シャーシUボルトとは?役割と種類・選定方法を解説
2024年8月21日
トラックに取り付けるシャーシUボルトとは、トラックのボディ(荷台)とシャーシ(トラックの骨格)を上下方向に固定するためのボルトです。
トラックは段差を乗り越えたり、悪路を走行することもあるため、ボディは上下方向に衝撃を受けます。そのため、ボディはシャーシUボルトで確実に固定されている必要があります。
この記事では、トラックのシャーシUボルトの役割や選定方法について解説します。シャーシUボルトの選定を誤るとトラックへの取り付けができない可能性があるため、ぜひ参考にしてください。
【この記事で分かること】
- ・トラックのUボルトの役割
- ・Uボルトの選定方法
- ・滑り止め金具の必要性
目次
シャーシUボルトとは?
シャーシUボルトはボディとシャーシを固定するための部品のことです。
ここでは、トラックの基本構造を理解したうえで、シャーシUボルトの役割や、シャーシUボルトと併せて使用する滑り止め金具についても見ていきましょう。
トラックの基本構造
トラックの構造は、大きく3つに分けられます。
- ・キャブ:運転席がある部分
- ・ボディ:荷物を載せる部分
- ・シャーシ:ボディの下にある金属製のフレーム
上記のうち、シャーシは、ボディやキャブの下に縦方向に伸びるハシゴ型の金属製のフレームのことで、トラックの骨格としての役割を果たします。キャブやエンジン、車軸といった主要な部品も全てシャーシに取り付けられています。
ボディもシャーシの上に載っており、ボディの種類によって平ボディやウイングといったトラックの種類に分かれます。
シャーシUボルトの役割
シャーシUボルトは、ボディとシャーシを上下方向に固定するために使用します。名前のとおり、アルファベットの「U」の形をしており、2つの先端にはナットを付けるためのネジ山がついています。
トラックは平坦な道を通るだけではなく、大きな段差を乗り越えることもあります。ボディが動いてしまうと荷物がずれたり落ちたりする可能性があるため、シャーシUボルトで確実に固定する必要があるのです。
前後方向は固定できないため滑り止め金具を併せて使う
Uボルトはボディとシャーシを上下から挟み込むように固定するため、前後方向は固定していません。しかし、ボディが前後方向に固定されていないと、急ブレーキを踏んだときなどにボディがシャーシの上をスライドするように動いてしまいます。もしボディが動いてしまうと、キャブに衝突したり、脱落してしまったりする危険性があります。
そのため、トラックには、Uボルトと合わせて滑り止め金具という部品が取り付けられています。Uボルトが上下方向、滑り止め金具が前後方向を固定することによって、走行による影響を受けてもボディが動かないようになっているのです。
シャーシUボルトの選定方法
適切なシャーシUボルトを選ぶためには、どのように取り付けられているかを理解する必要があります。取り付け方法と合わせて、シャーシUボルトの種類や必要になる長さの計算方法を解説します。
シャーシUボルトの種類
ヤマダボディーワークスでは、2t用、4t用、大型用のシャーシUボルトを取り扱っています。それぞれ、内寸幅とネジ長さは決まっています。
ただし、2t用、4t用、大型用の分類は一般的なトラックのサイズとして設定しているだけなので、取り付けるシャーシや縦根太の幅に合わせて選定してください。
- ・2t用:内寸幅75mm、ネジ長さ70mm
- ・4t用:内寸幅80mm、ネジ長さ100mm
- ・大型用:内寸幅100mm、ネジ長さ100mm
また、2t用と4t・大型用でシャフト径・ボルト径・ねじピッチが異なります。
2t用 | 4t用・大型用 |
---|---|
シャフト径:11mm ボルト径:12mm ねじピッチ:1.25 |
シャフト径:15mm ボルト径:16mm ねじピッチ:1.5 |
上の画像の「L寸法」とはシャーシUボルトの長さのことで、シャーシに取り付ける際にボルトの有効な長さ(内寸)を表しているため、ボルトの底面の太さを引いた数値となっています。さまざまなトラックに対応できるように、L寸法は2t用、4t用、大型用それぞれに異なる長さの種類があります。
シャーシUボルトの長さの計算方法
シャーシUボルトを購入する際は、L寸法に複数の種類があるため、トラックの寸法を測って計算する必要があります。計算式は以下のとおりです。
【計算式】
L寸法=シャーシ寸法 + シャーシスペーサー寸法 + 縦根太寸法 + 40mm(座金 + ナット2個分の厚み)
こちらの計算をすることによって、L寸法を算出できます。ただし、実際の商品の寸法はほとんどが10の位が偶数のみとなっています。計算結果の10の位が奇数になった場合は、10mm長いものを選択してください。
以下の条件で実際に計算をしてみます。
・シャーシ寸法:250mm
・シャーシスペーサー寸法:50mm
・縦根太寸法:100mm【計算例】
250mm + 50mm + 100mm + 40mm = 440mm
(寸法が440mmのシャーシUボルトを選択する)
シャーシUボルトの取り付け方法
シャーシUボルトはシャーシとボディの縦根太(たてねだ)に差し込み、座金とナットで挟み込むように固定します。縦根太とは、ボディの下に取り付けられている梁のことです。ナットは緩みを防止するために、Wナットという1本のボルトに対して2つのナットを締め込む方法で取り付けられます。
シャーシと縦根太の間には、シャーシスペーサーと呼ばれる部品が挟まれています。シャーシスペーサーとは、シャーシUボルトを締め付ける際に、シャーシにかかる負荷を軽減する緩衝材です。また、荷台の腰上げ(荷台の高さを上げること)をして、フェンダーなどを見えやすくする高さ調整の用途にも使われます。そのため、シャーシUボルトに固定される部品は、上から縦根太、シャーシスペーサー、シャーシとなっています。
まとめ
シャーシUボルトとは、トラックのボディをシャーシに固定するための部品です。トラックは走行中に上下に大きく揺れるため、シャーシUボルトでボディを確実に固定する必要があります。
文字どおりアルファベットの「U」の形をしており、先端にネジ山がついています。シャーシUボルトと座金を用いて縦根太、シャーシスペーサー、シャーシを挟み込むことでボディを固定しています。
シャーシUボルトには幅や長さに種類があり、トラックごとに必要となるサイズが異なります。ヤマダボディーワークスでは、2t用、4t用、大型用のシャーシUボルトを取り扱っています。さまざまなトラックに適合するように、それぞれに複数のL寸法の種類がありますので、ぜひご活用ください。
>ヤマダボディーワークス シャーシUボルト 2t用一覧
>ヤマダボディーワークス シャーシUボルト 4t用一覧
>ヤマダボディーワークス シャーシUボルト 大型用一覧