トラックの車高灯の保安基準｜車検時のポイントも解説！

2023年6月19日

ウイングやアルミバンといったルーフのあるトラックには、「車高灯」が取り付けられている場合があります。車高灯は「上側端灯」とも呼ばれ、色や取り付け位置などが細かく法令で決められています。車高灯の状態が保安基準に適合していないと車検に通らないため、車高灯を交換や増設する場合は注意が必要です。

こちらでは、車高灯の保安基準や、前部と後部との違いなどを詳しく解説します。車高灯のあるトラックが車検に引っかかりやすい、注意点もご紹介しますので参考にしてください。

トラックの車高灯の保安基準とは？

車高灯にはトラックの前に設置する「前部上側端灯」と、後ろに設置する「後部上側端灯」があります。それぞれの車高灯に、保安基準で定められている内容を詳しく解説します。

【前提】車高灯は任意灯火であり、設置義務はない

前提として、車高灯は前後ともに設置義務がありません。保安基準でも「備えることができる」となっており、フォグランプのような扱いです。「車高灯が設置されていないから」という理由で、車検に通らなかったり違法になったりすることはありません。

ただし、車高灯を取り付けるかどうかは自由ではありますが、装着する場合は保安基準を守る必要があります。車高灯には色や取り付け位置、点灯方法などが保安基準によって細かく定められています。

「前部上側端灯」と「後部上側端灯」の保安基準

前部上側端灯と、後部上側端灯のそれぞれの基準は以下のとおりです。

	前部上側端灯	後部上側端灯
視認性	夜間300mの距離から点灯を確認できる	夜間300mの距離から点灯を確認できる
色	白色	赤色
取り付け位置	・被牽引自動車以外：照明部の上縁の高さが前面ガラスの最上端を含む水平面以上 ・被牽引自動車：取り付けることができる最高の高さ ・照明部の最外縁が自動車の最外側から400mm以内	・取り付けることができる最高の高さ ・照明部の最外縁が自動車の最外側から400mm以内
点灯方法	・車幅灯の点灯と連動 ・点滅しない	・尾灯の点灯と連動 ・点滅しない
ECE規格認証取得要件	2006年1月1日以降に新規登録 （中古新規も含む）	2006年1月1日以降に新規登録 （中古新規も含む）

「前部上側端灯」と「後部上側端灯」は、トラックの存在を周囲へ示すために車体の上部外側に取り付けられる灯火であるため特徴が似ていますが、異なる部分もあります。

両者の大きな違いは色にあり、前は白色、後ろは赤色の車高灯を装着する（上側端灯として装着する）場合は、上記の表の基準を守らなければいけません。異なる色を装着する場合は、「その他の灯火」としての保安基準が適用されます。ただし、「その他の灯火」でも前部に赤色、後部に白色のランプを装着することはできません。

前部上側端灯

前部上側端灯の、細かな基準は以下のとおりです。

・視認性

夜間にその前方300mの距離から点灯を確認できるものであり、他の交通を妨げないものであること。（光源が5W以上30W以下で照明部の大きさが15㎠）

・色

灯光の色は、白色であること。

・取り付け位置

前部上側端灯の照明部の最外縁は、自動車の最外側から400mm以内。

被牽引自動車以外：照明部の上縁の高さが、前面ガラスの最上端を含む水平面以上であること。4 個備える場合は、下側の2個は上側の照明部との垂直方向の距離が自動車の構造上可能な限り離れた位置で、自動車の後端からの距離が400mm以内、可能な限り自動車の後端に近づける。

被牽引自動車：取り付けることができる最高の高さであること。4個備える場合は、下側の2個は上側の照明部との垂直方向の距離が自動車の構造上可能な限り離れた位置で、自動車の後端からの距離が400mm以内、可能な限り自動車の後端に近づける。

・点灯方法

車幅灯が点灯しているときに、消灯できない構造であること。点滅しないこと。

・ECE規格認証取得要件

2006年1月1日以降に新規登録（中古新規も含む）に備える車高灯には、ECEの性能要件への適合が必要。

後部上側端灯

・視認性

夜間にその前方300mの距離から点灯を確認できるものであり、他の交通を妨げないものであること。（光源が5W以上30W以下で照明部の大きさが15㎠）

・色

灯光の色は、赤色であること。

・取り付け位置

後部上側端灯の照明部の最外縁は、自動車の最外側から400mm以内。

取り付けることができる最高の高さであること。 4個備える場合は、下側の2個は上側の照明部との垂直方向の距離が自動車の構造上可能な限り離れた位置。

・点灯方法

尾灯が点灯しているときに、消灯できない構造であること。点滅しないこと。

・ECE規格認証取得要件

2006年1月1日以降に新規登録（中古新規も含む）に備える車高灯には、ECEの性能要件への適合が必要。

車高灯を「その他の灯火」として取り付ける場合の保安基準

「アンバー（橙色）」「グリーン」や「ブルー」といった車高灯は、保安基準を満たさないため、前部上側端灯や後部上側端灯として取り付けると違反になってしまいます。保安基準に適合しない車高灯は、「その他の灯火」として取り付ける必要があります。「その他の灯火」とは、取り外しても機能上は問題ない、イルミネーションとして取り付ける灯火のことです。

ただし、「その他の灯火」であれば、どのようなランプでも取り付けて良いというわけではなく、法令により以下のような制限があります。

＜その他の灯火で制限されている内容＞

制限の項目	詳細
色	・赤色 ・後方に白色、橙色（2.5ｍ以下への設置の場合） ・前面ガラスの上に青紫色、黄緑色
点灯方法	点滅や、光度が増減するもの
明るさ	300cd超
ECE規格認証取得要件	なし

車検時に確認しておきたい車高灯の点検ポイント

車高灯は前部上側端灯や後部上側端灯としての基準が設けられているだけでなく、その他の灯火として取り付ける場合もあるため、車検時の判断基準も複雑になっています。車高灯が問題なく車検に通るように、点検ポイントをご紹介します。

色や取り付け位置が保安基準に合ったものになっているか

純正品の車高灯であれば保安基準に適合したものになっていますが、後付けしたり交換したりする場合は注意が必要です。先述したとおり、車高灯は色や取り付け位置などが細かく決まっているため、保安基準に従わないと車検に通りません。

前部上側端灯と後部上側端に該当しない場合は、その他の灯火としての要件を満たしているか確認しましょう。その他の灯火として取り付ける場合であっても、色や明るさなどに制限があるため、要件を満たしているか確認する必要があります。

正常に点灯しているか

車高灯を備えるかどうかは任意であるものの、設置されている場合は正常に点灯しないといけません。球切れなどで点灯しない車高灯がある場合は車検に通らないため、電球の交換などの適切な整備を行う必要があります。

また、機能を損なう損傷があってもいけません。例えば、灯器やレンズの取り付けにガタつきがあったりレンズが割れていたりする場合は車検に通らないことがあります。

車高灯の保安基準を押さえて車検対策を！

車高灯は任意灯火ではありますが、装着する場合は法令に従って取り付けを行いましょう。また、車高灯の要件を満たしていない製品は「その他の灯火」として、イルミネーションのような位置づけで取り付けられる場合もあります。

ヤマダボディーワークスでは、様々な種類の車高灯を扱っています。その中でも「法令に準拠した車高灯」と「その他の灯火としての車高灯」に分けて車高灯をご紹介します。

法令に準拠した車高灯

前部上側端灯としての車高灯

後部上側端灯としての車高灯

その他灯火としての車高灯

＞ヤマダボディーワークス　車高灯一覧