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トラックのアウトリガーとは?意味や役割、種類を解説

2024年1月22日

「アウトトリガー」とは、クレーン車(ユニック車)がクレーンを使用する際に使用する安全装置です。
アウトリガーを使わないと、クレーンで荷物を吊り上げた時に、トラックが横転してしまうこともあります。

こちらでは、アウトリガーの役割や、適切な使い方を解説します。クレーン車を安全に使用するために、ぜひ参考にしてください。

ヤマダボディーワークスでは様々なアウトリガーを取り扱っています。ぜひご活用ください。


アウトリガーベース(敷板)、乗り上げ台の商品一覧|ヤマダボディ―ワークス

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トラックのアウトリガーとは?

トラックのアウトリガー

アウトリガーとはクレーン車の左右に取り付けられている装置のことで、クレーン使用時に車両の転倒を防ぐ役割があります。トラックの横に足を張り出し、突っ張り棒のように地面に接地させることでトラックの安定性を高めることが可能です。
アウトリガーには複数の種類があり、クレーンの左右2ヶ所に備わっているものや、高所作業車のように特に安定性が必要な場合は荷台後方の左右(計4ヶ所)にも備わっているものもあります。

クレーン車は荷台の外にクレーンを長く伸ばして重い荷物を吊り上げるため、トラックの自重だけでは車体を支えられないことがあります。そのためアウトリガーをトラックの左右に張り出すことで、トラックの安定性を確保するのです。

ちなみにクレーン車とは、トラックのキャビンと荷台の間にクレーンを備えている車両のことを指します。一般的にクレーン車のことを「ユニック車」と呼びますが、元々「ユニック」は古河ユニック株式会社の登録商標です。クレーン車に「ユニック」が多く使われ有名になったため、クレーン車の総称のように使われるようになりました。

トラックのアウトリガーの種類

アウトリガーには、「リヤアウトリガー」「差し違いアウトリガー」「ハイアウトリガー」の3種類があります。それぞれの構造の違いや、使用目的などを解説します。

リヤアウトリガー

「リヤアウトトリガー」は、荷台の前後にアウトリガーが付いているタイプです。

他の種類は前方(キャビンと荷台の間)の左右に2ヶ所備えていますが、リヤアウトリガーは後方の左右にもアウトリガーがあるため、合計4ヶ所に備えられています。アウトリガーを4ヶ所に張り出すことで高い安定性を確保することが可能です。

そのため、高所作業車などに使われています。また、重量物を吊り上げる場合や、傾斜のある道路など安定性が必要な場面でも活躍します。

差し違いアウトリガー

差し違いアウトリガー

左右のアウトリガーが前後方向にずれて格納されているアウトリガーを、「差し違いアウトリガー」と呼びます。アウトリガーを左右方向に長く張り出せるため、高い安定性を確保できます。

使い勝手がよくスタンダードなタイプであるため、大型のクレーン車の大半は差し違いアウトリガーを採用しています。

ハイアウトリガー

「ハイアウトリガー」は、アウトリガーが縦方向に長く伸びるタイプのアウトリガーです。主に重機を運ぶトラックに備えられています。アウトリガーを伸ばすことで車体前方が高く持ち上がり、荷台が大きく傾くため、荷台の後方から重機や車両を積載できます。

トラックのアウトリガーの操作方法

アウトリガーの設置方法は、アウトトリガーの種類や、設置する車両によって異なります。
ここでは、差し違いアウトリガーを一般的なクレーン車に設置するケースを例に解説します。

1.PTOを入れる

室内のスイッチを操作して、PTOを入れます。PTOとは(Power Take Off)の頭文字で、エンジンの動力を様々な装置に分岐させるための機構のことです。PTOはアウトリガーに関わらず、ダンプトラックやゴミ収集車などの荷台に動力を必要とするトラックに広く使われている仕組みです。PTOを入れないとアウトリガーに動力が伝わらないため、最初に操作する必要があります。

クラッチペダルを奥まで踏み、運転席にあるPTOスイッチを押してからクラッチペダルを戻すとPTOが入ります。PTOが入ると「カチ」と小さい音がするため、聴覚で確認できる場合もあります。

2.アウトリガーを左右に伸ばす

アウトリガーのスイッチを操作して、アウトリガーを横方向に伸ばします。必ず周囲に人や障害物がないことを確認してから操作してください。アウトリガーは基本的に、左右方向に最大限張り出します

3.敷板(アウトトリガーベース)を置く

アウトリガーの底と地面が接する場所に、敷板(アウトトリガーベース)を設置します。アウトトリガーベースは上下方向を確認し、地面に置くだけですが、アウトリガーの底がアウトトリガーベースからはみ出さないように注意しましょう

4.アウトリガーを縦に伸ばす

スイッチを操作して、アウトリガーを縦方向に伸ばします。アウトトリガーベースの真ん中にアウトリガーが設置していることを確認し、車体が持ち上がり前輪が浮く手前までアウトリガーを伸ばしましょう

このとき、前輪が浮いてしまうと車両が不安定になってしまいます。吊り上げた荷物の移動によって車体の重心が移動した際に、アウトリガーを支点にシーソーのような状態になってしまうためです。反対に伸ばし量が足りないと、荷台から荷物を降ろした時にアウトリガーが地面から浮いてしまうことがあります。

トラックのアウトリガー設置時の注意点

続いて、アウトリガーを使用する際の注意点を解説します。アウトリガーはトラックの車体を支える重要な装着なので、注意点を抑えて、安全に使用を心がけてください。

アウトリガーは左右方向に最大まで引き出す

アウトリガーは、左右方向に最大まで引き出して使うことが基本です。引き出し幅が少ないとクレーンが重量物を吊り上げた際に車体を支えられず、トラックが横転してしまう可能性があります。

道幅が狭い場所で使用する場合は最大まで引き出すことができない場合がありますが、トラックをなるべく道路の端から離し、アウトリガーが引き出せるようにしましょう。

地面が不安定な時は敷板などで補強する

舗装されていない地面でアウトリガーを使う場合は、アウトリガーの底が当たる部分をアウトトリガーベースで補強する必要があります。アウトリガーを柔らかい地面にそのまま伸ばすと、地面に沈み込んでしまうためです。アウトリガーが沈んでしまうと、車体も傾いてしまうため危険です。

ただし、舗装されている道路でアウトリガーを使用する場合でもアウトトリガーベースは必要です。アウトリガーが着地する部分に大きな荷重がかかり、アスファルトを壊してしまう可能性があります。

トラックにアウトリガーは後付け(交換)できる?

トラックにアウトリガーを後付けしたい場合や、交換したいという場合に、どうしたら良いかを解説します。

アウトリガーの後付けにはPTOが必要

アウトリガーはトラックに後付けすることが可能です。しかし、アウトリガーの動力となるPTOが必要になるため、PTOがない場合はシャーシメーカーでPTOを増設した上でクレーン専門業者に依頼する必要が有ります。

また、トラックによってはシャーシの設計上、アウトリガーを後付けできない場合があります。アウトリガーの後付けを検討する場合は、クレーン取付専門業者にご相談ください。

アウトリガーベースの格納BOXも後付け可能

アウトリガーベース(敷板)の格納BOXは、トラックに後付けすることができます
アウトリガーベースは大きく重量のある道具なので、なるべく荷台やキャビンに置きたくないという人も多いでしょう。アウトリガーの近くに格納BOXを設置することで、アウトリガーベースを邪魔にならない場所に効率よく格納できます。

アウトリガー関連のおすすめ商品

ヤマダボディワークスでは、アウトリガー使用時に必要となるアウトリガーベースやアウトリガーベースの格納BOXアウトリガー用のサイドバンパーなどを扱っています。アウトリガーには欠かせないおすすめの製品をご紹介します。

アウトリガーベース(敷板) ハイプラ製 4t用 新型

アウトリガーベース(敷板)ハイプラ製

アウトリガーを設置する部分のアスファルトを保護するためのアウトリガーベースで、4tクレーン車(ユニック車)の車両に使用できます。

平らな面のアスファルト保護を目的とした製品のため、軟弱地で使用すると割れてしまう可能性があります。ハイプラとは、廃棄されたプラスチックをリサイクルして作られた素材のことです。プラスチックのため、木製のアウトリガーベースと比較すると柔軟性がありません。

トラックに収納する為の格納BOXも取り扱っています。
>アウトリガーベース(敷板)格納BOX 鉄製カチオン Bタイプ
>ステンレス アウトリガーベース(敷板)格納BOX Bタイプ SUS304 #400


アウトリガーベース(敷板) ハイプラ製 4t用 新型

2,934円

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>ハイプラ(廃プラ)とは何ですか?

アウトリガーベース(敷板) ハイプラ製 大

アウトリガーベース(敷板)ハイプラ製大
コンクリートポンプ車専用のアウトリガーベースです。コンクリートポンプ車とは、建物の基礎などを作る際にコンクリートを流し込むための設備をもったトラックです。

アスファルト保護用のアウトリガーベースなので、軟弱地では使用できません。また、アウトリガー接地面形状に制限があるため、寸法を確認してからご使用ください。


アウトリガーベース(敷板) ハイプラ製 大

9,900円

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ジャッキボード(乗り上げ台) ハイプラ製 H=80mm

ジャッキボード(乗り上げ台)ハイプラ製

検診車やレントゲン車、マーゲン車の高さ調整用の製品です。これらの車両にも高さ調整や安定性を確保するためのアウトリガーが付いてるため、このような乗り上げ台を用意しておく必要があります。


ジャッキボード(乗り上げ台) ハイプラ製 H=80mm

7,260円

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アウトリガー用 JBアルミサイドバンパー70H 金具

アウトリガー用JBアルミサイドバンパー

アウトリガー部に、コの字型のサイドバンパーを形成するための部品です。以下の部品を組み合わせることで、片側のサイドバンパーを作ることができます。


アウトリガー用 JBアルミサイドバンパー70H コーナー金具 A型

4,180円

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トラックのアウトリガー関連部品ならヤマダボディーワークスへ

クレーン車の作業時の安全を守るために、アウトリガーは欠かせない装置です。アウトリガーをトラックの左右方向に張り出し、地面と突っ張らせることで、クレーン使用時の車両の安定性を確保しています。

アウトリガー使用時は、アウトリガーの底と地面の間にアウトリガーベースを敷きます。アウトリガーベースは道路のアスファルトの保護をするためだけでなく、車両の高さ調整や安定性の確保をするためにも重要です。

ヤマダボディーワークスでは、アウトリガーベースの販売だけでなく、アウトリガーベースの格納BOXやアウトリガー部のサイドバンパーを形成するための部品も販売しているのでぜひご利用ください。

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