トラックのナンバー灯をLEDに交換する方法と関連法令を解説
2024年4月15日
トラックのナンバー灯はLEDに変更することで、メンテナンスの負担が減ったり、見た目の印象が変わったりというメリットがあります。ただし、ナンバー灯には法令によって様々な基準が設けられているため、適切な取り付けを行わないと法令に違反してしまうおそれがあります。
また、トラックの登録時期によっても、取り付けるべきナンバー灯の種類や設置位置が異なります。こちらでは、ナンバー灯をLEDに交換するための手順や、交換時に注意するべきポイントなどを解説します。
目次
トラックのナンバー灯はLEDへの交換がおすすめ
トラックのナンバー灯は、以前は白熱球のタイプが使われていましたが、現在はLEDが一般的になっています。
LEDのメリットは、消費電力が少なく寿命が長い点です。白熱球の場合は球切れするたびに電球の交換が必要ですが、LEDはほとんど交換する必要がないため、一度取り付けるとメンテナンスの手間や費用を省けます。
また、灯光の色の色も、白熱球とLEDで異なります。白熱球は淡黄色であるのに対し、LEDは白い灯光です。白熱球からLEDに変更することで、見た目の印象が大きく変えることができます。
トラックのナンバー灯の交換方法・手順
トラックのナンバー灯を交換するための基本的な流れは、以下のとおりです。
- ナンバー灯を取り外す
- ナンバー灯の配線を入れ替える
- 新しいナンバー灯を取り付ける
それぞれの工程について詳しく見ていきましょう。
なお、ここで紹介するのは電球のみの交換ではなく、本体ごと交換するための手順です。車両によって本体の固定方法や、配線の接続方法が異なる場合があります。
1.ナンバー灯を取り外す
最初に、元から取り付けられているナンバー灯の本体を取り外します。ナンバー灯はボルトとナットで固定されていることが多いため、工具を使ってナットを反時計回りに回転させ、緩めることで取り外せます。
ナットを全て抜き取った際にナンバー灯が落下することがあるため、手で本体を支えながらナットを外してください。
2.ナンバー灯の配線を入れ替える
ナンバー灯の裏側には電気を供給するための配線があり、車両の配線がつながっています。多くの電気配線はコネクタでつながっており、コネクタのツメを起こして引っ張ると外すことができます。
ナンバー灯が完全に外れたら、新しいナンバー灯の配線を車両の配線に接続しましょう。ナンバー灯のコネクタと車両のコネクタの形状が合わず、そのまま接続できない場合があります。コネクタの形状が合わない場合は、変換ハーネスというコネクタの形状を変更できる配線を使うか、ギボシ端子で繋げる方法があります。
3.新しいナンバー灯を取り付ける
配線の接続が終わったら、ナンバー灯が点灯するか確認します。配線の接続に不備があると点灯しないことがあり、本体を固定した後に発覚するとその後の修正に手間がかかってしまうため、本体を固定する前に点灯確認を行うのがおすすめです。
点灯確認が終わったら、ナンバー灯の本体を車両に固定します。ナンバー灯を外した時と反対の手順でボルトとナットで固定しましょう。ナットを時計回りに回転させてボルトに取付け、工具で適切な力で締め付けてください。
トラックのナンバー灯交換時に押さえておきたい法律の注意点
トラックのナンバー灯をLEDに交換する際は、必ず最新の法令に対応している製品を選びましょう。LEDのナンバー灯は様々な製品が存在しますが、なかには法令に適合していないものがあります。ここでは、LEDのナンバー灯を選ぶ際に失敗しないための注意点を解説します。
2020年9月15日以降に新規登録された車両はECE R4の技術基準を満たす必要がある
2020年9月15日以降に新規登録(中古新規登録を含む)した車両のナンバープレートには、法令によって以下の2点が義務付けられています。
- ・「ECE R4」の技術基準を満たしたナンバー灯であること
- ・照度基準をクリアした位置関係を満足した取付場所に設置すること
ナンバー灯を選ぶ際は、「ECE R4」の対応品かどうかを必ず確認しましょう。「ECE R4」(LSL-1014AV)の技術基準を満たしていないナンバー灯を取り付けてしまうと、新規検査時に引っかかってしまいます。
さらに、ナンバー灯はナンバープレートとの位置関係を、照度基準クリアした状態にすることも必要です。「車検対応ナンバーステー関連パーツ、字光式ナンバープレート」に掲載の「車検対応ナンバーステー」と組み合わせて設置することで、ナンバー灯を適切な位置に取り付けることができます。
ヤマダボディーワークスでは、照度基準をクリアした位置関係を証明する「試験成績書」を別途必ず添付しているため、新規登録時に車検官に提示できます。
ナンバー灯の色や明るさなどは法規定に従う
トラックに限らず、自動車のナンバーには、法令によって以下の基準が定められています。
- ・夜間20mの距離からナンバープレートに書いてある表示を確認できること
- ・灯火の色は白色であること
- ・点滅(ウインカーのように点いたり消えたりすること)しない構造であること
新しいナンバー灯の色や明るさ、点灯方法が適合しない場合は、取り付けないようにしましょう。また、LEDが劣化すると明るさが足りなくなったり、チカチカと点滅したりすることがあります。LEDに劣化が見られる場合は、基準に適合しないため新しいものに交換が必要です。
トラックのナンバー灯交換作業時のポイント
トラックのナンバー灯を交換する際の、作業上のポイントを解説します。作業を誤るとケガをしたり、ナンバー灯が正常に点灯しなかったりする可能性があるので、交換作業前にぜひご確認ください。
ケガ防止のため手袋などの保護具をつけて行う
ナンバー灯を交換する際はケガをするリスクがあるため、手袋や帽子などの保護具の着用がおすすめです。作業時に車両の下回りや鋭利な部分にぶつかったときに、保護具を付けているだけでケガを防げる場合があります。
ショートやサビを防ぐため配線は防水加工を行う
ナンバー灯の配線の接続部分には、防水加工を必ず行いましょう。ナンバー灯の配線は車外に位置するため、水に濡れることがあります。接続部分が防水されていないと、配線がショートしたりサビが発生したりする原因となります。
配線の接続部を防水するためには、防水コネクタを使うのがおすすめです。防水コネクタを使うと、簡単かつ確実に防水効果を得られます。コネクタやギボシ端子にビニールテープが巻いてある場合がありますが、ビニールテープでは十分な防水効果を得られません。
ギボシ端子で接続する場合は、配線結線部は防水熱収縮チューブや防水ブチルテープなどで、防水処理を確実に行ってください。
LEDに変更する場合は抵抗値の調整が必要
白熱球からLEDのナンバー灯に交換する場合は、抵抗値の調整が必要です。
白熱球とLEDでは抵抗値が異なるため、抵抗値の調整を行わずにLEDを取り付けると他の機能に影響を及ぼす場合があります。抵抗器を配線の途中に追加して抵抗値を合わせることで、通常通り使用することが可能です。
コネクタ付きの製品はハーネスと組み合わせないと車両側との接続ができない
ナンバー灯の配線にコネクタが付いている製品は、車両側のコネクタを切らずに使用できるように開発された製品です。ただし、ナンバー灯のコネクタと車両のコネクタは形状が異なるため、そのまま接続することができません。
以下のカテゴリ内の「ハーネス」を中間に接続することで、コネクタの形状を変換し、接続することができます。ハーネスにも種類があり、車両とナンバー灯のコネクタに合わせて適合するものを選ぶ必要があります。
トラックのナンバー灯のおすすめ商品
ヤマダボディーワークスで扱っている、おすすめのナンバー灯をご紹介します。「ECE R4」の技術基準を満たしたナンバー灯と、満たしていないナンバー灯に分けているので、車両ごとの新規登録の時期に合わせて、適切な方を参考にしてください。
ECE R4の基準を満たした商品
「ECE R4」の基準を満たしている商品です。2020年9月15日以降に新規登録(中古新規登録を含む)した車両に取り付けられます。
LEDナンバーランプ LSL-1014AV ECE認証(DC12/24V共用)
「LEDナンバーランプ LSL-1014AV ECE認証(DC12/24V共用)」は、配線にコネクタがついていないので、ギボシ端子などで車両配線へ接続できます。また、取り付ける車種によっては抵抗値の調整のために、抵抗器を取り付ける必要があります。
「ECE R4」対応品ではありますが、ナンバープレートとの位置関係や灯光の入射角も、ECE企画認証取得時に定められたとおりに取り付ける必要があります。
LEDナンバーランプ LSL-1014AV ECE認証(DC12/24V共用) 防水コネクタ付
「LEDナンバーランプ LSL-1014AV ECE認証(DC12/24V共用) 防水コネクタ付」は、配線に防水コネクタが付いているため、車両側のコネクタを切らなくても接続ができます。ただし、本製品のコネクタは車両コネクタの形状と異なるため、「ハーネス」と組み合わせないと接続が出来ません。「ハーネス」は1灯用と2灯用があるので、車種によって適切なものを選択できます。
また、ナンバー灯はナンバープレートとの位置関係や灯光の入射角度を、ECE規格認証取得時に定められたとおりに取り付けなければなりません。取り付け位置や角度を細かく調整することは難しいのですが、以下の取付ステーを使うことで簡単に取り付けが可能です。ECE規格に合わせて設計されているステーなので、設けられている穴に取り付けるだけで基準を満足する状態で固定できます。
>車検対応ナンバーステー LSL-1014ナンバーランプ取付ステー 小型・中型用 縦1灯
ECE R4の基準を満たしていない商品
続いて、「ECE R4」の基準を満たしていない商品を紹介します。2020年9月15日以降に新規登録(中古新規登録を含む)した車両には、取り付けないでください。2020年9月15日より前に登録した車両には、補修パーツとして使用できます。
LEDナンバーランプ LSL-1009AV (DC12/24V共用)
「LEDナンバーランプ LSL-1009AV (DC12/24V共用)」は、配線にはコネクタが付いていないため、ギボシ端子などを使って車両配線に接続します。ナンバー灯本体を固定するための、ボルトとワッシャーも付属しています。
ナンバーランプ いすゞ大型用 DS-0455
「ナンバーランプ いすゞ大型用 DS-0455」は、LEDではなく白熱球を使うタイプのナンバー灯で、24V12Wの電球を入れるためのソケットが2ヶ所あります。
ナンバーランプ いすゞエルフ用 DS-0450
「ナンバーランプ いすゞエルフ用 DS-0450」は、LEDではなく白熱球を使うタイプのナンバー灯で、24V12Wの電球を入れるためのソケットが2ヶ所あります。
ナンバーランプ 日野純正型 (24V10W ECE電球付)
「ナンバーランプ 日野純正型 (24V10W ECE電球付)」は、LEDではなく白熱球を使うタイプのナンバー灯で、DC24V10Wの電球が付属しています。2本の配線にはギボシ端子がついています。
ナンバーランプ ダット DS-0491
「ナンバーランプ ダット DS-0491」は、LEDではなく白熱球を使うタイプのナンバー灯で、電球は付属していません。
トラックのナンバー灯の交換部品ならヤマダボディーワークスへ!
トラックのナンバー灯は長寿命のLEDに交換することで、球切れしにくくなりメンテナンスコストを下げることができます。ナンバー灯には、法令によって取り付け位置など様々な基準が設けられているため、交換する際は注意が必要です。
ヤマダボディーワークスでは、トラックのナンバー灯に関わる多くの部品を扱っています。「ECE R4」の基準を満たした製品はもちろん、LEDナンバー灯を接続するためのハーネスや抵抗器なども販売しています。トラックのナンバー灯を交換する際は、ぜひご活用ください。