパーが損傷している場合は車検に通らない

サイドバンパーが取り付けられていても、サビなどで腐食していたり、しっかりと固定されていなかったりする場合は、車検に通らない可能性があります。サイドバンパーは金属の部品なので丈夫ですが、ぶつけて変形がある場合は固定状態や設置位置に問題がないか確認しましょう。

トラックのサイドバンパーの保安基準

トラックのサイドバンパーは、形状や設置位置などが法令によって細かく規定されており、基準に従って正しく設置する必要があります。普通自動車に該当するトラックの場合も、「車両総重量 8t 以上又は最大積載量 5t 以上のものを除く」か「車両総重量 8 トン以上又は最大積載量 5 トン以上」でサイドバンパーの取り付け要件が異なるので、それぞれの基準を解説します。

普通自動車(車両総重量 8t 以上又は最大積載量 5t 以上のものを除く。)

この条件のトラックは、普通自動車の中でも比較的小さい分類となるため、サイドバンパーは歩行者などが後車輪に巻き込まれる恐れが少ない構造であれば良いとされています。鋼管1本などの形状を有する巻き込み防止装置でも基準に適合します。

ただし、設置位置については細かい規定があり、空車状態で以下のようになっていなければなりません。

<取り付け基準>
下縁高さ:600mm以下
タイヤとの間隔:400mm以下(サイドバンパーのコーナー部は含まない)
平面部と取り付け部の間隔:150mm以上

取付基準イラスト1

画像引用元:道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2006.3.27】|国土交通省

普通自動車(車両総重量 8 トン以上又は最大積載量 5 トン以上)

この条件のトラックは、普通自動車の中でも車体が大きい分類となるため、形状や取り付け要件も厳しくなっています。

歩行者や自転車の乗車員などが、後車輪に巻き込まれることを有効に防止する形状のサイドバンパーでなければならず、一体板状、すのこ状、網状、棒状(3本以上)と規定されています。

設置位置の規定は、空車状態で以下のようになっています。

<取り付け基準>
下縁高さ:450mm以下
上縁高さ:650mm以上
上縁間隔:550mm以下
タイヤとの間隔:400mm以下(サイドバンパーのコーナー部は含まない)
平面部と取り付け部の間隔:150mm以上

取付基準イラスト2

画像引用元:道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2006.3.27】|国土交通省

トラックのサイドバンパーの車検対策

トラックを車検に通す際に、サイドバンパーに関する注意点を2点紹介します。

サイドバンパーの形状や大きさは適切なものを選ぶ

サイドバンパーの形状と大きさが、車両に対して適切かどうかがポイントです。荷台の下のスペースをふさぐことができていなければならないため、地面やタイヤとのすき間が基準より広い場合は車検に通りません。

また、サイドバンパーが適切かどうか判断するための大きなポイントは、道路運送車両法における普通自動車(車両総重量 8t 以上又は最大積載量 5t 以上のものを除く。)と、普通自動車(車両総重量 8 トン以上又は最大積載量 5 トン以上)です。サイドバンパーの形状と取り付け要件は異なるので、まずはトラックのサイズを確認しましょう。トラックごとの詳しい基準は前述したとおりです。

サイドバンパーを確実に固定する

サイドバンパーが車体に確実に固定されていなかったり、腐食していたりする場合は車検に通らないことがあります。道路運送車両の保安基準第179条には、以下の記載があります。

一 堅ろうであること。この場合において、腐食等により取り付けが確実でないものは、 この基準に適合しないものとする。

4 巻込防止装置の取付位置、取付方法等に関し、保安基準第18条の2第2項の告示で定め る基準は、次の各号に掲げる基準とする。
五 巻込防止装置は、振動、衝撃等によりゆるみ等を生じないように確実に取り付けられていること。

トラックのサイドバンパーの関連アイテム

ヤマダボディーワークスで扱っている、サイドバンパー関連のおすすめ商品をご紹介します。以下の部品を組み合わせることで、サイドバンパーの本体(平面部)と車両まで繋げるためのステー部分を構成できます。

JB アルミサイドバンパー 70H 本体 L=3950

アルミサイドバンパー3950

「JB アルミサイドバンパー 70H 本体 L=3950」は、サイドバンパーの本体(平面部)を構成する部品です。ステーやコーナー部などの部品と組み合わせることで、サイドバンパーを組み立てることができます。長さが3,950mmあるため、ホイールベース用として使用できます。


JB アルミサイドバンパー 70H 本体 L=3950

9,240円

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JB アルミサイドバンパー 70H 本体 L=2500

アルミサイドバンパー2500
「JB アルミサイドバンパー 70H 本体 L=2500」は、サイドバンパーの本体(平面部)を構成する部品です。サイドバンパーの構成部位としては上記の「JB アルミサイドバンパー 70H 本体 L=3950」と同様ですが、長さが2,500mmとなっています。オーバーハング用や、長さ調整用のジョイント用として使うことができます。


JB アルミサイドバンパー 70H 本体 L=2500

4,400円

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JB アルミサイドバンパー S用ステー

アルミサイドバンパーS用ステー

「JB アルミサイドバンパー S用ステー」は、サイドバンパーの本体(平面部)と、中型もしくは小型トラックの車体を繋げるための部品です。

メーカー製の完成車ウイングボディにはリヤオーバーハング(後輪より後ろの部分)のサイドバンパーが付属していないので、オーバーハング用サイドバンパーの後付け用途としても使用できます。


JB アルミサイドバンパー S用ステー

8,140円

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トラックのサイドバンパーの関連アイテムはヤマダボディーワークスへ!

トラックには、周りの安全を確保するために、サイドバンパーの装着が義務付けられている車種があります。装着義務の有無や取り付け要件はトラックによって異なるため、それぞれにどのようなサイドバンパーが必要か確認する必要があります。

適切なサイドバンパーが取り付けられていても、損傷していたり腐食していたりすると車検に通らないことがあります。ヤマダボディーワークスでは、サイドバンパーを構成する様々な部品を取り扱っています。サイドバンパーの交換や増設をする際はぜひご活用ください。