トラックの反射板の保安基準とは?取り付け位置や規定の色を徹底解説!
2023年7月3日
トラックには、安全性の確保のために反射板(リフレクター)の取り付けが義務付けられています。反射板は法令によって色や取り付け位置などが決められており、トラックの大きさや種類によってもルールが異なります。
反射板の法令は細かく複雑ですが、こちらではトラックの反射板に関する保安基準を分かりやすく見ていきましょう。反射板の設置や交換をする際は、ぜひ参考にしてください。
目次
【種類別】トラックの反射板の取り付け位置や規定の色とは?
反射板は車両の存在を周囲へ示すために取り付けられている部品で、事故の防止を目的として取り付けられています。特に夜間は、反射板がないと存在に気付くのが遅れ、事故に繋がる可能性もあります。
反射板はライトのように発光するのではなく、周りから照らされた明かりを反射させています。また、反射板は、「反射器」や「リフレクター」と呼ばれることもありますが、意味は同じです。
トラックの反射板は、大きく「側方反射板」「前部反射板」「後部反射板」「大型後部反射板」の4つに分類されます。それぞれに定められている保安基準の内容について、以下で解説します。
側方反射板の保安基準
「側方反射板」とは、トラックの両側面に付けなければいけない橙色の反射板です。以下の車両には、側方反射板を設置しないといけません。
- ・長さ6メートルを超える普通自動車
- ・長さ6メートル以下の普通自動車である牽引自動車
- ・長さ6メートル以下の普通自動車である被牽引自動車
- ・二輪自動車
- ・ポール・トレーラ
また、側方反射板に定められている基準は以下のとおりです。
色 | ・橙色 ・後部に備わっており、尾灯、後部上側端灯、後部霧灯、制動灯と一体構造で兼用している場合は赤色でも可 |
形状 | 三角形以外 |
取り付け位置 | 反射板の上縁の高さが0.9m以下、下縁の高さが0.25m以上 |
性能 | 夜間に前方150mの位置から走行用前照灯で照射した場合に、その反射光を確認できるもの(反射部の大きさが10㎠以上) |
前部反射板の保安基準
「前部反射板」とは、被牽引自動車の前面に付けなければいけない白色の反射板です。前部反射板に定められている基準は以下のとおりです。
色 | 白色 |
形状 | 三角形以外 |
取り付け位置 | 反射板の上縁の高さが1.5m以下、下縁の高さが0.25m以上 反射板の最外縁が自動車の最外側から400mm以内 |
性能 | 夜間に前方150mの位置から走行用前照灯で照射した場合に、その反射光を確認できるもの(反射部の大きさが10㎠以上) |
後部反射板の保安基準
「後部反射板」は全ての車両に付けなければいけない赤色の反射板です。トラックだけでなく乗用車にも、車両の後面には後部反射板の設置が義務付けられています。後部反射板は、さらに「被牽引車を除く車両用」と「被牽引車用」に分類されます。
また、平成25年1月1日以降に新規登録されている自動車であって、後アオリやテールリフトなどの可動構造物がある場合は、後部反射板の取り付け位置に注意が必要です。可動構造物のあらゆる固定位置において、後部反射板の50%を超えて覆ってはいけないとされています。
例えば、後アオリの下に後部反射板が設置されている場合、位置によっては後ろアオリを開けたときに後部反射板がアオリに覆われてしまって見えなくなる可能性があります。停車中のトラックに他の車両が追突してしまう可能性があるため、可動構造物がどのような位置にあっても後部反射板が半分以上見えるようにしなければいけません。
被牽引車を除く車両
色 | 赤色 |
形状 | 三角形以外 |
取り付け位置 | 反射板の上縁の高さが1.5m以下、下縁の高さが0.25m以上 |
性能 | 夜間に前方150mの位置から走行用前照灯で照射した場合に、その反射光を確認できるもの(反射部の大きさが10㎠以上) |
被牽引車
色 | 赤色 |
形状 | 正立正三角形又は帯状部の幅が一辺 の5分の1以上の中空の正立正三角形であって、一辺が150mm以上200mm以下のも |
取り付け位置 | 反射板の上縁の高さが1.5m以下、下縁の高さが0.25m以上 |
性能 | 夜間に前方150mの位置から走行用前照灯で照射した場合に、その反射光を確認できるもの(反射部の大きさが10㎠以上) |
「被牽引車を除く車両」の反射板と比較すると、異なるのは形状です。被牽引車は三角形、非牽引車以外は三角形以外と定められています。
大型後部反射板の保安基準
「大型後部反射板」とは、車両総重量7t以上の貨物車に、後部反射板とは別に付けなければいけない反射板のことです。
大型後部反射板は他の反射板と比べるとデザインが特殊で、長方形の中に内側に約45度の角度をなした赤色と黄色の縞模様となっています。模様の幅も100±2.5mmと決まっています。
色 | 赤色と黄色の縞模様 |
形状 | 長方形(反射部又は反射部及び蛍光部からなる一辺の長さが130mm以上、 幅が130mm以上150mm以下(被牽引自動車に備えるものにあっては、195mm以上230mm以 下)かつ、その長さの合計が1,130mm以上2,300mm以下であること) |
取り付け位置 | 反射板の上縁の高さが1.5m以下、下縁の高さが0.25m以上 |
性能 | 昼間においてその後方150mの位置からその赤色部を確認できるもの |
大型後部反射板の保安基準は、法改正が行われており平成23年9月1日の生産車及び新規登録車(中古新規含む)には上記の縞模様の大型後部反射板を取り付けますが、それ以前の車両には旧規格の大型後部反射板が取り付けられています。
旧規格の大型後部反射板は、黄色の反射板の周囲を赤色の反射板で囲うようなデザインです。旧規格の大型後部反射板も補修用として販売されていますが、平成23年9月1日以降の車両には取り付けできません。
【参照】
>独立行政法人自動車技術総合機構審査事務規程
>道路運送車両の保安基準第2章及び第3章の規定の適用関係の整理のため必要な事項を定める告示【2021.6.9】第34条(前部反射器)|国土交通省
トラックの反射板に関する車検ポイント・注意点
反射板は設置が義務付けられているため、適切なものがとりつけられていないと車検にとおりません。反射板が車検に引っかかりやすいポイントをご紹介します。
保安基準に適合しているかどうかを事前に確認する
トラックの反射板が車検を通るためには、法令に従って上記の基準を満たしていることが絶対条件です。純正品と異なるものに交換している場合は、色や形状などが適合しているか注意しましょう。
また、必要な反射板が備わっていない場合も車検に通らないため、設置義務がある反射板を取り外してはいけません。
自ら発光するLEDタイプの反射板は車検に通らない
カスタム用の用品として、自ら発光するLEDタイプの反射板が販売されていることがありますが、車検に通らないため注意しましょう。反射板の内部にLEDが内蔵されており、テールランプやストップランプと連動して発光するようなものです。
発光する場合は反射板ではなく、灯火としての保安基準に該当します。車検のときは発光しないようにするドライバーもいるようですが、不正改造となるので、法令に従わないような改造はしないようにしてください。
反射板に著しい損傷や汚損がある場合は車検に通らない
色や形状の要件を満たした反射板が備わっていても、割れていたり著しく汚れていたりする場合は車検に通りません。後部反射板の保安基準には、「後部反射器は、反射器が損傷し、又は反射面が著しく汚損しているものでないこと」と定められています。反射板に損傷が見られる場合は、新しいものに交換するなどの適切な整備が必要です。
トラックの反射板の取り付け位置・保安基準まとめ
反射板はトラックの安全を守るために重要な部品であり、設置することが法令で義務付けられています。
トラックの反射板には、大きく分類すると「側方反射板」「前部反射板」「後部反射板」「大型後部反射板」の4種類です。法令によってそれぞれの種類に色や形状などの基準が細かく定められており、基準に従って反射板を取り付ける必要があります。
ヤマダボディーワークスでは、多くのトラックの反射板を扱っています。どの反射板を選択すればよいか分からない場合でも、適切なアドバイスを行っているので、ぜひご活用ください。