トラックのマーカーランプの配線方法│接続の手順を解説
2023年5月22日
トラックのマーカーランプの裏側には電気配線が接続されており、交換や増設を行う際は配線の接続作業が不可欠です。マーカーランプの配線は比較的シンプルですが、正しく接続しないと点灯しなかったり、故障の原因となったりすることもあります。
こちらでは、マーカーランプの配線方法をご紹介します。失敗しやすいポイントや対策方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
トラックのマーカーランプの配線方法
マーカーランプの配線に必要な道具と、具体的な作業の流れを解説します。
配線に必要な道具の準備
マーカーランプの配線に必要な、基本的な道具は以下のとおりです。
道具 | 用途 |
---|---|
ギボシ端子 | 2本の配線を接続するときの、繋ぎ目となる金具 |
・防水熱収縮チューブ ・防水ブチルテープ ・防水スリーブ |
ギボシ端子を接続した部分を、絶縁処理や防水処理するために用いる道具 |
電工ペンチ | 配線の被膜を剥いたり、ギボシ端子をかしめたりできるペンチ |
サーキットテスター | 配線の電圧や抵抗値を測定できるテスター |
マーカーランプを増設する場合は、増設する箇所に車両配線が存在しないため、延長用の配線が必要です。
1.配線の極性を確認する
電気配線には「プラス」と「マイナス」の極性があるため、それぞれの配線がどの極性か確認します。マーカーランプの配線と車両配線を、同じ極性同士の配線を接続する必要があるためです。
マーカーランプの配線には、「プラス」と「マイナス」の極性があります。配線色によって見分けることができ、製品の説明書に書いてあります。赤がプラス、黒がマイナスとなっていることが多いでしょう。配線の際には、マーカーランプの配線と車両配線を、同じ極性同士で接続する必要があります。
車両の配線はサーキットテスターなどを使って調べます。マーカーランプの点灯条件で24V(電源電圧)がかかっている配線がプラス、ボディーアースと導通がある配線がマイナスとなります。
2.配線にギボシ端子を取り付ける
マーカーランプの配線と車両配線の端に、ギボシ端子を取り付けます。ギボシ端子の基本的な取り付け手順は以下のとおりです。
①電工ペンチで配線の被膜を剥く
ギボシ端子を接続するために、配線の端の被膜を剥きます。配線を剥く長さは5mm程度で大丈夫ですが、使用するギボシ端子に合わせて微調整しましょう。
電工ペンチのワイヤーストリッパーという穴に配線を挟んで引っ張ると、被膜だけ切断でき、内部の芯線(金属のコード)が出てきます。露出した芯線は、よじってまとめておきましょう。
②配線にスリーブを入れる
配線に絶縁用のスリーブを入れます。ギボシ端子を接続した後はスリーブを通せなくなるため、必ず先にスリーブを入れておきましょう。
スリーブにはオス端子用とメス端子用があるため、取り付けるギボシ端子に合わせて選択します。また、スリーブには向きがあるため、ギボシ端子の形状に合うように注意しましょう。
③電工ペンチでギボシ端子をかしめる
電工ペンチでギボシ端子をかしめて、配線に取り付けます。ギボシ端子にはツメが2箇所あり、内側の小さなツメを芯線に、外側の大きなツメを被膜部分にかしめるのがポイントです。電工ペンチの先端には、複数サイズのかしめる穴があるため、2回に分けてギボシ端子のツメをかしめます。
ギボシ端子にはオス端子とメス端子があるため、マーカーランプと車両配線が対になるように取り付けましょう。最後にメス端子にオス端子を挿し込むだけで、マーカーランプと車両配線を接続できます。
ギボシ端子を接続したら、防水処理を行う前にマーカーランプの点灯確認を行います。点灯しない場合は、配線の接続を誤っている可能性が高いので再確認し、接続しなおします。
3.防水処理を行う
ギボシ端子の接続後は、必ず防水処理を行いましょう。マーカーランプの配線は車外にあるため、雨水がかかります。防水処理を行わないと濡れてショートする可能性があり、正常に点灯しなかったり、マーカーランプの故障の原因となったりします。
防水処理の方法は、配線の接続に防水ギボシ端子を使用するか、通常のギボシ端子の上から防水熱収縮チューブや防水ブチルテープで覆うといった方法があります。
マーカーランプの配線が1本しかない場合の取り付け方法
マーカーランプの裏側の配線はプラスとマイナスの2本がありますが、製品によっては1本しかない場合もあります。マーカーランプの配線が1本しか出ていない場合は、車両側の電源配線に接続します。
マイナス(アース)はマーカーランプ本体の固定ボルトと一体になっているため、配線を接続する必要はありません。ただし、マーカーランプ本体の固定ボルトを、車体のアースに繋がっている部分に固定しないと回路が成立しません。ネジ穴が塗装されているステーに固定したり、ボルトが緩んでいたりすると点灯しないことがあるため注意しましょう。
また、LEDマーカーランプは本体から出ている2本のボルトの内、1本しかアースにつながっていない製品が存在します。どのボルトがボディアースなのか、テスターなどで確認してから取り付けると配線ミスが起こりづらくなるでしょう。
マーカーランプの配線時のポイントや注意点
マーカーランプの配線時に、失敗しやすいポイントを解説します。作業を誤ると正常に点灯しないだけでなく、マーカーランプの故障に繋がる場合もあるため参考にしてください。
電線被膜の上からギボシ端子を取り付けない
ギボシ端子を配線にかしめるときの、配線の位置に注意しましょう。ギボシ端子にはツメが2箇所ありますが、どちらのツメも電線被膜の上にかしめてしまうと導通しません。ギボシ端子が導通しないと回路が成立しないため、マーカーランプは点灯しません。単純なミスですが、接続後に点灯しないことでマーカーランプが故障していると勘違いし、返品するケースも多く発生しています。
また、ギボシ端子のツメを2つ共芯線にかしめてしまうと導通しますが、固定力が弱くなるため、使用中に抜けてしまう可能性があります。ギボシ端子のツメは、必ず内側の小さいツメを芯線に、外側の大きいツメを配線被膜に取り付けましょう。
配線前に極性を間違えないよう事前確認を怠らない
配線の極性を間違えると、正常に点灯しない可能性があります。必ずマーカランプと車両側、両方の極性を確認してから接続しましょう。
マーカーランプの配線の極性は製品の説明書を確認し、車両配線の極性はテスターを使って確認すると確実です。
配線の防水処理は防水熱収縮チューブや防水ブチルテープを使用する
配線の防水処理はギボシ端子の上から、防水熱収縮チューブや防水ブチルテープなどで確実に行ってください。
ビニールテープを巻くだけで防水処理を終わらせるのは危険です。ビニールテープだけでも簡易的に防水を行えますが、巻き方が悪いとすき間から水が侵入したり、経年劣化で粘着力が弱まったりする可能性があります。
接続部分が完全に防水されていないと、ギボシ端子に付着した水が毛細管現象で配線を伝ってマーカーランプ内のLED基板を破壊してしまうことがあります。LED基板が破壊されて不灯になった場合は、マーカーランプの交換が必要になります。
マーカーランプの配線方法まとめ
トラックのマーカーランプの配線作業は、簡単な知識さえ身につければ自分で行うことも可能です。自分で作業が行えると、マーカーランプが劣化した場合や、違う製品に変更するときなど手軽に交換ができます。
ヤマダボディーワークスでは、色や明るさが異なる様々なマーカーランプを豊富に取り揃えています。LEDの鮮やかなマーカランプや、補修用パーツなどの用品もあるため、マーカーランプ交換の際はぜひご活用ください。
【機能パーツとしてのマーカーランプ】※例
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